1990年のバンド活動再開を機にリリースされた編集盤
事実上解散状態だったエイジアが、活動再開の第1弾として発表したアルバムで、過去3枚のアルバムから
選ばれた6曲と、未発表曲4曲を収録した変則的な内容のベスト・アルバム
未発表曲のレコーディング・メンバーは流動的で、1990年より正式にエイジアのギタリストとして活動
したパット・スロールは、本作のレコーディングには参加していない
本国イギリスではチャート・インを果たせなかったが、日本やスイスではナショナル・チャートのトップ
50入りを果たし、新曲のうち" ディス・ライク・ディーズ "はシングルとしてもリリースされて
全米64位、ビルボード誌のメインストリーム・ロック・チャートでは2位に達した
§ Recorded Music §
1 Only Time Will Tell - 時へのロマン
2 Heat of the Moment - ヒート・オブ・ザ・モーメント
3 Wildest Dreams - この夢の果まで
4 Don't Cry - ドント・クライ
5 The Smile Has Left Your Eyes - 偽りの微笑み
6 Days Like These - ディズ・ライク・ディーズ
7 Prayin' 4 a Miracle - プレイン・フォー・ア・ミラクル
8 Am I in Love? - アム・アイ・イン・ラヴ?
9 Summer ( Can't Last Too Long ) - サマー( 遅過ぎた夏 )
10 Voice of America - ヴォイス・オブ・アメリカ
§ Band Member §
John Wetton - ジョン・ウェットン( Vo,B )
Geoff Downes - ジェフ・ダウンズ( Key )
Carl Palmer - カール・パーマー( Ds )
Steve Howe - スティーヴ・ハウ( G )❖( on1-5 )
Steve Lukather - スティーヴ・ルカサー( G )❖( on6 )
Ron Komie - ロン・コミー( G )❖( on7 )
Mandy Meyer - マンディ・メイヤー( G )❖( on8-10 )
Scott Gorham - スコット・ゴーハム( G )❖( on9 )
エイジアを聴くなら、ファースト・アルバム" 詠時感~時へのロマン "、セカンド・アルバム" アルファ "
サード・アルバム" アストラ "、そしてこの" ゼン・アンド・ナウ "である
ジョン・ウェットンという最高のヴォーカル、そしてメロディ・ラインの美しさを楽しむには、まず
このアルバムから入るのもよし
キング・クリムゾン時代のジョン・ウェットンを知っている人は、あまりのポップさに驚くと思うが
ジョン・ウェットンがエイジアでやりたかったことは" 3分間のポップス "であった
このアルバムを最後にジョン・ウェットンはエイジアを脱退する
エイジアがエイジアとして機能していなかったころの未発表曲やアルバム収録漏れの曲が4曲もテイク
されている
お気に入りは" サマー( 遅過ぎた夏 )"で、スコット・ゴーハムのギターが冴えまくる名曲、ほかは
" ディズ・ライク・ディーズ "、この曲にはスティーヴ・ルカサーが参加している
欲をいえば、このアルバムに" ディライト "やらのかつての未発表曲を入れてほしかったし、収録されて
いるヒット曲もミックス違いにするとか、再録音にするとか…
何よりジョン・ウェットンが参加したエイジアとしてのアルバムはこれで最後であったし、パット・
スロールがプレイするアルバムを出してほしかったというのが本音である
それにしてもこのアルバム、もっと評価されるべきである
表ジャケットには、それぞれのアルバムを象徴する生物が描かれ、裏ジャケットにはエイジア・メンバー
の顔写真が載っているが、スティーヴ・ハウだけは外されている
収録曲の大半はスティーヴ・ハウだけど( Then )これからは彼はいないよ( Now )とうことだった
のか、はたまたトラック1~5を( Then:黄金時代" エイジア " " アルファ " )、トラック6~10を
( Now:不遇時代" アストラ " " 未発表曲 " )というのが正しいのか?
いずれにしても、ファンにとって目玉だったのは未発表曲4曲で、おそらく1985年~1990年の間に
録音された曲だと思われ、どの曲もジョン・ウェットン節なポップ感があり佳曲となっている