映画『 Fire Night Dance 』のサントラ盤シングル
ちょっぴりアダルトで野生的な大型グループ" Peter Jacques Band "
南ヨーロッパの中央、長ぐつ型に地中海に突き出した美しい自然に囲まれ、古代と現代の芸術と歴史が
交差するイタリア、独立国として統一された一つの国には違いないが、中に一歩踏み入れば北と南、
あるいは各地方ごとに違う歴史、違う風習、違う意識を持っていることに驚く
大きく分ければ北は歴史的にオーストリアやフランスの影響を受けていて理性的かつ優雅で合理主義も
先進工業国で、それに引き替え南は貧困がいつも国家的な問題になっているような開発途上国である
スパゲティの国だといわれているが、実際北の住民はミネストローネを食べ、スパゲティはほとんど
観光的なもの、油も北はバター、南はオリーブ油といった具合である
現在では、何処にいいても何でも手に入るのに、不思議と住民たちはそれをせずローカル色が根強く
根付いている
§ Recorded Music §
1 Walkin' on Music - ウォーキン・オン・ミュージック
2 Devil's Run - デヴィルズ・ラン
3 Fire Night Dance - ファイアー・ナイト・ダンス
4 Fly With Wind - フライ・ウィズ・ウインド
§ Band Member §
Fabbri Giorgino - ファブリ・ジョルジョ( G )
David Romani - デヴィッド・ロマーニ( B )
Gabriele Merotti - カブリエル・メロッティ( Ds )
George Aghedo - ジョージ・アゲド( Per )
Sandro Comini - サンドロ・コミニ( Trombone )
Rudy Trevisi - ルディ・トレビシ( Sax )
Mauro Malavasi - マウロ・マラバシ( Key,Trumpet )
Leroy Buegess - リロイ・バージェス( Vo )
Arthur Simms - アーサー・シムズ( Cho )
Joe Scott - ジョー・スコット( Cho )
Sammy Gaha - サミー・ガハ( Cho )
Ann Calvert - アン・カルバート( Cho )
Claudia Polley - クラウディア・ポーリー( Cho )
Lavelle Duggan - ラヴェル・デュカン( Cho )
Gloria Turner - グロリア・ターナー( Cho )
Hilda Harris - ヒルダ・ハリス( Cho )
Maeretha Stewart - メレッサ・スチュアート( Cho )
そうした多種多様の文化様式がある国の中でも、古いものと新しいものとをクロス・オーバーさせながら
もっと新しいものを作り出していく精神は南北、あるいは各地方を問わず持っていた
それはこの国における音楽面においてもいえることで、イタリア独特のカンツォーネから生活の一部に
なっているディスコ・サウンドまで…
イタリアにおいての代表的なアーティストは、サンバのリズムを上手く取り入れたカフェで、お馴染みの
D.D.サウンドや、スペンサー・デービスのオリジナルのロック・スタンダード・ナンバーを見事に
ディスコ風にアレンジした" アイム・ア・マン "のビッグ・ヒットで知られるマッチョなどがいる
そしてもうひとグループがピーター・ジャック・バンドで、彼らはロッド・スチュワートやビー・ジーズ
の版権を持つグッディ・ミュージックに所属しているアーティストで、常に何よりも心地よく親しみ
やすいメロディを探求するグループで、かつワイルドなサウンドを追い求めた
メンバーは上述したが、そのほかに重要メンバーとしてヴォーカル担当のマルチェレーネ、彼女は元パリ
の有名ブティックのモデル出身で優れた水泳選手でもあり優勝の経験も何度かあるほどだ
そして、ペンシルバニア州フィラデルフィラ生まれの仲の良いカリンとミッシェルのウィルソン姉妹と
抜群の踊りの才能を持ったジョンとバロンの兄弟がダンサーとしてバンドに花を添えているし、
プロデュースはマッチョの" アイム・ア・マン "を手がけ、彼らの育ての親といえるジャック・フレッド・
ピータースで、グループ名は彼の名をもじってつけた
そしてピータースと並んでこのグループのリーダー的存在といえるマウロ・マラバシが作詞を手がている
気づいた人もいると思うが、彼らは先に述べたマッチョと同じグループで、マッチョのころにはメンバー
を公表しなかったが、このアルバムで遂にその全貌を現した
つまりマッチョは云わば、ピーター・ジャックス・バンドの前進でありジャック・フレッド・ピータース
が実際や遂げたかったのは、このピーター・ジャックス・バンドである
いわゆるグッディ・ミュージック+マッチョ=ピーター・ジャックス・バンドといっても過言ではない
テイクされている曲は、ファースト・シングルの" ウォーキン・オン・ミュージック "はスペース・
サウンドを思わせるミステリアスなイントロで始まるアップ・テンポの陽気なダンシング・ナンバーで
途中で入る小気味良いパーカッションと手拍子が洒落たクリーンなサウンドを打ち出している
" フライ・ウィズ・ウインド "はスペース・タッチのナンバーで、ドラムやキーボード、パーカッション
など、ヴォーカルより演奏が前面に出ている
時折り入ってくるセンシブルなコーラスがグルーミーなサウンドと上手く絡み、彼ら独自の神秘的な
世界へ誘う
4曲と曲数は少ないが、内容はそれを感じさせないほどの重量感のあるアルバムに仕上がっている