純粋なハード・ロックと同時にファンクを
前面に押し出した名盤" Pornograffitti "
エクストリームというバンドをトップ・シーンにのし上げただけはある、まさに名盤
彼らの楽曲はよくクィーンと類似している点が多いといわれているが、確かにクィーンのようなコーラス
は随所にみられるが、彼らの楽曲にクィーンのオペラ的かつ荘厳なイメージは感じられない( 影響は
受けてると思うが )…誰にも真似できない彼らならではの音楽であると思う
実際のアルバムの中身は、エクストリームはちゃんとベスト・アルバムを出して入るが、これがベスト
といっても言い過ぎではないくらい全曲のクオリティは高い
後に出てくる3rdや4thも完成度は高いようだが、エクストリーム・サウンドといえばこの" ポルノグラフ
ティ "になってしまう
天才ギタリスト、ヌーノ・ベッテンコートのテクニカル・ギターが冴え渡っているし、ゲイリー・
シェローン、パット・バッシャー、ポール・ギアリの3人も見事なグルーヴ、リズムを叩き出している
§ Recorded Music §
1 Decadence Dance - デカダンス・ダンス
2 Li'l Jack Horny - リトル・ジャック・ホーニー
3 When I'm President - ホエン・アイム・プレジデント
4 Get the Funk Out - ゲット・ザ・ファンク・アウト
5 More Than Words - モア・ザン・ワーズ
6 Money ( In Got We Trust ) - マネー( イン・ゴット・ウィ・トラスト )
7 It ( 's a Monster ) - イッツ( ア・モンスター )
8 Pornograffitti - ポルノグラフティ
9 When I First Kissed You - ホエン・アイ・ファースト・キスト・ユー
10 Suzi ( Wants Her All Day What? ) - スージー
11 He-Men Woman Hater - " ヒーマン "はウーマン・ヘイター
12 Song for Love - ソング・フォー・ラヴ
13 Hole Hearted - ホール・ハーデッド
§ Band Member §
Gary Cherone - ゲイリー・シェローン( Vo )
Nuno Bettencourt - ヌーノ・ベッテンコート( G,Key )
Pat Badger - パッド・バッジャー( B )
Paul Geary - ポール・ギアリ( Ds )
エクストリームといえば、とりわけ天才ギタリストのヌーノ・ベッテンコートばかりがクローズアップ
されがちだが、本作に関してはそれも仕方がないことである
センスあふれるリフの数々、プロも憧れるテクニカル・ソロ、ビートルズを彷彿させるコーラス・ワーク
本当に見事で、もう少しヌーノ・ベッテンコートを加えると、ギターも速く、意外性に富み、ときには
美しい( ヨーロッパ的ではなく、アメリカ的美しさ )プレイを聴くことができ、どこをとっても
文句なしである
ファンキーなハード・ロック、ラップ、美しいバラード、クールなアコースティック・ナンバーと1stで
みせた才能を楽曲面で巾広くかつ奥行きも充分に発揮した名盤で、全曲ハイ・クオリティなのも特色
ゲイリー・シェローンもヴァン・ヘイレンでは失敗したものの、やはりエクストリームといえばこの人が
歌わないとダメでしょう…っていうくらいの存在感を残している
この絶妙なバランスは、この4人だったからこそ成し得たものでモーニング・ウィンドウではできな
かったことだと思う
なので唯一無二の、そしてエクストリームとして一番良かったと思われる本作を聴いてもらいたい
アルバムの内容は、インパクトの強いリフの" デカダンス・ダンス "、ロックを聴かない人でも" いい曲
だねぇ "と言わせてしまう極上バラード" モア・ザン・ワーズ "がこのアルバムの目玉である
" モア・ザン・ワーズ "ではヌーノの弾くアコースティック・ギターが甘く、切なく胸に迫る
本当にギターが上手いと思わせるのはエレキの速弾きよりも、こういったアコースティックの1音1音が
綺麗に出せるということのほうにあるのかもしれない
エクストリームがブレイクするきっかけとなった2ndアルバム
確かな演奏力と豊富な音楽的資質に支えられたファンキーなメタル・サウンドはヴァン・ヘイレンの
亜流的な匂いがプンプンしていたデビュー・アルバムから格段の成長をみせている
ソロ・アーティストとして根強い人気を誇るヌーノ・ベッテンコートの才能が見事に開花、変幻自在の
楽曲の中で耳に残る高度な技術を含んだソロ・プレイを聴かせてくれている
ただ、エクストリーム = " モア・ザン・ワーズ "を生み出してしまい、この後の活動に大きな迷いを
およぼしたアルバムでもある
ファンク・ロックを前面に押し出した非常にグルーヴ感あふれる" ゲット・ザ・ファンク・アウト "と
アコースティックの美しいナンバー" モア・ザン・ワーズ " " ホール・ハーテッド "といった楽曲の
バランスが素晴らしい
" ホエン・アイ・ファースト・キスト・ユー "などの楽曲も良かったりし、彼らの最高傑作といっていい
作品であり間違いなくこの作品により全米のみならず世界中に人気は広まったが、それと同時に解散への
カウントダウンも始まっていたのかもしれない