" Your Song "…今でも耳にする機会がある" 永遠の名曲 "
エルトン・ジョンのセカンド・アルバムでグラミー賞の最優秀アルバムと新人賞にノミネートされた
ポール・バックマスターによる弦楽器のアレンジが、叙情性を際立たせている
幾度となくCMなどで使用され、ファンのみならずもっとも馴染み深いだろうシンプルな名バラード
" 僕の歌は君の歌 "が収録されており、日本では一般にエルトン・ジョンのイメージといえば、この
アルバムのような叙情派の静的な楽曲のイメージが強いと思う
エルトン・ジョン本人は、インタビューで" " 僕の歌は君の歌 "は飽きがこないため、ライヴで唯一
欠かしたことのない曲 "だと語っている
§ Recorded Music §
1 Your Song - 君の歌は僕の歌
2 I Need You to Turn to - 君は護りの天使
3 Take Me to the Pilot - パイロットにつれていって
4 No Shoe Strings on Louise - ルイーズに靴紐はない
5 First Episode at Hienton - ハイアントンの思い出
6 Sixty Years on - 60才のとき
7 Border Song - 人生の壁
8 The Greatest Discovery - 驚きのお話
9 The Cage - 檻の中に住みたくない
10 The King Must Die - 王は死ぬものだ
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" 僕の歌は君の歌 "はエルトン・ジョンの代表作であるとともに、70年代を代表するバラードの名曲で
聴いたことにない人はいないと思うし、" パイロットにつれていって "も定番のポップなロック・ナンバー
したがってこのアルバムも70年代の重要盤ということになるが、全体的にクラシックの影響が強く、
重圧なアレンジを施された曲が多いため、彼のアルバムとしては取っつきにくい部類に入るアルバム
だと個人的に感じる
ただ、入りにくいというだけで、ある種の格式と厳格さのようなものを兼ね合わせた優れた作品である
ことには間違いない
ポール・バックマスターの手による弦のアレンジにみられるような主張しない添えもののようなものでは
なくどんどん前に出てきて迫ってくるような緊迫感を持っている
ギターの使用もクラシカルでハープの美しい響きも耳に残る
エルトン・ジョンは最高のメロディ・メイカーで、まだ" シンガー・ソングライター "という言葉が市民権
を得ていない1970年代のイギリスを代表するミュージシャンである
当時、ビートルズの音楽が" アビーロード "のアルバムをラストに少しずつ翳りをみせ、ブリティッシュ
ロックといわれる音楽が台頭してきた時代であって、プログレッシブ・ロックのキング・クリムゾンの
オーディションにエルトン・ジョンが落とされたという逸話が残っている時代のころでもある
" 僕の歌は君の歌 "は、彼の最初のヒット・ナンバーで、その音楽は限りなく美しく歌詞はとても優しさに
あふれている
エルトン・ジョンのピアノの前奏も印象的だが、その後に続くとてもソフトなヴォーカルは癒やしの
力を秘めている…今聴いても古さを感じさせない
ジョン・レノンは、彼の歌声を聴いて" 彼の" 僕の歌は君の歌 "を聴いたとき、エルトンをビートルズ
出現以来もっとも新鮮な出来事 "と評していることから、その実力が窺える
どのアルバムがエルトン・ジョンのベストかと問われれば、この" 僕の歌は君の歌 "か" 黄昏のレンガ道 "
の2作を挙げる人が多いと思う…無枠だが個人的には" 僕の歌は君の歌 "に軍配が上がる
" 黄昏のレンガ道 "は、アルバムの完成度いう点からは、この作品を推すことに異論はもちろんない
このアルバム" 僕の歌は君の歌 "は、これから歌手として頂点に向かう重要な次期に発表され、歌手そして
ソング・ライティングにおいて、非凡さを世間に知らしめた名作である
もし、これから初めてエルトン・ジョンのアルバムを購入しようという人がいれば、迷わずこのアルバム
をお勧めする
エルトン・ジョンのピアノとヴォーカルの素晴らしさを充分に堪能してほしい