Fates Warningの歴史的名盤" Awaken the Guardian "
アメリカのプログレッシブ・メタル・バンド、フェイツ・ウォーニングのサード・アルバムでテクニカル
プログレ・メタルの元祖ともいうべきこのバンドの最高作
やや変態気味の変則リズムに、ジョン・アーチの浮遊感のあるハイ・トーン・ヴォーカルと、改めて
聴き返しても1986年という早い時期に( ドリーム・シアターがデビューする前 )ここまで複雑な
リズムを用いた音楽を演っていたということには驚愕すら覚えるし、変態メタルの先駆けは彼らだった
のだなということが改めて分かる
§ Recorded Music §
1 The Sorceress - ザ・ソーサレス
2 Valley of the Dolls - ヴァレー・オブ・ザ・ドールズ
3 Fata Morgana - ファタ・モルガナ
4 Guardian - ガーディアン
5 Prelude to Ruin - プレリュード・トゥ・ルートイン
6 Giants of Love Heart of Winter - ジャイアンツ・ロアー
7 Time Long Past - タイム・ロング・パスト
8 Exodus - エクソダス
§ Band Member §
John Arch - ジョン・アーチ( Vo )
Frank Aresti - フランク・アレスティ( G )
Jim Matheos - ジム・マテオス( G )
Steve Zimmermann - スティーヴ・ズィマーマン( Ds )
Joe DiBiase - ジョー・ディバイアス( B )
初期の音楽性は、2ndアルバム" スペクター・ウィズイン "までアイアン・メイデン風の伝統的なヘヴィ・
メタルの流れにあったが、本作以降、後にプログレッシブ・メタルと呼ばれるようになる音楽性へと
方向転換していく
実際、同系統のミュージシャン、マイク・ポーノトイ( ドリーム・シアター )は、" プログレッシヴ・
メタルを作り出したのは、フェイツ・ウォーニングであった "とも書いている
込み入ったリズムを含む楽曲、プログレッシブ・ロックの精神性、ヘヴィ・メタル音像の組み合わせと
いった特色の数々は、その後のドリーム・シアターやクィーンズライクらにも多大な影響を与え、ともに
プログレッシブ・メタルというジャンルを発展させていった
初期名盤" アウェイクン・ザ・ガーディアン "はメタル・ファンには必聴であろう
初代ヴォーカリスト、ジョン・アーチはブルース・ディキソン風の歌メロで歌い上げているが、声質が
ブルースほど野太くなく独特で、アイアン・メイデン風である
ただベースは前に出てこず控えめで、ツイン・リードもドラムもメイデンに比べてシャープさがない
この二流感が音質、ジャケットともにマッチしてバランスがいい
このバンドはギター・ソロが短めなのだが、このアルバムでは結構弾いているが、決して上手くはなく
二流感を助長し、いい味を出しているといってもいい
このジャンルの好きな人、ドリーム・シアターが最初のプログレ・メタル・バンドだと思っている人は
必聴、ドリーム・シアターの最初の2作品の完成度には及ばないとはいえ、1986年のリリースを考えると
革新的な作品であり、これがあったからこそドリーム・シアターもあれだけのの名作とともにキャリアを
スタートできたのだと思う
その後、二代目ヴォーカリストのレイ・アルダーが加入するが、このアルバムの存在感は別格である
当時、アイアン・メイデン大好きバンドが多数存在したが、その中でも異色の名盤として語り継がれる
アルバムだと思う