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Ultimate Music Album - 極 -


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The Allman Brothers Band - At Fillmore East:フィルモア・イースト・ライヴ -

1971年3月12日、13日
フィルモア・イーストでのライヴ録音

 

1968年3月8日、プロモーターのビル・グラハムはニューヨークのイーストサイドにあった映画館跡地に

ライヴ・ハウスを開設、1971年の閉店までの短い期間、フィルモア・イーストは伝説のライヴを数多く

生んだ

とりわけオールマン・ブラザーズ・バンドの演奏を収録したアルバムはロック界最高のライヴ・アルバム

とされ、その輝きを今に伝えていて、南部ジョージア州出身ならではのブルージーなメロディ・ライン

黒人ゴスペルから流用されたオルガンの旋律を背景にツインドラムを配するなど、音は厚くスケールの

大きなものとなっている

デュアン・オールマンはこのライヴを制作する前にデレク&ドミノズに参加、エリック・クラプトン

グループへの加入を求められるがそれを断り、フィルモア・イーストでの演奏の後、オートバイ事故で

帰らぬ人となった

 

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§ Recorded Music §
1 Statesboro Blues - ステイツボロ・ブルース
2 Done Someday Wrong - 誰かが悪かったのさ
3 Stormy Monday - ストーミー・マンディ
4 You Don't Love Me - ユー・ドント・ラヴ・ミー
5 Hot 'Lanta' - アトランタの暑い日
6 In Memory of Elizabeth Reed - エリザベス・リードの追憶
7 Whipping Post - ウィッピング・ポスト

§ Band Member §
Duane Allman - デュアン・オールマン( G )
Gregg Allman - グレッグ・オールマン( Key,Vo )
Dicky Betts - ディッキー・ベッツ( G )
Berry Oakley - ベリー・オークリー( B )
Jai Johanson - ジェイ・ジョハンソン( Ds )
Butch Trucks - ブッチ・トラックス( Ds )

 

 

 

 

中心になるのは時代を反映するかのような" ユー・ドント・ミー " " エリザベス・リードの追憶 " " ウィッ

ピング・ポスト "といった長尺の演奏で、デュアンを中心にした凄まじいプレイが満喫できる

前半は比較的短めの曲で慣らしておいて、後半でどっぷり演奏に浸からせる構成は結構考えられているの

かもしれない

" ステイツボロ・ブルース "はいきなりデュアンのスライドをフューチャーしたイントロで、タイトル通り

ブルース・マナーのオーソドックスな曲だが、このスライドと塩辛いヴォーカルの絡みはさすがに効く

" ストーミー・マンディ "はスロー・ブルースでムーディなオルガンがいい味を出しているし、" アトラ

ンタの暑い日 "はツイン・リード+オルガンを中心にしたサンタナ路線のインスト曲、次曲以降が本作の

聴きもので、演奏は熱いが荒さはなく、イメージにそぐわない比較的上品なライヴ盤である

 

 

 

 

1960年代後半にイギリス発で世界中を席巻した" ロック・ムーヴメント "は" ブラック・ミュージック・

リヴァイヴァル "の側面もあったのは周知の事実である

つまり当時のイギリスの若者たちがR&B、ソウル、ブルースなどアメリカのブラック・ミュージックを

とんでもなくリアルで本物の音楽として発見してしまうのだ

その波は直ちに本国アメリカにも飛び火して、アメリカ・イギリスでこぞってブラック・ミュー

ジックを模倣する白人バンドが多数発生するのである

代表格はイギリスでは、ローリング・ストーンズ、初期フリートウッド・マック、クリームなど、

アメリカはバター・フィールド・ブルース・バンド、ジョニー・ウィンターとまことにもって枚挙に

いとまがない

 

そして上述のバンドの大半はブラック・ミュージシャンのオリジナル演奏のリアル体験と深みに肉薄

しようと、限りなくそのフィーリングの模倣に徹するあまり、良くも悪くも煮詰まったような演奏を

していたが、それに対してオールマンは彼らとは一線を画している

このバンドの演奏はそういった" フィーリングの模倣 "を最初から止めているのが特徴、つまり、ブラック

フィーリングは保ちつつ、長尺の演奏にジャズ的な要素も加味して、より透明度の高い表現を売り物に

しているのが今もって実に新鮮である

同時期にサンタナが、ブルース・フィーリングにラテン風味を混ぜ合わせてジャズ風の長尺のインスト曲

を演奏するという、オールマンに似たようなアプローチをしてユニークな音楽を作り上げているのが

興味深い

 

The Allman Brothers at Fillmore East

The Allman Brothers at Fillmore East