1975年サンフランシスコ、スーパー・グループの
サクセス・ストーリは始まった…新しい時代を創りながら
1974年にデビューして以来苦節8年、8作目の" エスケイプ "によって遂に念願の全No.1の座を勝ち取った
ジャーニー、一方グラミー賞においてはジャーニー・オフィス( ナイトメアー )の主宰であるハービー
ハーバードがベスト・マネージメント賞を受賞するなど、1980年代に入り良いことづく目の彼らで
あったが、これまでの道程は決して楽といえるものではなかった
このアルバム" ビギニング "は、当時4度目の来日が決定していた彼らの来日記念盤としてリリースされた
もので、押しも押されぬトップ・グループとなったジャーニーのデビュー当初の足跡を知る上で貴重な
アルバムといえる
" ビギニング "は、デビュー作" 宇宙の旅立ち "、2ndアルバム" 未来への招待状 "、3rdアルバム" 果てし
なき挑戦 "の3枚のアルバムからのベスト・セレクションで構成されており、ファンにとって何より
嬉しいのはケヴィン・エルソンの手によって、新たにミキシングし直されていること
このリミックスのよってジャーニーのオールド・ソングスは再び新たな生命力を得て5~7年という
時代のギャップは見事に埋められている
§ Recorded Music §
1 Of a Lifetime - 時の彼方へ
2 Topaz - トパーズ
3 Kohoutek - コホーテク
4 On a Saturday Night - サタディ・ナイト
5 It's All Too Much - イッツ・オール・トゥー・マッチ
6 In My Lonely Feeling / Conversations - 悲しい気分で~会話
7 Mystery Mountain - 神秘の山
8 Spaceman - スペースマン
9 People - ピープル
10 Anyway - エニウェイ
11 You're on Your Own - ユーアー・オン・ユア・オウン
12 Look Into the Future - 未来への招待状
13 Nickel & Dime - ニッケル・アンド・ダイム
14 I'm Gonna Leave You - アイム・ゴナ・リーヴ・ユー
§ Band Member §
Gregg Rolie - グレッグ・ローリー( Key,Vo )
Ross Valory - ロス・ヴァロリー( B )
Neal Schon - ニール・ショーン( G )
Aynsley Dumber - エインズレー・ダンバー( Ds )
George Tickner - ジョージ・ティックナー( G )
ジャーニーの母体ができ上がったのはデビュー作が発表された1975年より2年ほど遡る
最初はニール・ショーン、グレッグ・ローリー、ロス・ヴァロリー、ジョージ・ティックナー、
プレイリー・プリンスという5人編成でスタート、グループ名はゴールデン・ゲイト・リズム・
セクションで、マネージャーのハービーが語るには当時全米各地に優れたスタジオ・ミュージシャンが
いたのに対し、シスコには存在しなかったので対抗する意味もあって名付けたという
スタートさせたゴールデン・リズム…は意に反してスタジオ・ワークよりライヴのほうが秀でていたため
急遽予定変更、パーマネントなライヴ・バンドとしてスタートさせた
新たなグループ名もジャーニーに決まり、73年から74年に行われたウィンターランド恒例のニュー・
イヤーズ・ライヴ・コンサートのオープニング・バンドとしてステージ・デビューを飾ったが、バンドは
すでにトラブルを抱え込んでしまった
ドラマーのプレイリー・プリンスがチューブスに戻らなくてはならなくなり、後任のドラマー捜しに
手こずったが、結局イギリス人ドラマーでフランク・ザッパ&マザーズにいたエインズレー・ダンバーを
見つけて体制の立て直しをし、これが見事にあたったのである
1974年2月、ジャーニーはシスコにあるライヴ・スポット、グレート・アメリカン・ミュージック・
ホールを2週間連続満員にした
まだ、デビュー前のことだから地元では相当な人気を誇っていたことがわかるし、同年10月のウィンター
ランドで今度は常々トップ・ビルで登場、急速な人気上昇ぶりが窺える
そして翌75年に" 宇宙への旅立ち "で衝撃的なデビューを飾るのである
ジャーニーと同時期に登場したのはモントローズ、そしてイエスタディ&トゥディであった
当時" ファンク "一色に塗りつぶされた感のあったサンフランシスコからジャーニーのようなハード・
ロック志向の、しかも多少ブリティッシュの香りがするグループが出現したことは、それだけで衝撃的で
あって各方面から注目を集めることになった
ヴォーカル・グループが大半のアメリカのロック・シーンにあって、インストゥルメンタル性の強い
グループであることがジャーニーの存在感を一層高めたのだった
そんなわけでこのアルバムは、ヴォーカル・グループのジャーニーではなく、インストゥルメンタル主体
だったころのジャーニーを聴くならば、" インフィニティ "以降のジャーニーとはまた異なった魅力を
満喫できる
" 宇宙の彼方へ "の出来栄えは素晴らしく、メロディの美しさ構成どれをとっても文句のつけようがないし
デヴュー・アルバムからのセレクションでは" 幻のリズム・ギタリスト "、ジョージ・ティックナーが
参加している