1969年に発表された1枚目がライヴ盤
2枚目がスタジオ盤の2枚組アルバム
ノーマン・スミスがピンク・フロイドをプロデュースした最後のアルバムとなり、以後のアルバムは
バンド自身のプローデュースになる
ライヴ盤は、1969年のバーミンガムに位置したマザースという名のクラブとマンチェスター・メトロ
ポリタン大学の模様が収録されている
当時のピンク・フロイドのライヴを聴くことができる貴重な公式音源で、非常にパワフルなパフォー
マンスである
4曲ではあるが、当時の人気ナンバーが選曲、" 星空のドライブ "のライヴ・テイクも収録される予定
だったが結局見送られた
§ Recorded Music Ⅰ §
1 Astronomy Domine 天の支配
2 Careful With That Axe,Eugene - ユージン、斧に気をつけろ
3 Set the Controls for the Heart of the Sun - 太陽讃歌
4 A Saucerful of Secrets - 神秘
§ Recorded Music Ⅱ §
1 Sysphus - シシファス組曲
2 Grantchster Meadows - グランチェスターの牧場
3 Severl Species of Small Furry Animals Gathered in a Cave and Grooving With a Pict
- 毛のふさふさした動物の不思議な歌
4 The Narrow Way -ナロウ・ウェイ三部作
5 The Grand Vizier's Garden Party - 統領のガーデン・パーティ三部作
§ Band Member §
David Gilmour - デヴィッド・ギルモア( G,Vo )
Roger Waters - ロジャー・ウォーターズ( B,Vo )
Richard Wright - リチャード・ライト( Key )
Nick Mason - ニック・メイスン( Ds )
アルバムのハイライトは2枚目のスタジオ・アルバムで、バンド・メンバーのリチャード・ライト、
ロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイスンの4人のソロ作品が収録されている
いずれも実験的な作風を凝らした作品で、このうちギルモアとウォーターズの作品にヴォーカルが入って
いる
ギルモアはこの曲に詞をつけようとしたがうまくいかず、ウォーターに助言を乞うも拒絶
この一件以降ギルモアは、自身がバンドの主導権を握るまで歌詞を一切担当していない
各ソロ曲では、メンバーが1人で演奏している
" ナロウ・ウェイ "のドラムはギルモアが叩いているが、メイスンの" 統領のガーデン・パーティ "に
入っているフルートは彼の奥さんが奏でている
ジャケットでギルモアの近くに置かれているLPは、1958年公開の映画『 恋の手ほどき 』のサウンド・
トラックである
1枚目は、収録曲こそわずか4曲だが、初期のフロイドのライヴがどのようなものだったかを伝える貴重な
音源になっている
セカンド・アルバム" 神秘 "の時期の緊張感と不安感を極限まで煽り立てるドラッグでバッド・トリップ
してしまったような悪夢的情景
特に" ユージン、斧に気をつけろ "の緊張感・恐怖感は凄まじい
ロジャーの絶叫が会場にとどろき、聴いているうちにこちらが泣き叫びたくなってくる
どこかの作家が" ダチュラでトリップしたような感じ "だと語っていたように思う
" 神秘 "にいたってはもう無茶苦茶で、髪を掻き毟りたくなるような気違いじみた演奏が繰り広げられる
2枚目の" シシファス組曲 "はクラシックや現代音楽風のリチャード・ライトの曲で、第一部ではダークな
ショスタコービッチのようなテーマを提示、第二部ではロマン主義風のピアノの旋律が急転直下無調の
叩きつけるような激しい曲に変わり、第三部では変拍子とポリリズムの打楽器曲、第四部はフロイド
らしい倦怠感あふれるメロトロンの旋律が不吉な無調のものになった後、第一部のテーマが合唱される
" グランチェスターの牧場 "はウォーターズの気怠い歌もので、いつものウォーターズ
" 毛のふさふさした動物の不思議な歌 "もウォーターズ、動物の鳴き声を模したメンバーの加工された
叫び声が響きわたるだけの曲
" ナロウ・ウェイ三部作 "はギルモアによるギター・メインの歌もの、" 統領のガーデン・パーティ
三部作 "はメイスンで、遊びに飛んだ打楽器曲、結構激しいドラミングを聴くことができる
方向性がてんてんバラバラな4人の曲に共通しているのは、気怠いメロトロンが必ずどこかで挿入
されている
作品の一貫性を保たせるため4人で相談して、各人必ず1箇所入れようと決めたものかもしれない