MCMLXXXIV = 1984
最終売り上げ1,000万枚以上、ダイヤモンド・ディスクに認定
ヴァン・ヘイレンというと、わりとヘヴィ・メタル系と一緒にされた認識があるが、そこは改めて
いただきたい
基本的にこのバンドの魅力は、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターだが、日本だとギター主体のバンド=
だが、ヴァン・ヘイレンはすごく正統派のロックン・ロール・バンドだと思う
エディのギターは、喚くことはあっても泣いたりはしない
日本人はハード・ロックにロマンとか様式美を求めるが、ヴァン・ヘイレンはそのへんを排除していた
ので本物のアメリカン・ロック・バンドだと思う
そのへんが、当時の日本でイマイチ認識されない理由だったんだと思う
エディ・ヴァン・ヘイレンという人は、情緒的ファクターが欠落している人なのではないかと思うほど
すごい人だと思う
§ Recorded Music §
1 1984 - 1984
2 Jump - ジャンプ
3 Panama - パナマ
4 Top Jimmy - トップ・ジミー
5 Drop Dead Legs - ドロップ・デッド・レッグス
6 Hot for Teacher - ホット・フォー・ティーチャー
7 I'll Wait - ウェイト
8 Girl Gone Bad - ガール・ゴーン・バッド
9 House of Pain - ハウス・オブ・ペイン
§ Band Member §
David Lee Roth - デヴィッド・リー・ロス( Vo )
Eddie Van Halen - エディ・ヴァン・ヘイレン( G )
Alex Van Halen - アレックス・ヴァン・ヘイレン( Ds )
Michael Anthony - マイケル・アンソニー( B )
|
エディ・ヴァン・ヘイレンは一種の天才だと思う
常人が考えつかないフレーズをケロッと作ってしまうし、ヴォーカルのデヴィッド・リー・ロスについて
は、直接肉欲的過ぎていた
アメリカでは、女の娘がデイヴにキャーキャーいって、男の子たちはエディのギターを観ている図である
日本ではデイヴを受け入れる精神的風土がなかったが、このアルバムは楽曲志向が強まり、シングル・
ヒットすれば当時のファンを今まで以上に把めることができると思った
ラジオ用のヒット曲を作りたがるアメリカン・ロック・バンドの中で、ヴァン・ヘイレンというのは
あくまでロックン・ロール・バンドたらん、彼らの考える意味においてロックン・ロール・バンドで
いたいという気概みたいなものを感じるバンドである
デイヴなどはヴァン・ヘイレンの何が他人にウケているのかわかっていたと思う
いろんな発言にしろ、音楽にしろ、理屈づけをし始めたり変にインテリぽくしたらヴァン・ヘイレンの
魅力が半減するってわかっていたと思う
楽曲志向が強まるとエディのギターを聴きたいってフラストレーションが溜まってくる
" ジャンプ "がシングル・ヒット志向でヴァン・ヘイレンらしからぬ音作りをしといて、次のイントロで
エディ・ヴァン・ヘイレンのギターが出てくると安心して盛り上がる
野放図にエディが走り回っていないからこそ、ギターが一層生きるって感じがするし、アルバム全体を
ひとつの作品として作ろうという意志が多少感じられる…というか、今までが野放図すぎだったような
感も否めない
このアルバムではエディがギター以外に、シンセサイザーを演奏している
シンセサイザーをちゃんと知って演奏しているか、知らずに演奏しているかは不明だがエディーのギター
デイヴのヴォーカルはキャラクターがハッキリしていたし、日本人はそういったのが好きなので
" ジャンプ "も受け入れられた
アルバム作りにも多少節度と緊張感が出てきた感じがする
ヴァン・ヘイレンのアルバムは、今までは選曲するときに困ってしまうことが多々ある
これはどうだろう、と聴いているうちにアルバムを聴き終えてしまっていたが、このアルバムでは
コレって曲があるし、いい意味で野放図さに秩序が出てきた
それに、ヴァン・ヘイレンがレッド・ツェッペリンを意識しているのがわかる
ツェッペリンだってなんだか知らないうちにヘヴィ・メタルの王者になっていたが、本来は全然違う
ヴァン・ヘイレンだって" ロックン・ロール "のひとこと、いいようがない
だが、いいようがないってある意味ズゴいバンドなんだと思う
マイケル・ジャクソンでも、ブライアン・メイでもエディはヴァン・ヘイレンしている
" ビート・イット "でもエディのソロ・パートはロックン・ロールしている
ギター・ヒーロー、エディ・ヴァン・ヘイレン…
ニュー・ウェーヴ系というのは、バンド全体のカラーで評価されるであって、プレイヤー志向がない中
エディはプレイヤーとして評価されているところが、やはりスゴい