インストゥルメンタル・ロックの最高傑作
1987年リリースの" Surfing With the Alien "
ジョー・サトリアーニのセカンド・アルバムにあたる" サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン "、当時
このアルバムアメリカでは87年秋にリリースされていて、この手のインストゥルメンタル・アルバムと
しては異例の45位赤丸付きというチャート・アクションをみせていた
ファースト・アルバム" ノット・オブ・ディス・アース "よりもロック色が強くなったとはいえ、それでも
マニアックだと思われるアルバムだが、それはひとえに優れた楽曲が収録されているからにほかならない
彼にはコンポーサーとしての才能があることも見逃せない
§ Recorded Music §
1 Surfing With the Alian - サーフィン・ウィズ・ジ・エイリアン
2 Ice 9 - アイス9
3 Crushing Day - クラッシング・ディ
4 Always with Me,Always with You - オールウェイズ・ウィズ・ミー、オールウェイズ・ウィズ・ユー
5 Satch Boogie - サッチ・ブギー
6 Hill of the Skull - ヒル・オブ・ザ・スカル
7 Circles - サークルス
8 Lords of Karma - ローズ・オブ・カルマ
9 Echo - エコー
昔から大成功したロック・バンドは何らかの理由でメンバー・チェンジをする場合や、そのバンドの
フロント・マンが独立して自分のバンドを結成するとき、その後任やその新しいパートナーとして
選ばれるプレイヤーのとてつもないクオリティの高さに驚く
古くはリッチー・ブラックモアの後任としてディープ・パープルに加入したトミー・ボーリンやブラック
サバスから独立したオジー・オズボーンの右腕となったランディ・ローズ、元レインボーのグラハム・
ボネットが結成したアルカトラスでメジャー・デビューしたイングヴェイ・マルムスティーン、そして
イングヴェイの後任としてアルカトラスに加入、その後ヴァン・ヘイレンを脱退したデヴィッド・リー
ロスのユニットに参加したスティーヴ・ヴァイなど、ビッグ・ネームにはいつもとんでもない新人が
参入してきていた
ジョー・サトリアーニもそんなひとりなのだ
ジェフ・ベックを連れて2枚目のソロ・アルバム" プリミティヴ・クール "のツアーに出るはずだった
ミック・ジャガーがジェフ・ベックの代わりに選びだしたのが、なんとジョー・サトリアーニだったのだ
ジョーの知名度は飛躍的に上昇し、このアルバムのアメリカでのヒットと、ミック・ジャガーとの共演が
彼に好影響を与えたのは必至だった
あのスティーヴ・ヴァイにギターを教えていたジョー・サトリアーニ、どんなスタイルの音楽でも
弾きこなしてしまうという点では、この2人はかなりの共通点があるし、今回の" サーフィング・ウィズ・
ジ・エイリアン "における音楽性の広さには、ただ驚くばかりだ
" ヒル・オブ・スカル "から" エコー "に至るまでは、ひとつのコンセプトにのっとって作られた感じが
あるし、そのコンセプトを具現化するためのテクニックは、さすがにあのスーパー・テクニシャン、
スティーヴ・ヴァイに教えていただけのことがある
ロック、クラシック、ジャズの各テクニックを気持ちよくブレンドし、独特のギターを聴かせてくれる
サウンド面でもジョーは独特のものづくりを出している
ディマジオのピック・アップをマウントしたアイバニーズのギターから流れ出すソロはかなりきつめの
ディストーションを基本にクライ・ベイビーや各種のコーラスやディレイ系のエフェクターにより
レインボー・カラーのギター・サウンドを生み出している
テクニック・サウンド、作曲家としてのセンス…
どれひとつとってもジョー・サトリアーニは" スーパー・ギタリスト "と呼ばれる才能を持っているのだ
" ロックン・ロールの世界 = 典型的な資本主義社会 "
スーパー・スターはいつも新しいスーパー・スターを連れてくる…
ロックン・ロールは典型的な資本主義社会である