1972年リリースのCarlos Santana & Buddy Milesの共演
サンタナのアルバム" キャラバンサライ "の制作の、ほぼ前後した1971年大晦日の晩か
ら1972年年明けの朝にかけて、ハワイで開催されたロック・フェスティバルをライヴ
レコーディングしたもの…という触れ込みだった( 後述 )
§ Recorded Music §
1 Marbles - 大理石
2 Lava - ラーヴァ
3 Evil Ways - イヴィル・ウェイズ
4 Faith Interlude - フェイス・インタールード
5 Them Changes - ゼム・チェンジズ
6 Free From Funkafild Filth - フリー・フロム・ファンカファイド・フィルス
§ Band Member §
Carlos Santana - カルロス・サンタナ( G )
Ron Johnson - ロン・ジョンソン( B )
Buddy Miles - バディ・マイルズ( Vo,Ds )
Robert Hongis - ロバート・ホンギス( Key )
Luis Gasca - ルイス・ギャスカ( Tr )
Voctor Pantoja - ヴィクター・パントヤ( Per )
Coke Escovedo - コーク・エスコベート( Per )
Gregg Errico - グレッグ・エリコ( Ds )
James Mingo Luis - ジェイムズ・ミンゴ・ルイス( Per )
Neal Schon - ニール・ショーン( G )
Micheal Carabello - マイケル・カラベロ( Per )
Carlos Santana & Buddy Miles: Live!
- アーティスト: Santana,Buddy Miles
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1994/09/08
- メディア: CD
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メンバーはバディ・マイルズのバンド、サンタナの選抜にゲストを迎えた豪華メンバー
特にパーカッションの充実ぶりには注目である
上述したように、ライヴ・アルバムのはずが、実は1972年3月から4月に改めてスタジオ
でセッションし直した…というのが真相である
実際ハワイのライヴはレコーディングされたが、一部不備があったため完全な収録に
ならず日を改めて追加レコーディングするつもりが、すべて取り直したということの
ようである
ノリが重要視されるその場限りのライヴ・パフォーマンスより、クオリティの高いプレ
イを聴くことができるとも考えられる
100%のインプロヴァイスされたライヴ作品の、ちょうど間の作品と考えれば貴重な
ライヴ・アルバムとなる
マイク・ブルームフィールド、ジミ・ヘンドリックス、さらにはジョン・マクラフリン
という道を経たバディ・マイルズと、当時まさに上昇気流に乗るカルロス・サンタナと
の共演が、このプロジェクトの売りだったわけだが、独自のファンキーなリズム・ビー
トを叩き出すバディー・マイルズのドラムによって16ビートのノリを十分に含んだ8ビ
ートというサンタナがロックに取り入れたリズム革命だ鮮明だ
サンタナのデビュー・アルバムにテイクされている" イヴィル・ウェイズ "のソウルフル
な演奏はそれを如実に現しているが、プレイにおいてロック・ギタリストの常識である
ブルースの要素以外に、リズム的な拘りを見せたカルロス・サンタナのいわば組むべき
にして組んだ相手がバディ・マイルズだった
実際のドラミング以外にカルロス・サンタナが拘ったのは、ヘンドリックス、マクラフ
リンというギタリストと共演したバディ・マイルズ、ここにこそこのアルバムにおける
カルロス・サンタナの本意があったのではないか
" ギターに魂を吹き込んだ "という意味でヘンドリックスを継承するカルロス・サンタナ
にとって、ヘンドリックスを直に知るバディ・マイルズとのバトル・プレイには、ただ
ならぬ想いがあったと想像できる…マクラフリンしかりだ
ジョン・マクラフリンの" マーブルズ "、ジミ・ヘンドリックスも取り上げたバディ・
マイルズ作の" ゼム・チェンジズ "という選曲も含めて、バディ・マイルズという屈指の
ドラマーを選択した裏には、実はヘンドリックス、マクラフリンという大きな巨影が
あったような気がする
ロック・ギター、ジャズ・ギターに革命をもたらした2人の間をいくギター・プレイ…
カルロス・サンタナがそんな野望を持っていたとしたら、まさにこのアルバムは、その
想いを具現化した第一歩となる