ファーストからセカンド・アルバムのヘヴィなサウンドを
ベースに新たな一面をみせている" Theatre of Pain "
ヘヴィ・メタル然とした前作" シャウト・アット・ザ・デヴィル "に比べて音もファッションもグラム・
ロックよりポップな作品となった
バンドのリーダーであるニッキー・シックスは、当時メンバー全員が薬物中毒、アルコール中毒の問題を
抱えていた状態で制作されたため、あまり納得のいく作品ではないという発言をしている
トミー・リーがピアノを弾いたバラード" ホーム・スウィート・ホーム "、ブランズヴィル・ステーション
のカバー" スモーキン・イン・ザ・ボーイズ・ルーム "がシングル・カットされた
" ホーム・スウィート・ホーム "は、リンプ・ビズキットのアルバム" グレイテスト・ヒッツ "で" ビター・
スウィート・シンフォニー "( ザ・ヴァーヴのカバー )とのメドレーという形でカバーされた
このアルバム前年にヴィンス・ニールが起こした交通事故で死亡したハノイ・ロックスのドラマー、
ラズルに捧げられている
§ Recorded Music §
1 City Boy Blues - シティ・ボーイ・ブルース
2 Somokin' in the Boys Room - スモーク・イン・ザ・ボーイズ・ルーム
3 Louder Than Hell - ラウダー・ザ・ヘル
4 Keep Your Eye on the Money - キープ・ユア・アイ
5 Home Sweet Home - ホーム・スウィート・ホーム
6 Tonight - トゥナイト
7 Use it or Lose it - ユーズ・イット・オア・ルーズ・イット
8 Save Our Souls - セイヴ・アワー・ソウルズ
9 Raise Your Hands to Rock - レイズ・ユア・ハンズ
10 Fight for Your Rights - ファイト・フォー・ユア・ライツ
§ Band Member §
Vince Neil - ヴィンス・ニール( Vo )
Mick Mars - ミック・マーズ( G )
Nikki Sixx - ニッキー・シックス( B )
Tommy Lee - トミー・リー( Ds,Pia )
ヴィンス・ニールが起こした事故により、ハノイ・ロックス・ファンの非難も浴び前評判は複雑、しかし
この作品でラットをはじめロサンゼルスのハード・ロック・バンドの中から頭1つ抜けたような
感はあった
前作2作も素晴らしいが、ここで" 自分たちの立ち位置 "を再確認したような、余裕ができたような
2曲目のカバー作で彼らの新しい魅力が出ていて、これがヴィンス・ニールのアイディアだったと
いうから、問題児なんだが光るセンスがある
これが成功し、モトリー・クルーを知らないリスナーをも惹きつけられる好結果になる
5曲目は、イントロのトミー・リーのピアノが美しい
ヴィンス・ニールのハリのある歌、間奏の泣きが入りそうなミック・マーズのソロといい完璧である
これをまとめたニッキー・シックス、プロデューサーのトム・ワーマンにも拍手である
モトリー・クルーのサード・アルバムとなった1枚で、彼らのもっとも派手でグラマラスな時期を象徴
している大傑作である
本作発表前に報じられたヴィンス・ニールの事故により、ハノイ・ロックスのラズルが死亡という悲劇は
LAメタル・ブームの喧騒に影を落とすものとなったが、バンドのイメージはますますポップ、キラキラ
したものになっている
スキャンダラスかつキャッチーな存在として、MTVでその毒牙を振りまく彼らの姿は、同世代のメタル・
バンドの中では一際輝くものとなった
ブラウンズヴィル・ステーションのカバー" スモーキン・イン・ザ・ボーイズ・ルーム "もハマりのものと
なり、パワ・バラードの代名詞となった" ホーム・スウィート・ホーム "とともに、彼らの代表曲となるほど
大ヒットした
サウンドの微妙なシフト・チェンジも見事で、エアロスミス的なノリの大幅導入によるグラム化と、
前作でのメタリック路線の追求がLAメタルのの大衆化を成功させている