ロマンティックなサウンド・メイキングを追求した
1982年発表のアルバム
全米デビューをはかるや否や" ロスト・イン・ラヴ "のトップ3入を皮切りに、アメリカのみならず
世界中で人気爆発、夏の爽やかな香りを漂うロマンティックなサウンドのイメージが定着する
彼らは本アルバムを当初ロック色の濃いアルバムにしようとしていたが、アリスタ・レコードの
クライヴ・デイヴィスの意向により拒否されるが、結果アルバム全体に広がる" 夏の香り=ロマン
ティック "路線を強いられた
しかし" さよならロンリー・ラヴ "をキー・トラックにタイトル曲" ナウ・アンド・フォーエヴァー "
" ラヴ・ビリーヴァー "など、心にしみる楽曲を含むこの作品は、彼らの最高傑作と呼ばれるアルバム
となり商業的にも成功した
§ Recorded Music §
1 Now and Forever - ナウ・アンド・フォーエヴァー
2 Even the Nights Are Better - さよならロンリー・ラヴ
3 Young Love - ヤング・ラヴ
4 Two Less Lonely People in the World - 夜明けのふたり
5 Traking the Chance - テイキング・ザ・チャンス
6 Come What May - ラヴ・ビリーヴァー
7 One Step Closer - ワン・ステップ・クローサー
8 Don't Be Afraid - ドント・ビー・アフレイド
9 She Never Heard Me Call - 残された言葉
10 What Kind of Girl - あの娘はどんな娘?
§ Band Member §
Ralph Cooper - ラルフ・クーパー( Ds )
Frank Esler Smith - フランク・エルサー・スミス( Key )
Rex Goh - レックス・ゴー( G )
Dave Green - デイヴ・グリーン( B )
Russell Hitchcock - ラッセル・ヒッチコック( Vo )
David Moyse - デヴィッド・モイス( G )
Graham Russell - グラハム・ラッセル( G,Vo )
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エア・サプライが1980年にアメリカに進出して3作目にして最高傑作との評価を受けているアルバムで
全10曲中、7曲がグラハム・ラッセルの作品となっている
このアルバムからの1stシングル" さよならロンリー・ラヴ "で全米デビューからのシングル連続全米
トップ5以内という記録を7曲に伸ばすが、続く2ndシングル" ヤング・ラヴ "で残念ながら記録は
途切れてしまう
しかし制作したグラハム・ラッセル自身が" "ヤング・ラヴ "のシングル・カットは意外だった "と後述
していて、この曲を" アルバムの中の1曲 "と捉えていたようだ
続く3rdシングルには" 夜明けのふたり "がリリースされ、アルバム・タイトルである" ナウ・アンド・
フォーエヴァー "はシングル化されていない
とはいえ、このアルバム自体の完成度は非常に高く、ベスト盤などには必ず収録されるほどの名曲だし
ほかの曲もバンドを前面に出したものやコーラスワークで聴かせる曲など何度聴いても新鮮である
Air Supply - Even The Nights Are Better
Two Less Lonely People In The World
特にタイトル曲" ナウ・アンド・フォーエヴァー "のラッセル・ヒッチコックの多重録音によるハーモニー
の美しさは絶品、日本ではペパーミント・サウンドというような…分かったような分からないような
呼び方をされていたが、誠実な歌詞と伸びやかな歌声は一時代を築いたアーティストとして評価ができる
40年弱の年月を経てもまったく鮮度を失わない至高の甘味料であって、それをサポートするかのごとく
ほかの曲のどれもが上質な甘さを持っている
人は疲れたとき甘いものを口にすると元気が回復するというが、このアルバムにはそんなヒーリング
効果もあるのかもしれない
全体としてゆったりとした曲で、曲によってはテンポの速い曲もあるが決して激しい曲ではない
分かる人には分かる、すごく落ち着いた気分になる楽曲である
ドラマティックでセンチメンタルでメローな楽曲がヒットしたが、全体的には楽曲の出来はイマイチ…
イマイチな曲でもバンドの勢いがあるので、ほころびは目立ってはなく、このアルバムが彼らの全盛期
最後の作品となってしまう…あとはフェイドアウトしていく
時代のトレンドは無惨にも彼らとはすれ違っていた