1978年、当地元クリムゾン・キングのメンバーを中心に結成
プロフレッシブ全盛期が黄昏にかかるころのデビュー・アルバム
イエス、キング・クリムゾン、ジェネシス、ゴング、ナショナル・ヘルスと、その実力をいかんなく
発揮してきたビル・ブラッフォードと、キング・クリムゾン時代驚異的なリズム・セッションを
組んでいたジョン・ウェットンが、若干18歳でガードヴェド・エアーに加入しロキシー・ミュージッ
クやフランク・ザッパのバンドでその才能を見せつけていた天才エディ・ジョブソン、そして、" 超変態
フレーズ "を" 超速弾き "する驚異のギタリスト、アラン・ホールズワースとともに組んだまさに
スーパー・バンドである
§ Recorded Music §
1 In the Dead of Night - イン・ザ・デッド・オブ・ナイト
2 By the Light of Day - バイ・ザ・ライト・オブ・ディ
3 Presto Vivace and Reprise - プレスト・ヴィヴァーチェ・アンド・リプライズ
4 Thirty Years - サーティー・イヤーズ
5 Alaska - アラスカ
6 Time to Kill - タイム・トゥ・キル
7 Nevermore - ネヴァーモア
8 Mental Medicaton - メンタル・メディケイション
§ Band Member §
John Wetton - ジョン・ウェットン( Vo,B )
Bill Bruford - ビル・ブラッフォード( Ds )
Eddie Jobson - エディ・ジョブソン( Key,Electric Vio )
Allan Holdsworth - アラン・ホールズワース( G )
このアルバムはエディ・ジョブソンという恵まれない天才の才能をプロデュースして、有名にさせたいと
ジョン・ウェットンが思って結成したバンドであって、キング・クリムゾンの残滓から生まれた
バンドではない
決まっていたメンバーは、ジョン・ウェットンとエディ・ジョブソン
ドラマーはつい先日まで" あれ以上のコンビネーションは後にも先にも生まれないだろう "と後年に
ギター・プレーヤー誌が、ジョン・ウェットンに語ったほど絶妙に息があったプレイをキング・
クリムゾンで披露していたビル・ブラッフォードにすんなり決定、この2人の呼吸はアルバムでも
いかんなく発揮されている
" イン・ザ・デッド・オブ・ナイト "はU.K.を代表する名曲のひとつで、シャープで骨太なベースが印象的
" バイ・ザ・ライト・オブ・ディ "は" イン・ザ・デッド・オブ・ナイト "にメロディを使ったバラードで
あり、エディ・ジョブソンのエレクトリック・ヴァイオリンがウネウネと響く
" プレスト・ヴィヴァーチェ・アンド・リプライズ "はエディ・ジョブソンのシンセサイザーの速弾きに
目が回りそうになる彼の名演のひとつで、" サーティー・イヤーズ "はエレクトリック・ヴァイオリンと
シンセサイザーをバックに歌われる美しいバラード曲
" メンタル・メディケイション "はエディ・ジョブソンのキーボードとアラン・ホールズワースの
インター・プレイが素晴らしい
当初ジョン・ウェットンのアイディアは" キーボードを中心としたトリオ編成 "であったので、この3人で
リハーサルと曲作りを開始したが、途中で" ギターが入ったほうがいいのでは "というレーベル側の
助言を聞き入れる形でギターを入れることに
当初の発想が上記のとおりなのでギタリストは念頭になく、人選に困っていたジョン・ウェットンを
みかねてか、ビル・ブラッフォードはソロ・プロジェクト用にキープしていたアラン・ホールズワース
を推奨( 仕方なく )…無名のエディ・ジョブソンを売り出そうとしていたこのバンドのはずが、
アラン・ホールズワースをメジャーな存在へと認知させたという思わぬ副産物をもたらした
サウンド的には、モダンなキャッチーさとテクニカルな構築性を有したある意味、現在のプログレ・
ハード系にも通じるスタイリッシュさを感じる
煌びやかなシンセサイザーと聴きやすい歌、メロディを軸にさりげなくテクニックを盛り込んだ
構成には、大衆受けを狙いながらも音楽的な高度な追求を成し遂げようとする意気込みがある
しかし、スーパー・グループ故か…ビル・ブラッフォードとアラン・ホールズワースはこのデビュー作で
脱退、4人編成のスーパー・バンドは奇跡的な1枚での邂逅となった