Deliver Great Music

Ultimate Music Album - 極 -


== Sponsord Link ==


GENESIS - Invisible Touch:インヴィジブル・タッチ -

突然の再来で多くの人々を驚喜させると同時に戸惑わせたGENESIS
個々に磨きをかけた最強のトライアングルが生み出した問題作" Invisible Touch "
 

果たして" ついに… "という言葉を使うべきか、それとも" 予想外の… "の言葉が正しかったのか、当時

あまりにも突如として登場したジェネシスのアルバム" インヴィジブル・タッチ "

1978年にリリースされたアルバム" そして3人が残った "で、ジェネシスはアルバム・タイトル通り

3人になった

かつての看板であったピーター・ガブリエルと別れ、さらにはスティーヴ・ハケットと別れ、あの時点

でのジェネシスは、むしろグループ内では裏方的な職人芸を見せるような存在ともいえる3人が残った

という印象が強かった

その後のジェネシスの印象とは180°異なる方向へと進んでいった

 

f:id:freedom126:20181207113701j:plain

§ Recorded Music §
1 Invisible Touch - インヴィジブル・タッチ
2 Tonight,Tonight,Tonight - トゥナイト、トゥナイト、トゥナイト
3 Land of Confusion - 混迷の地
4 In to Deep - イン・トゥ・ディープ
5 Anything She Dose - エニシング・シー・ダズ
6 Domino - ドミノ
 PartⅠ) In the Glow of Night - 静寂の夜
 PartⅡ) The Last Domino - ザ・ラスト・ドミノ
7 Throwing it All Away - スローイング・イット・オール・アウェイ
8 The Brazilian - ザ・ブラジリアン

§ Band Member §
Tony Banks - トニー・バンクス( Key,Synth )
Phil Collins - フィル・コリンズ( Vo,Ds )
Mike Rutherford - マイク・ラザフォード( G,B )

 

Invisible Touch

Invisible Touch

 

 

" デューク " " アバガブ " " スリー・サイド・ライヴ "、そして" ジェネシス "と1年に1作のペースで

アルバムをリリースするごとに、ジェネシスはかつてのプログレッシブ・ロックのイメージからポップ

さらにはエンターテイメントの世界へと進み飛躍と遂げた

その後、3年弱という期間には、それまでのジェネシスの活動と各ソロ活動の存在は逆転する

柱であったジェネシスの活動よりも、3人共々各ソロ活動に重点がおかれた

それだけに突如登場したこのアルバムに対して、どんなアルバムになっているか戸惑った

メンバーは3人のほかに、フィル・コリンズのソロ活動でも欠かせないダリル・ステュアーマー(G,B)と

チェスター・トンプソンが加入し、この" インヴィジブル・タッチ "は非常に良い状態で仕上がっている

 

 

Invisible Touch

Invisible Touch

  • provided courtesy of iTunes
 

 

このアルバムの一番の興味は、やはり最強のトライアングルであるフィル、マイク、トニーがジェネシス

活動停止時にかなりエスカレートさせた個々のソロ活動での体験をどう生かすか

そして、その上でいかにしてグループとしてのクオリティを高めているかがポイント

珍しくパート1、パート2という組曲形式をとった大作の" ドミノ "を間に挟み、タイトル曲である

" インヴィジブル・タッチ "からラストを飾るインストゥルメンタル・ナンバーの" ザ・ブラジリアン "に

至るまでの計8曲をテイクしている

ここでは、さまざまなジェネシスのスタイルというものを捉えることができる

リード・ヴォーカルをとっているのは、当然のごとくフィル・コリンズだから、やはり彼の存在感と

いうのは誰よりも大きい

特に" イン・トゥ・ディープ " " スローイング・イット・アール・アウェイ "は" 見つめてほしい "や

" ワン・モア・ナイト "にも通じるフィルお得意のポップ・バラードでフィル自身の成功が反映した

ものだろう

だからといって、このアルバム全体がフィルのカラーに染められているとは考えにくい

単純にジェネシスも時代の流れに合わせてポップな方向に進んでいるとも思えない

そのよい例が大作の" ドミノ "で、ジェネシスがこうした大作をテイクしたのは" アバガブ "以来で、

その後のアルバムではほとんどみられなくなった

その" ドミノ "のパート2にあたる" ザ・ラスト・ドミノ "の全体に流れる緊張感、それに加え複雑な音の

重ね具合と目まぐるしく変わるリズム

 

こうしたエキセントリックなジェネシスならではのサウンド・アプローチは" トゥナイト… "や" ザ・

ブラジリアン "でも聴くことができる

以前のプログレッシブ・ロックの時代とは異なるエレクトロニクスを多用した上でのアプローチは

ジェネシスの新たな実験的な試みの兆候でもあった

そして、これはメンバー個々の活動では不可能なジェネシスというグループだからこそ生まれた音の

結晶だと思う

そういう点では、このアルバムはジェネシスとして非常に意欲的に取り組んだ作品というべきかも

しれない、しかもそれはメンバー3人が3年弱のソロで個々にやるべきことをやったからこそ実現できた

のであろう

" インヴィジブル・タッチ "

突如として再び姿を現し、多くの人を驚喜させ、戸惑わせたジェネシス

このアルバムで新たな意欲をみせ、問題作に仕立て上げた…当時、最強のトライアングルは再び極限の

域を求めて旅に出発したようだった