Deliver Great Music

Ultimate Music Album - 極 -


== Sponsord Link ==


Gary Moore - Corridors of Power:大いなる野望 -

稲妻の如く空間を駆けるギター、火花散るロック・アンサンブル
鬼才Gary Mooreは、今、ここに絶頂を極めた

 

特に天才ギタリストと呼ばれるミュージシャンの性質を細かく分析してみると、転生の優れたテクニック

のほかに、カリスマ性という要素が重要な位置を占めていることに気がつく

自ら神秘的なカーテンを広げ、意識的にその中に身をおくリッチー・ブラックモアや、逆に黒魔術の

神秘学の追求によって、ごく自然にカリスマ性を身に着けたジミー・ペイジ、さらには性格的な問題の

ために闇を生きざるを得ないマイケル・シェンカー

彼らは独自のカリスマ性を持ち、それを有効的に使ってきたギタリストである

そして、ゲイリー・ムーアもまた" カリスマ・ワールド "に住む男である

 

f:id:freedom126:20181208153930j:plain

§ Recorded Music §
1 Don't Take Me for a Loser - 明日への出発
2 Always Gonna' Love You - 夜明けの誓い
3 Wishing Well - ウィッシング・ウェル
4 Gonna' Break My Heart Again - ブレイク・マイ・ハート
5 Falling in Love With You - 思い焦がれて
6 End of the World - エンド・オブ・ザ・ワールド
7 Rockin' Every Night - ロッキン・エヴリ・ナイト
8 Cold Hearted - コールド・ハート
9 I Can't Wait Until Tomorrow - さすらいの日々

§ Band Member §
Gary Moore - ゲイリー・ムーア( G,Vo )
Ian Paice - イアン・ペイス( Ds )
Niel Murray - ニール・マーレイ( B )
Tommy Eyre - トミー・アイアー( Key )

 

Corridors of Power

Corridors of Power

 

 

このソロ・アルバムの構想の中で、最初に決定したのはプロデューサーだった

同じジェット・レコードに所属していたマグナムが" Chase the Dragon "でカンサスを手がけたジェフ・

グリッグスマンを起用したのが、そのレコーディングを見たときから、すでに心に決めていたそうだ

キーボードは当初ドン・エイリーを起用することも考えていたようだが、グレッグ・レイクのツアーで

共演したトミー・アイアーのテクニックに魅了されトミーに要請、さらにコロシアムⅡで一緒だった

ニール・マーレイに電話をかけたところ、ホワイト・スネイクが休止状態だったために参加を承諾し

ニールがイアン・ペイスをゲイリーに紹介する形になったのである

イアン・ペイスはデヴィッド・カヴァデールに電話を入れ、状況を説明した上でソロ・アルバムへの

参加を決めたようだ

 

 

 

 

少なくても、この時点ではイアン、ニールはホワイト・スネイクに在籍いていた

2人が正式に参加するかどうかの判断が遅れたこともあって" エンド・オブ・ザ・ワールド "では、元オー

ファンのボビー・チョウイナードがドラムを担当し、また" 思い焦がれて "ではトップ・セッション・

ベーシストのモー・フォスターを起用している

また" エンド・オブ・ザ・ワールド "のバック・コーラスにはジャック・ブルースが友情出演しているのも

興味深い

チャーリー・ヒューストンに代わって新たに元ローン・スター、ユーライア・ヒープのヴォーカリスト

ジョン・スローマンが迎えられたというニュースが当時届いたが、このアルバムに聴くゲイリー自身の

ヴォーカルも信じられないほどの迫力がある

彼がこれだけのヴォーカリストであった事実について、再認識しないといけない

 

それにしても全9曲、見事な出来栄えである

当時、速い曲に独占されつつあったロック・シーンに、彼が胸ぐらをつかんで" 本物 "を突きつけたと

いう感じだった

各々の曲が優雅なメロディを持ち、しかも高度な構成力でまとめられた素朴な音といい絶品の仕上がり

となっている

ヴォリュームで作る" ヘヴィ "さの流行に対し、彼は毅然として立ち上がった

" ヘヴィ "とはこのアルバムに脈打つ情念の音なのである

ブルースを基盤とする本格的なサウンドは、どうしても" ブリティッシュ・ロック "というイディオムに

帰着する

ロンドンというより大英帝国という誇りに満ちた言葉を彷彿させるアルバムだ

イアン・ペイス、ニール・マーレイの絶妙・鉄壁のリズム・セクション、そして名人トミー・アイアーの

好サポート、その上を疾走する感情豊かなギター

職人気質の頑固さ故の" カリスマ "は、アルバム・ジャケットの隅に立つ姿から漂ってくるかのようだ

このアルバムは、骨のあるロックアルバムになっている