1960年代後半に発生し流行したロック音楽の派生ジャンル
LSDなどのドラッグによる幻覚を、ロックとして体現化した音楽
アメリカ合衆国西海岸に始まったサイケデリック・ムーヴメントは1967年ごろ世界中を席巻し、多くの
アーティストがこのジャンルに作品を残した
グレイトフル・テッド、ジェファーソン・エアプレインなどが有名だが、プログレッシブ・ロックの
代表的なバンドとして知られているピンク・フロイドも、シド・バレットが在籍していた最初期はサイ
ケデリック・ロックだった
すでに人気ポップ・バンドの地位を確立していたビートルズも" リボルバー " " サージェント・ペパーズ
ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド " " イエロー・サブマリン "で、このジャンルを代表する作品を作り
またローリング・ストーンズも" サタニック・マジェスティーズ "で同じような作品を残している
フレクサスやアンディ・ウォーホールドといった複合芸術活動の流れに伴うライト・ショー、極彩色
模様のスライド映写、ヒッピー文化からのサイケデリック・ファッション、作家ケン・ギーシーの" アジ
ット・テスト "など相互影響で関連するものを音楽とは無関係な部分として語らないことも多い
ビートルズの" トゥモロー・ネバー・ノウズ "などの楽曲は、マルチ・チャンネルといった録音技術の革新
に電気楽器を主とした実験音楽と共鳴し、異なる分野の現代音楽、前衛音楽を巻き込み、大衆のポップ
ミュージックの制作においても大きな影響を与えた
ポップ・ミュージックのひとつであるロック音楽のサイケデリック・ロック時代にはインド音楽など
アジア民族音楽に影響され、ビートルズの" ラバー・ソウル "の" ノルウェーの森 "からシタールが周知
され、そのほかの民族楽器も用いられれいる
シタールを用いた楽曲では1967年スコット・マッケンジーの" 花のサンフランシスコ "が大ヒットを記録
ジョージ・ハリソンとの交流が知られ、すでに世界的な活動を行っていたシタール奏者のラヴィ・シャン
カルが同年にモントレー・ポップ・フェスティバルに出演している
ステージではジャズのフリー・インプロヴィゼーション（ 即興演奏 ）に影響され、ブルース楽曲を長々
と演奏することが多く、これはバーズやジェファーソン・エアプレインなどのフォーク・ロック・バン
ドで、そのメンバーたちはフォーク・リヴァイヴァルに由来があり、歌詞に反戦運動など政治メッセージ
が含めれることもあった
ステージ演奏で生まれた幻想的なアレンジをスタジオ録音で再現する試みの大半は失敗に終わったが、
この錯誤は録音技術の挑戦とエフェクターの進化発展に大きく貢献することになる
主に編曲（ 楽曲アレンジ ）で大きな解釈変化を取り入れたサイケデリック・ロックは
プログレッシブ・ロックの試金石となった要素も多く、1970年代の" ロック黄金期 "の布石となった
この時代に活動したヴェルベット・アンダーグランドやジョン・レノンが関与した市民運動ジョン・シン
クレアの救済コンサートから誤った見解でシンクレアが一時スタッフを務めたMC5といった反映しなかっ
たバンドも21世紀に入ってサイケデリック・ロックに含められる機会も多くなる
演奏上の特徴は異なり、同時代東洋思想に共鳴した思想家マハリン・マヘーシュ・ヨギーから思想上の
文学などそのつながりからサイケデリック・ロックやアシット・フォーク扱いされたミュージシャンも
存在する
1980年代初期にはニュー・ウェーヴからネオ・サイケデリック（ Neo-Psychedelic ）と呼ばれるバンド
群が現れる
ドラッグ追体験ではなく、かつてのサイケデリック・ロックに影響され、このアレンジ表現を主に幻想的
な楽曲を取り入れた
エコー&ザ・バニーメン、ドリーム・シンジケート、レイン・バレードなど、初期のU2なども含まれる
ことがある
これ以降ファズ・ギターで演奏するもの、幽玄なアレンジで瞑想音楽的なものに対して" サイケデリック
ロック "や" サイケデリック・ミュージック "と呼ばれる場合もある
