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Ultimate Music Album - 極 -


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Neal Schon & Jan Hammer - Untold Passion:閃光 -

Neal SchonとJan Hammerのコラボレーション・アルバム
" Untold Passion - 閃光 - "

 

ロック・ギターというジャンルが" エレキ・ギター "から独立したのは、何といってもエリック・クラプ

トン、ジミー・ペイジジェフ・ベックの三大ギタリストを中心とした第一期ロック黄金時代であり

演奏テクニックとしてはブルースをベースにしたペンタトニック・スケールをメインに、チョーキング

ハンマリング、ブリングなどの左手によるテクニックが中心であった

さらに決定的になったのは、ジミ・ヘンドリックスによるアーミング・テクの登場で、この辺でロック

ギターのフォーマットはほぼ出来上がったといえる

これ以後、彼らを師と仰ぐ若いギター・プレイヤーたちが続々と成長し群雄割拠の時代へと突入して

いくが、その中にニール・ショーンの姿も含まれていたことはいうまでもない

 

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§ Recorded Music §
1 Wasting Time - ウェスティング・タイム
2 I'm Talking to You - アイム・トーキング・トゥ・ユー
3 The Ride - ザ・ライド
4 I'm Down - アイム・ダウン
5 Arc - アーク
6 It's Alright - イッツ・オールライト
7 Hooked on Love - フックト・オン・ラヴ
8 On the Beach - オン・ザ・ビーチ
9 Untold Passion - アントールド・パッション

§ Member §
Neal Schon - ニール・ショーン( G )
Jan Hammer - ヤン・ハマー( Ds,Key,Synth )
Colin Hodgkinson - コーリン・ホッジキンスン( B )

 

UNTOLD PASSION (BONUS TRACK)

UNTOLD PASSION (BONUS TRACK)

 

 

天才的なひらめきと物理的極限まで鍛え上げられたピッキング・テクニックに加え、少年時代から

数えきれない同時代のライバルたちの中で群を抜く力量を持ちながら、その実力は誰しもが認める

ところでありながら、しかしギター・ヒーローの列伝の中では何故かさしたる注目を集めることのない

ニール・ショーン…その最も大きな理由のひとつに、ソロ活動の少なさが挙げられる

先に上げた先駆者たちの時代に比べて、ニールの時代というのはロックがほかのジャンルとの融合を

みせ始めた時代であり、そんな何でもありのサバイバル・ゲームの中で生き残っていくには、ソロ・

アーティストとしてリーダー・アルバムを発表するか、バンドに賭けるかの二者択一しかなかった

前者を選んだギタリストはそれなりに一時代のヒーローになれるが、必ず時代の若者に席を譲る羽目に

なり気がつくと歴史上の人物、つまり" 過去の人 "にされてしまう

後者を選んだギタリストは、ギター・プレイのみの評価よりも自分自身の中にある音楽性、音楽そのもの

への支持を求めるが故に、あえて派手なインター・プレイを避け、バンド・サウンドの確立を目指す

当然ギター・プレイに対する注目度はソロ・アーティストに比べ低くなるわけで、それなりの覚悟は

なくてはならない…ニールは後者の道を選び、ジャーニーという音楽史に残るグループを作り上げた

 

 

このアルバムが完成したころの宣伝コピーは全てといっていいほど、ニールの超人的速弾きテクニックに

焦点を合わせたものだった

確かにこの当時のニールのテクニックは凄まじいものがあり、速さ、正確さにおいてはほかの追従を

許さぬものがあった…しかし、1980年代のギター界のレベルからみると第一期黄金時代という以上

当然第二期があるわけで、その火付け役になったのは、それまでの基本的な奏法に加え右手による

タッピング、フロイド・ローズ式アームによる斬新なアーミングなどロック・ギターの流れを変える

演奏革命を呼び起こしたのはあのエディ・ヴァン・ヘイレンである

彼の登場によりギター界の様相は一変した

より過激なテクを持つものに次々とスポットがあてられ、その結果全体的な技術レベルの向上はあった

ものの、テクニック自体が見せものになるという悪しき自体も引き起こしつつあった

当時の" 速弾きギタリスト "と呼ばれる人たちのレベルに比べれば、ニールの速弾きはすでに驚異とは

呼べないものになっていた

 

しかし、そのおかげでこのアルバムの本当の魅力に耳を傾けることができる

結論からいうと、このルバムはテクニカルなロック・アルバムでもなければ、ジャズ・フュージョンへの

チャレンジ作品でもない

ニール・ショーンのプライベート・アルバムである

彼自身がやりたかったこと( やってみたかったこと )を目一杯素直に吐き出したそのままがこの

アルバムに表現されている

ジェフ・ベックとの共演により絶妙のコンビネーションを見せたヤン・ハマーをパートナーに選んだのも

当時はライバル意識だとか挑戦状を叩きつけたとか騒がれたが、今思うと" 憧れのジェフのような

ことをやってみた "だけのことにも思えるし、何より自身のヴォーカルをフィーチャーしている