2,800万枚のアルバム・セールス
Bon Joviは一躍、世界に名が知れわたることに
" 7800ファーレンハイト "は力作だったが、ポップス・サイドのファンを納得させることはできても
ロック・マニアを納得させるだけのパワーはなかった
100%透明なアルバムというわけにはいかず、つまり、これがロックの比重というやつだったが考えて
いるテーマがあって、" 7800ファーレンハイト "は初めてのゴールド・ディスクに輝き、彼らの求めた
上のレベルの到達は、セールス的な成功によって実現された
残るは" 凄い "アルバムを作ることだった
§ Recorded Music §
1 Pink Flamingos - ピンク・フラミンゴ
2 Let it Rock - レット・イット・ロック
3 You Give Love a Bad Name - 禁じたられた愛
4 Livin' on a Player - リヴィン・オン・ア・プレイヤー
5 Social Disease - ソシアル・デズィーズ
6 Wanted Dead or Alive - ウォンテッド・デッド・オア・アライヴ
7 Raise Your Hands - レイズ・ユア・ハンズ
8 Without Love - ウィズアウト・ラヴ
9 I'd Die for You - アイド・ダイ・フォー・ユー
10 Never Say Goodbye - ネヴァー・セイ・グッバイ
11 Wild in the Streets - ワイルド・イン・ザ・ストリーツ
§ Band Member §
Jon Bon Jovi - ジョン・ボン・ジョヴィ( Vo )
Richie Sambora - リッチー・サンボラ( G,Vo )
Alec John Such - アレック・ジョン・サッチ( B )
David Bryan - デヴィッド・ブライアン( Key )
Tico Torres - ティコ・トーレス( Ds )
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" 凄い "アルバムの定義は難しい、天文学的セールスを記録することもそのひとつではあるが、むしろ
ロックの比重の強い作風でありながらポップス・ファンを魅了し、口の騒いマニアをも狂喜させる
アルバム、これが" 凄い "アルバムだと思う
ほかのジャンルと違って、ハード・ロックの世界ではマニアはまるで鑑定家の如き眼光を持ち、何かと
イチャモンをつけることが多い、まるで重箱の隅までチェックするような分析をする
だからヒット・チャート至上主義ではない
ボン・ジョヴィのヒット・シングル" 夜明けのランナウェイ "が、マニアの目を曇らせたのは、そういった
理由からだった
だから、頭のいいボン・ジョヴィはロック比重にこだわった" 7800ファーレンハイト "を作った
カナダはバンクーバーのリトル・マウンテン・スタジオ、プロデューサーにはランス・クインから
ブルース・フェアバーンにバトン・タッチされた
発売直前にアルバム・タイトルが" Wanted Dead or Alive "から" Slippery When Wet "に変更された
このアルバムはロック比重をプラスの方向に思いっきり引っ張った感じがする
メロディの強さとしてのポップス的な色合いはあるものの、むしろピュアなロックを全面に押し出し
すべての軟弱な要素を断ち切ったというエネルギーが満載されている
もっとも期待されていたバンドが、期待通りのアルバムを作った
しかも、ハード・ロックとは何かをファンやマニアに問うサウンドが全編に流れている
ニュージャージーのバンドらしく都会的な感性を曲に散りばめ、ギターの音色や曲のアレンジに独自の
香りを用い、当時のロサンゼルスの連中とは、まったく違った音楽を作った
" 凄いアルバム "の最大の理由はここにある
ブライアン・アダムスと仕事をしたことがあるブルース・フェアバーンは、ブライアン・アダムスに
漂う数十%のロックの比重を、ボン・ジョヴィでは100%の次元まで高めることに成功した
このプロデューサーのサポートも見逃してはならない
このアルバムのもうひとつのポイントは、曲作りにおけるデスモンド・チャイルドとのドッキングが
クローズ・アップされる
恐るべき才能の持ち主だったディスモンド・チャイルドを曲作りに加えたアイディアは見事だった
シングル・カットされた" 禁じられた愛 "などは、ディスモンド・チャイルドにそっくりな曲があり
アカペラで入るイントロやコーダのあたりは、ディスモンド・チャイルドがボン・ジョヴィに強い影響を
与えていることを物語っている
イントロからラストまで衝撃性を引っ張っていて、" 冴えた "この" 凄い "アルバムは、ありとあらゆる人
( ファン )を吸い寄せ、興奮の渦に巻き込んだ