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Ultimate Music Album - 極 -


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Flower Travellin' Band - MAKE UP:メイク・アップ -

歴史価値はもちろん、サウンドもロック・ファンなら
聴いておくべき1枚

 

早くも海外進出を果たしていたザ・スパイダースに触発された内田裕也が、半ば対抗する形で結成に

至ったフラワーズから派生したフラワー・トラベリン・バンド( 以下FTB )、デビュー当時はジミ・

ヘンドリックやブラック・サバスのカバーを手掛けていた

正に時代を超越した傑作2nd" SATORI "における辺境ロック独特のアイデンティティの継承はリリース

アルバムごとに姿形を変えているものの顕著である

カナダに渡り収録された" Made in Japan "は戦時下におけるショッキングなワードが散見できるが

ここでは当時市民権を得ていた" ロックの偉大さと懐の深さ "を再認識、USロック、ブリティッシュ

とは一線を画す哀愁は範疇にとらわれないリアルさを感じさせた

この3rdのプロデュースにはヴァーティゴにアルバムを1枚残しているライトハウスのメンバーで

ラジオ・オンエアを配慮し長尺な曲は抑制されている

 

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§ Recorded Music §
1 All the Days - 長い日のあとに…
2 Make Up - メイク・アップ
3 Look at My Window - 僕の窓から
4 Slowly But Surely - 新しい時代
5 Shadows of Lost Days - 失われた日々の影
6 Broken Strings - 切れた弦
7 Hiroshima - 広島
8 Blue Suede Shoes - ブルー・スエード・シューズ
9 Satori Part 2 - SATORI Pt.2
10 After the Concert - アフター・ザ・コンサート

§ Band Member §
石間ヒデキ( G )
ジョー山中( Vo )
上月ジュン( B )
和田ジョージ( Ds )

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ジョー山中 with F.T.B./THE TIMES MAY 1971- APRIL 1974 【CD】
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本作" MAKE UP "はFTBが凱旋帰国後発表したジャパニーズ・ロックの金字塔、ラスト作、リリース

当時はフォーク・ロック全盛で評論家や一部のロック・ファンには受け入れられたものの仕事には

結びつかなかった…はさておき、ライヴ・パフォーマンスを意識したサウンドは1発撮りの躍動感

迫りくるサウンドの重量感がほかのアルバムとは一線を画している

当時の熱気をそのままパッケージにしたような雰囲気は素晴らしいが、" SATORI "や" Made in

Japan "よりもロック色に若干の翳りがみえるのは、やはり前述したフォークであったりリアルタイムを

考慮したのか、音楽的にも煮詰まっていたという内情も影響しているであろう

 

 

Make Up

Make Up

  • FLOWER TRAVELLIN’ BAND
  • ヴォーカル
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
 

 

当時のヘヴィ・ロック界に立て続けにインパクトを与えたクリームの2枚組、マウンテンの2枚組

そしてもちろんディープ・パープルの2枚組ライヴ・アルバムを踏まえて制作された2枚組アルバム

これは" MAKE UP "というタイトルが示すように半分はライヴで録音されたベーシック・トラックに

スタジオ・テイクを重ねて作り上げられた作品である

また、スタジオ曲も織り交ぜ、2枚組を通して聴くとライヴを体験したのか未知のサウンを体験したのか

分からない不思議な印象を残して終わる

1曲目ライヴ収録から彼ら流のヘヴィな音空間が展開され、地響きがするような低音を強調したベースの

リフを核に、アームを多用して神秘的なフレーズを奏でるギター、シンプルで重いドラム、音を

ひとつづ拾うように歌う端正なヴォーカル、空間の広がりを感じさせるキーボードが渾然一体となって

聴き手に迫ってくる

 

バンド名、ジャケット、アートワーク、そして何より楽曲、食感は日本じゃないが噛みしめると日本の味

時代の空気を見事に詰め込んだ彼らの作品はどれも甲乙つけがたく、ついつい" SATORI "を取り上げ

がちだが、楽曲の完成度・充実感からいうとこのラスト・アルバムである本作であろう

ライヴとスタジオを継ぎ接ぎで作られたような作品と思われがちだが" SATORI "や" Made in

Japan "の名曲が長尺アレンジのライヴで聴けたり、その後ジョー山中のソロ活動でも歌い続けられ

名曲として名高い" 失われた日々の影 "のオリジナル収録があるなど聴き応えはハンパではない

日本ではまだロック・バンドが商業的に成立できない時代に、イギリスやアメリカのハード・ロックとは

違う質感を持った良質なハード・ロック作りに真摯に取り組んだ日本人バンドの誇り高いアルバムである

 

MAKE UP<2017リマスター>

MAKE UP<2017リマスター>