アルバム・クレジットの言葉
" 君も80年代へ向かって僕らの出発" DEPAERTURE "に加わらないか! "
前作" エヴォリューション "のロング・ヒットぶりは凄まじかった
当時、発売から1年50週以上も全米アルバム・チャートのトップ40内にがんばっていて、シングル
" ラヴィン・タッチン・スクィージン "はまだジリジリとチャートを上昇中、これまたトップ30内に
居座っていた
セールス的にも破格のもので、クィーンの持つ数字を上廻りフォリナーの1st、2ndの数字とほぼ同格
とにかくハード・ロック・グループとしては破格の成功を収めている
稀な例であることは、まず間違いなかった
ジャーニー同様の成功を収めた当時のロック・グループと比べてみると、ジャーニーの成功がいかに特例
であるかよくわかる
イギリスのクィーン、ELOは別にしてもフォリナー、アメリカのボストンのように、ひとつのアルバムを
約200万枚以上売ることができたグループは、まったくの新人グループ、もしくは新しくスタートを
切ったベテランによる新生グループだったということは当時の特徴だった
§ Recorded Music §
1 Any Way You Want It - お気に召すまま
2 Walks Like a Lady - ウォーク・ライク・ア・レディ
3 Someday Soon - いつの日か…
4 People and Places - 感じてほしい…
5 Precious Time - 至上の愛
6 Where Were You - 消えたあの娘
7 I'm Cryin' - 泣きぬれて
8 Line of Fire - バイバイ・スージー
9 Departure - ディパーチャー
10 Good Morning Girl - グッドモーニング・ガール
11 Stay Awhile - 僕のそばに…
12 Homemade Love - ホームメイド・ラヴ
§ Band Member §
Steve Perry - スティーヴ・ペリー( Vo )
Gregg Rolie - グレッグ・ローリー( Vo,Key )
Neal Schon - ニール・ショーン( G )
Ross Varoly - ロス・ヴァロリー( B )
Steve Smith - スティーヴ・スミス( Ds )
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評価したいのは、デビューから3年の不遇の時期をジッと耐えて持ちこたえ、そしてとうとう幸運を
呼び込んだグループの結束力
ファミリー意識の強いサンフランシスコ、そのシスコならではのグループの結束力なのかもしれないが
ジャーニーほど上から下まで家族のように結びつきの強いグループは珍しい…というのは、よくいわれて
いたことだった
それはメンバーにとどまらず、チーフ・マネージャーのハービー・ハーバード、そしてロード・マネー
ジャーのパット・'ババ'・モロー、ライティング・チーフのケン・メドニック、ライヴ・サウンド・
エンジニアのケヴィン・エルソンなどを中心としたロード・スタッフに至るまでの結束力だ
ロック・グループの運営がシステマナイズされるのは当然だが、ジャーニーのような結束力あるシステム
になることは並のことではなかった
プロデュースはジェフ・ワークマンとともにケヴィン・エルソンが担当しているが、ロード・スタッフ
からレコーディング・プロデューサーが出るというのはありそうでなかった例で、これまたジャーニー・
ファミリーならではだった
アルバムは、最初にシングル・カットされた" お気に召すまま "でオープニング、かつてデイヴ・クラーク
ファイブ、そしてキッスがカバーしている曲にも同名のものがあるが、もちろん異曲でスティーヴと
ニールのオリジナル曲、いきなり見事なコーラスで始まり、ヒット性があった作りになっている
この曲に限らず、アルバム中すべての曲が3分から5分前後にまとめられ、どれをシングル・カットしても
有効な感じがする
まさにアップ・トゥ・デイトなハード・ロック・アルバムの作りになっている
ブギウギ調のノリで" ウォーク・ライク・ア・レディ "、そしてグレッグとスティーヴのかけあいを
フューチャーした" いつの日か "、幻想的でフィード・バックをかけたコーラスの美しいスロー・ナンバー
の" 感じてほしい "など、曲の配列にも神経がゆき届いている
典型的なハード・ロック・チューンというべき" 消えたあの娘 "はギターのリフとエレクトリック・ピアノ
の絡みが効果満点、続いてブルージーなスロー・ナンバー" 泣きぬれて "、ニールのギター・ファンには
堪えられないナンバーとなっている
" バイバイ・スージー "は一転してブギノリのリズム・ナンバーだが、ここでもニールの高低にダビング
したダブル・リード・ギターが見事で、特にリズム・ブレイクでノッていく箇所は圧巻である
アコースティックなミディアム・スロー・ナンバー" 僕のそばに "…
一曲一曲がコンパクトに、そして緩急と色合いが巧みに加えられた心のゆき届いた構成、ニール・
ショーンのギター・ソロもムダ肉をどんどん削り取って最後に残した逸品といった感じが深く、まさに
ジャーニー余裕たっぷりの力作…" ディパーチャー "そんなアルバムである