1979年リリース、ジャーニーの5thスタジオ・アルバム
ドラマーにジャン=リュック・ポンティなどで
活躍していたスティーヴ・スミス加入
基本的には前作の延長線上で" インフィニティ "で、ほぼジャーニー・スタイルが出来上がり、実際に
セールス的にも成功したから彼らも自信をつけて、このアルバムに臨んだことから、当然のごとく前作の
延長線上であり、より以上に充実させた形でこのアルバムを作った
ドラマーにエインズリー・ダンバーに代わりスティーヴ・スミスが加入しているが、変化はあまり
みられず当時の売れ線のアメリカン・ハードというかプログレ・ハードというかそんな感じの音に
仕上がっている
アルバム全体の印象は前作よりもまとまってきているし、トータルのバランスが取れてきてキーボードが
引っ込んで、代わってニール・ショーンのギターが出てきてスティーヴ・ペリーのヴォーカルが前面に
出てきている
§ Recorded Music §
1 Majestic - マジェスティック
2 Too Late - トゥー・レイト
3 Lovin',Toucjin',Squeezin' - ラヴィン、タッチン、スクィージン
4 City of the Angel - エンジェルの街
5 When You're Alone ( It Ain't Easy ) - 遙かなる旅路
6 Sweet and Simple - スウィート・アンド・シンプル
7 Lovin' You Easy - ラヴィン・ユー
8 Just the Same Way - ジャスト・ザ・セイム・ウェイ
9 Do You Recall - ドゥ・ユー・リコール
10 Day Dream - ディ・ドリーム
11 Lady Luck - レディ・ラック
§ Band Member §
Neal Schon - ニール・ショーン( G )
Steve Perry - スティーヴ・ペリー( Vo )
Gregg Rolie - グレッグ・ローリー( Key,Vo )
Ross Valory - ロス・ヴァロリー( B )
Steve Smith - スティーヴ・スミス( Ds )
メロディに対してかなり意識的になってきて、特にヴォーカル・ハーモニーを使っている
全体的にとってつけた感じがなく、彼らも前からそれを持っていたしプロデューサーのロイ・トーマス・
ベイカーもグループがやっと固まってきたということで、安心してそういうものを要求できるように
なった…メロディとサウンドの美しさというのを強調しようという意図はよく分かる
ロイ・トーマス・ベイカーはヴォーカルのとりかたがおもしろい
今までのジャーニーは、前作のようなコーラス・ハーモニーは使わなかったが、前作では使い始めかなり
クィーン的な部分もあったが、今回はそういった部分はなくなっている
彼がプロデュースしてからずいぶん変わったし、ミキシングがどちらかというと今までのジャーニーは
ギターがオフでヴォーカルもオフだった=奥行きのある音だった
ところが前作からもうちょっと仕掛けが出てきて、ヴォーカル・ハーモニーが出てきて、すごくクリアな
感じとなる
スティーヴ・ペリーが加入して曲作りがずいぶんポップになり、スティーヴ・ペリーの音楽性が前面に
出てきた
このことは、かなり主導権を握りつつあるということだ
曲なんかも自分の歌いやすいものっていうか、ロイ・トーマス・ベイカーの狙うものとかなり近く
ヴォーカル中心であった
この当時のアメリカは全体的にヴォーカルの時代だったと思う
かつては楽器の演奏の完成度とか、そういうものでみんな聴けた状態だったが、ビリー・ジョエルなどが
トップにある状態の中で、それに象徴されていた
" メロディアス "、ジャーニーなんかはその代表格だった、新しいタイプの…
ジャーニーが売れたというのはスティーヴ・ペリーが加入して曲作りが変わったことが大きな原因に
なっていると思う
それとヴォーカリストが加入して聴きやすくなった
また、音楽的なリーダーはグレッグ・ローリーとニール・ショーンだが、おそらくグループ内部で売れる
ためには、みたいなことも考えていたと思う
若い感覚を取り入れようみたいなことで、スティーヴ・ペリーを意識的に前に出して来たんだと思う
結果的には的外れではなかった
当時の新しいアメリカのハード・ロック・グループはジャーニーを含めてボストン、カンサス、TOTOが
主流だった
おもしろかったのは、ヴァン・ヘイレンとか昔からハード・ロックでわりと肉体派のところがあるけど
ジャーニーとかはそういうのではなかった
わりと洗練されいて、スペーシィーなイメージを売り物にしている感じであった