1979年発表のロック色が強いセカンド・アルバム" Hydra "
産業ロックと揶揄されることもあるTOTOがロック性を発揮したといわれる" ホワイト・シスター "や
" オール・アス・ボーイズ "といったハード・ロック系に楽曲もテイクされている
シングル曲" 99 "は、ジョージ・ルーカスの処女作にあたる映画『 THX 1138 』をもとに作られた
デビュー作" 宇宙の騎士 "が大ヒットしたので、前作のイメージを崩さないようなアルバムが出ると
多くの人が予想し、それを望んだと思うが、このような多くのファンの予想を裏切り、万人受けする
作品とはいい難い暗めで、やや難解なアルバムを発表したのは勇気があったと思う
しかし、" 前作は忘れてくれ、これがTOTOの真の意味でのデビュー作だ! "とメンバーが話している
ようにアルバムの完成度は高く、キャリアの中でも最高の部類に入るアルバムだと思う
§ Recorded Music §
1 Hydra - ハイドラ
2 St.George and the Dragon - St.ジョージ&ドラゴン
3 99 - 99
4 Lorrain - ロレイン
5 All Us Boys - オール・アス・ボーイズ
6 Mama - ママ
7 White Sister - ホワイト・シスター
8 A Secred Love - シークレッド・ラヴ
§ Band Member §
Bobby Kimball - ボビー・キンボール( Vo )
Steve Lukather - スティーヴ・ルカサー( G,Vo )
David Paich - デヴィッド・ペイチ( Key,Vo )
Steve Porcaro - スティーヴ・ポーカロ( Key,Vo )
Jeff Porcaro - ジェフ・ポーカロ( Ds )
David Hungade - デヴィッド・ハンゲイド( B )
ヴァン・ヘイレンの劇的な登場もあってか、スティーヴ・ルカサーを前面に出したセールスが展開された
ジャケット写真は、スティーヴ・ルカサーだという話もあれば、一方ではスティーヴ・ポーカロだと
一時物議があった
" 99 " " ホワイト・シスター "をはじめ、スティーヴ・ルカサーがレス・ポールに凝っていた極めて限定
された時期のアルバムでもある
" 宇宙の騎士 "や" Ⅳ "のようなアルバムがTOTOのイメージでもあるし、実際よく売れたアルバムだが
このアルバムは" キレイな音だけじゃないぜ、俺たちロック・バンドだぜ "とでも主張するような
パワーは侮れない
この" ハイドラ "はプログレッシブ・ロックに分類される代表的なアルバムだと思うし、ジェフ・ポーカロ
マニアにとっては、たまらないアルバムでもある
" ハイドラ "や" ママ "のイントロではハイハットやライドを叩いている場所、" 99 "のラストのベース・
ソロ部のハイハットの絶妙な開き具合…想像が広がるくらいジェフ・ポーカロのスティック・ワーク、
ペダル・ワークの繊細さを聴いて感じ取れる
美しさもロック的な、タフさも知的に聴かせる" ハイドラ "
ドラマティックで叙情的な朱玉のバラード" 99 "
TOTOのハード・ロック面が前面に出た" オール・アス・ボーイズ "
TOTOファンだけでなく、プログレッシブ・ファンにも聴いてもらいたいアルバムだと思う