全世界で絶賛の嵐を呼び起こし、一躍" FOCUS "の名を轟かせた不朽の名作
プログレッシブ・ロックの真髄として永遠に語り継がれるであろう歴史的名盤
1974年3月31日、フォーカスのリーダーであるテイス・ヴァン・レールはオランダ・アムステルダムに
生まれる
クラシック・ミュージシャンの両親の影響から、幼少のころよりクラシック・ピアノを学び、14歳からは
音楽専門学校に通い、フルートと作曲を学ぶ
1969年自己バンド結成、バンド名はトリオ・テイス・ヴァン・レールで、トラフィックの影響を受けた
サウンドを聴かせていた
バンドはレコード契約が取れないことから新たな展開を求め、マーティン・ドレスデン(B)が音楽出版会社
と話し合い、その紹介でブレインボックスというバンドのギタリスト、ヤン・アッカーマンと出会い
テイス・ヴァン・レーンに引き合わせる
§ Recorded Music §
1 Hocus Pocus - 悪魔の呪文
2 Le Clochard - ル・クローシャル
3 Janis - ジャニス
4 Moving Waves - ムーヴィング・ウェイヴス
5 FocusⅡ -フォーカスⅡ
6 Eruption - イラプション
a. Orfeus - オルフェス b. Answer - アンサー c. Orfeus - オルフェス d. Answer - アンサー
e. Pupila - パピラ f. Tommy - トミー g. Pupila - パピラ h. Answer - アンサー i. The Bridge - ザ・ブリッジ
j. Euridice - ユリディス k. Dayglow - ディグロウ l. Endless Road - エンドレス・ロード
m. Answer - アンサー n. Orfeus - オルフェス o. Euridice - ユリディス
§ Band Member §
Thijs Van Leer - テイス・ヴァン・レール( Key,Vo,Flt )
Jan Akkerman - ヤン・アッカーマン( G )
Syril Havermans - シリル・ハーヴァーマンス( B )
Pierre van der Linden - ピエール・ファン・デル・リンデン( Ds )
1946年12月24日にアムステルダムで生まれたヤン・アッカーマンは、7歳のときに中古のギターを手に
入れ、独学でロックはもちろん、ジャズ・クラシックなどさまざまな要素の音からなる音楽性は話題を
呼び、インペリアルよりブレインボックスでデビューする
テイス・ヴァン・レーンとヤン・アッカーマンは意気投合し、ヤン・アッカーマンはブレインボックスを
脱退しトリオ・テイス・ヴァン・レーンに加入することとなる
最初の仕事になったのは70年代の大ヒット・ミュージカル" ヘア "のオランダ版の音楽担当とアルバム
制作であった
バンド名を" フォーカス "に変え、インペリアルとアルバム契約をし、1970年3月にデビュー・アルバム
" フォーカス・プレイ・フォーカス "をリリース
そしてこの" ムーヴィング・ウェイヴス "では、マーティン・ドレスデン、ハンス・クルーヴァーに
代わって、シリル・ハーヴァーマンス(B)とピエール・ファン・デル・リンデン(Ds)が加入している
オープニングを飾る" 悪魔の呪文 "はテイス・ヴァン・レーンのヨーデルのようなヴォーカルをフィーチャ
ーしたロック・インストゥルメンタル、続く" ル・クローシャル "は古典楽器リュートの演奏までも極めて
いるヤン・アッカーマンの小作品、ルネッサンス音楽の影響を受けたアコースティック・ギター・ソロ
メロトロンによる繊細なストリングス・サウンドのバッキングが絶妙なアンサンブルを醸し出す
" ジャニス "はテイス・ヴァン・レーンのフルートをフィーチャーしたクラシック・ジャズといった趣の
ヤン・アッカーマンの作品、多重録音によるユニゾンのフルートは絶品、アルバム・タイトルとなった
" ムーヴィング・ウェイヴス "はルネッサンス音楽と近代クラシックを融合させたメロディをヴォーカ
リストとしても力量を持っているテイス・ヴァン・レーンが歌い上げる
オランダでの発売時タイトル・ナンバーとなった" フォーカスⅡ "は彼らの代表曲のひとつ、ヤン・
アッカーマンのギター・ボリュームを小指で調節し、ヴァイオリンを想わせるサウンドのギター・ソロは
当時あまりにも新鮮かつ衝撃的だった
23分余りの大作" イラプション "は15の小作品から構成されているが基本的には6つのパートから成り立つ
① a-c
クラシック・ミュージックから影響を受けているプログレッシブならではの静と動のコントラストが
明確なインストゥルメンタルから構成されたドラマティックな作品
② d-g
このパートはヤン・アッカーマンのギターをフィーチャー、センシティヴ&エモーショナルに奏でる
ソロ・パートは彼のフォーカスでのベスト・プレイのひとつである
③ h-j
一転してサウンドはアグレッシヴ&テクニカルなジャズ・ロック・サウンドに変わる、アグレッシヴ&
ジャージーなギター・ソロとオルガン・ソロがこの作品の山場を作る
④ k-l
クラシック・ミュージックに造詣の深いテイス・ヴァン・レールが宗教音楽的なシンフォニック・
サウンドをバックに荘厳に歌い、オルガンとヴァイオリン・トーンのギターが盛り上げる
⑤ m
ジャズ・ミュージックの影響を多分に受けたと窺わせるテクニカルなピエール・ファン・デン・
リンデンのドラム・ソロが次なる展開へのブリッジになる
⑥ n-o
①~⑤までの印象的なメロディがコラージュされたエンディング・パートでこの大作は締め括られる