ニール・ショーンのギター・プレイとグレッグ・ローリーのヴォーカルを
フューチャーして新たな方向性を打ち出したセカンド・アルバム
" 未来への招待状 "は、ジャーニーが1976年に発表したセカンド・アルバム
ジョージ・ティックナーの脱退を経て、4人でレコーディングされた
ただし、" ユア・オン・ユア・オウン "と" アイム・ゴナ・ローヴ・ユー "はジョージ・ティックナーも
曲作りに参加している
このアルバムは、デビュー作" 宇宙への旅立ち "のようにインストゥルメンタルの曲は収録されず
全曲グレッグ・ローリーがリード・ヴォーカルを担当している
" イッツ・オール・トゥ・マッチ "はビートルズのカバーで、当時のライヴのオープニングでも演奏されて
いた
§ Recorded Music §
1 On a Saturday Night - サタディ・ナイト
2 It's All Too Much - イッツ・オール・トゥ・マッチ
3 Anyway - エニウェイ
4 She Makes Me - シー・メイクス・ミー
5 You're on Your Own - ユア・オン・ユア・オウン
6 Look into the Future - 未来への招待状
7 Midnight Dreamer - ミッドナイト・ドリーマー
8 I'm Gonna Leave You - アイム・ゴナ・リーヴ・ユー
§ Band Member §
Gregg Rolie - グレッフ・ローリー( Key,Vo )
Neal Schon - ニール・ショーン( G )
Ross Valory - ロス・ヴァロリー( B )
Aynsley Dumber - エインズレー・ダンバー( Ds )
音楽評論家のスティーヴン・トーマス・アールワインは当時のオール・ミュージックにおいて" 本質的には
前作の繰り返しで、デビューよりも焦点が絞られていてインストゥルメンタル・セクションも向上して
いるものの、やはり強力な曲が欠けており良質なジャズ・ロックとして機能するには少々方向性が
定まっていない "と辛口な評価をしている
日本のオリコンLPチャートでは58位を記録したが、そのあと日本では" エヴォリューション "が70位に
達するまでトップ100から遠ざかってしまう
曲作りは、デビュー作よりもかなりポップになった感じがし、" サタディ・ナイト "やジョージ・ハリソン
の" イッツ・オール・トゥ・マッチ "などによく表れている
" 宇宙への旅立ち "では、焦点化されていなかった作風が、このアルバムではポップ志向を備えた
ハード・ロックへと変化してきているし、後のジャーニーの成功の原点がここにありそうな感じがする
このアルバムのハイライトは、後半の3曲だと思う
8分以上ある" 未来への招待状 "は大陸的なアメリカン・サウンドで、徐々に盛り上がっていく展開は
プログレッシブ的でもあるし、ニール・ショーンのギターの速弾きが目立っている" ミッドナイト・
ドリーマー "はハード・ロックなのが意外である
このへんでバラード系の曲かと思いきや、当時のジャーニーはバラードよりもハード系の曲を積極的に
取り入れていた
途中のグレッグ・ローリーのキーボード・プレイも光っている
そして最後が7分近い" アイム・ゴナ・リーヴ・ユー "で、この曲もハードな曲になっている
幾分ポップになりながらも、基本路線はハード・ロックを進む彼らの方針が窺える曲でもある
この当時、アメリカン・プログレッシブ・ハードのバンドに共通していることは、突然大ヒットを記録
したのではなく、それに至るまでの努力の裏付けが備わっていることである