" I Stand Alone "…
まさにSteve Perryはそんな孤高のシンガーであった
黄金期のメンバーで復活したジャーニーだったが、その中心ともいえるフロント・マン、スティーヴ・
ペリーは" トライアル・バイ・ファイアー "アルバム1枚で脱退してしまった
ジャーニーのツアーも行わず脱退してしまったスティーヴ・ペリーは、バンド脱退後、いったい何を
していたのか
ジャーニーを離れたばかりのころに、キャロル・ベイヤー・セイガーなどと曲作りをしているとの噂が
たっていたが、そうなるとこれは次のソロのための作曲活動なのかと見る向きもあった
だが、考えてみれば当時、元エキストリームのヌーノ・ベッテンコートと曲を書いたり、イングヴェイ
マルムスティーンなどとも曲作りを、という話が出たりということがあったが、それらは陽の目を見る
こともなく消えてしまっている
果たして、この動きが次なる活動への布石をなるのか引っかかっていた
§ Recorded Music §
1 Oh Sherrie - Oh, シェリー
2 Foolish Heart - フーリッシュ・ハート
3 She's Mine - シーズ・マイン
4 Strung Out - ストラング・アウト
5 Go Away - ゴー・アウェイ
6 When You're in Love ( For the First Time ) - ホエン・ユー・アー・イン・ラヴ
7 Against the Wall - アゲインスト・ザ・ウォール
8 Forever Right or Wrong ( Love's Like a River ) - フォーエヴァー・ライト・オア・ロング
9 Summer of Luv - サマー・オブ・ラヴ
10 Melody - メロディ
11 Once in a Lifetime,Girl - ワンス・イン・ア・ライフタイム・ガール
12 What Was - ホワット・ワズ
13 You Better Wait - 遙かなる時
14 Missing You - ミッシング・ユー
15 I Stand Alone - アイ・スタンド・アローン
16 It Won't Be You - イット・ウォント・ベー・ユー
17 If You Need Me,Call Me - コール・ミー
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その正体が判明したのは1998年の夏、" アイ・スタンド・アローン "とタイトルされたこの曲は、アニメ
映画『 魔法の剣 Quest for Camelot 』に使われることになっていたのである
日本では当時映画はすでにワーナー・ブラザーズの配給で11月から公開されていたが、アーサー王と
円卓騎士たちをモチーフにとった愛と勇気に満ちた感動の物語だった
スティーヴ・ペリーはこの曲を共作し歌うだけでなく、アーサー王の歌声としても登場する( ちなみに
ジュリアナはセリーヌ・ディオン )
情感にたっぷり歌い上げるスティーヴ・ペリーのヴォーカルが実に印象的であった
スティーヴ・ペリーといえば、ファースト・ソロ・アルバム" ストリート・トーク "、で
ソロ・シンガー
としても世界的に認知され、1985年のチャリティ・アルバム" USA フォー・アフリカ "では超一流
アーティストの仲間入りを堂々と果たした
そして長い沈黙を破って、1994年にソロ・アルバム" ストレンジ・メディスン "でシーンに帰ってきた
そんな中、スティーヴ・ペリーの集大成ともいうべき初めてのソロ・ベスト・アルバムがリリース
されたのが、この" グレイテスト・ヒッツ+5 "である
この中に収録された曲こそが、スティーヴ・ペリーという類稀なるシンガー、そして才能豊かなコン
ポーサーとしての実績が網羅されている
6~12と連なる7曲は1988年の1月から書き始めた曲を集めたもので、当時スティーヴが"ストリート・
トーク "に続くセカンド・アルバムのために用意した曲だった
アルバム・ラストに収録されている" コール・ミー "は、根っからのジャーニー、スティーヴ・ペリー
ファンには幻中の幻ともいうべき曲、この曲こそスティーヴがジャーニー加入前に結成していた
エイリアン・プロジェクトのものだ
このエイリアン・プロジェクトのデモ1本でジャーニーの運命を変えてしまった
" アイ・スタンド・アローン "についてスティーヴは、" キャロル・ベイヤー・セイガーの書く詞には
敬意を評していたし、デヴィッド・フォスターもプロデューサーとしてもアーティストとしても
素晴らしいキャリアを持った人だと思う だから、この2人から話が持ちかけられたときは本当に興奮
したよ クリエイティヴィティということでも素晴らしいが、いつも3人で凄いものを創ろうとしている
という気持ちを持たせてくれたんだ "と語っている
未発表曲群は" メロディ " " ホワット・ワズ "などはジャーニー時代に聴かせた名バラードに匹敵する
佳曲であるし、" フォーエヴァー・ライト・オア・ロング "は" マザー・ファザー "をベースにしている
ように思える
この当時、プロとしてデビューし20年の節目に集大成ともいうべき初のベスト・ソロ・アルバムを
発表したスティーヴ・ペリー
魂を込めて歌い上げる彼の歌声こそ、シンガーになるためにこの世に生を受けたという証が感じられる
そして、このベストには、歌を、音楽を心から愛する1人の男の生きざまが詰め込まれている