これぞ、まさに日本人にしかできない音楽!
寺内タケシがブルー・ジーンズを結成して依頼、ポピュラー、映画音楽、ハワイアン、ロックン・ロール
クラシック、歌謡曲と巾広い演奏活動を続けていた
寺内タケシは、いつもあらゆる音楽へ次々挑戦し精進し、その成果が着々と結実した
そしてこのアルバムは、日本民謡に取り組むに当たり、寺内タケシは当時かなり長い間に渡り想いを
練っていたようだ
その出来栄えは、" このアルバムを聴けばわかる "というように、自身のほどをよく窺うことができる
民謡は" 心のふるさと "といわれるが、聴く人々の心に慰めと励ましを与え、その地方の風俗、習慣、
海、山、野良の風情が偲ばれて楽しいものである
§ Recorded Music §
1 津軽じょんがら節
2 さのさ
3 ソーラン節
4 黒田節
5 相馬盆踊歌
6 斎太郎節
7 おこさ節
8 よさこい節
9 会津磐梯山
10 木曾節
11 八木節
12 江戸子守唄
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さまざまな民謡アルバムが発表されていたが、どれもこれも高い年齢層を対象に作られていたが、現状の
まま続けば若い世代は民謡に対する認識が遠ざかるということで、寺内タケシはこのアルバムを制作
することに…
このアルバムでは、日本民謡の持つ特色をそのまま生かし、しかも当時にマッチした洒落た感覚で聴いて
踊ってもらおうというのがネライだった
実力と人気を高く評価されていた寺内タケシとブルー・ジーンズのレパートリーの広さについては上述
したが、実際には外国のこの種のバンドよりはるかに多い
演奏スタイルだけでも模倣だけでなく、あらゆるバンドの良さは取り入れているが、そのままコピーする
ような安易なことはせず、絶えずオリジナリティを追求し編曲されているのは見上げたものである
このブルー・ジーンズの魅力についてはいうまでもなく、寺内タケシのギター・テクニックの素晴らしさ
にあり" 指をちょん切ってやるほど憎たらしい "と寺内タケシのテクニックを評したギタリストもいる
マウンテン・プレイ・ボーイズのギタリストであったころから、その実力は大変なものであり、ときたま
変わったことをステージでやっていた
あるとき彼はギターだけでなく、難しいバンジョーを弾き大喝采を受け、また速弾きナンバーを三味線で
奏でたこと、それと小唄の師匠をしている母親から受けた生来の器用さと、アメリカン民謡、ウエスタン
を愛し続けた開拓精神は、こうした彼の歩んできたキャリアが日本民謡のアルバムにはっきりと結び
ついている
そして、当時のアルバムとしては画期的なレコーディングで収録されている
ブルー・ジーンズの使用している楽器はドラムを除いては、すべて電気楽器となっている
このアルバムのレコーディングは、ドラムだけマイクを立て、あとの楽器はすべてスタジオの機器に
直結し、余分な無駄な音は全部取り除かれている現実音である
演奏面ばかりでなく録音技術面でも、このアルバムは画期的なものをみせ、いわゆる" 録音音楽 "として
も楽しさを味わうことができる