80年代後半、フランスからロマ( Gipsy )の
グループによるフラメンコが世界中に鳴り響いた
世界のポップ・ミュージックの流れを変えた80年代末のワールド・ミュージック・ブームの火付け役とも
いわれるジプシー・キングス、フランス人プロデューサー、クロード・マルチネスのアドバイスをもとに
伝統的なフラメンコを基調にしたギターと歌に、現代的なロックやダンス・ミュージックの要素を
ミックスして1987年にリリースされた" ジプシー・キングス "
歌、メロディ、ギターの音色、リズム、どれをとっても一級品
南欧のスッキリと晴れた空、ずっと向こうまで広がる丘陵、異国ではあるが何故か懐かしさが込み上げる
哀しさ苦しさもすべて通り過ぎてきた後の深み、微笑み…いい音楽というものは情景が勝手に浮かんで
くるもの…極上のワインのように酔わせてくれる
§ Recorded Music §
1 Bamboleo - バンボレオ
2 Tu Quieres Volver - トゥ・キエレス・ボルベール
3 Moorea - ムーレア
4 Bem,Bem,Maria - ベン・ベン・マリア
5 Un Amor - ウン・アモール
6 Inspiration - インスピレイション
7 A Mi Manera ( Comme D'Habitude ) - マイ・ウェイ
8 Djobi Djoba - ジョビ・ジョバ
9 Faena - ファエナ
10 Quiero Saber - キエロ・サベール
11 Amor,Amor - アモール、アモール
12 Duende - ドゥエンデ
§ Band Member §
Nicolas Reyes - ニコラ・レイエス( Vo,G )
Tonino Baliardo - トニーノ・バリアルド( G )
Andre Reyes - アンドレ・レイエス( Vo )
Jacques 'Max' Baliardo - マックス・バリアルド( G )
Jahloul 'Chico' Bouchikhi - チコ・ブーチキー( G )
Maurice 'Diego' Baliardo - ディエゴ・バリアルド( G )
Paul 'Pablo' Reyes - パブロ・レイエス( G )
Dominique Perrier - ドミニク・ペリエ( Key )
Gerard Prevost - ジェラール・プレヴォー( B )
Claude Salmieri - クロード・サルミエリ( Ds )
Marc Chantereau - マルク・シャンテル( Per )
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ドラマ「 鬼平犯科帳 」のエンディング・テーマ" インスピレイション "のギターは美しく、せつなく
カッコよすぎて、しかも時代劇にもピッタリだった…時代劇のテーマにジプシー・キングスなんかを
使ってしまったのはとんでもないセンスで、この人たちは音楽を必要としているんだと思った
これで食べていけたらなではなく、とりあえず音楽が必要なんだっていう感じ
鳥肌を立ててくるのは、彼らの音が持つ情熱と強さとせつなさで、いつの間にか体が前後に揺れている
歌詞の読み方なんか分からないのに、分かるところだけでも叫ぶようになり、そのうち分からない
ところも適当に歌ってしまうようになる
このアルバムは、彼らの音楽はそういうスイッチを持っている
Gipsy Kings - Bamboléo (Official Video)
ジプシーキングス:鬼平犯科帳エンディング~full version
Gipsy Kings - Djobi, Djoba (Official Video)
馴染みやすいのは" マイ・ウェイ "のカバーと" インスピレイション "、新たに聴いて踊ってしまうのは
" バンボレオ "、フランスで大ヒットしただけのことは理解できる
ちょっとせつない感じもアルバムの流れで感じることが出来て、美味しいアルバムだと思う
ジプシー・キングスを知るための初めの1枚としても最高
この妙にせつないのに賑やかな感じは、ジプシー( 旅を続ける人 )の音楽という枠では収まらない
世界に共通する" 気持ち "の表れなのかもしれない
切れのあるスパニッシュ・ギター、情熱と哀愁のヴォーカル、これが基本原則の中に、ラテンの
リズムやロックのテイストを取り入れた彼らの音楽は、1988年のこのデビュー・アルバムで広がる
こととなり、各国でロングセラーを記録し、シングルでリリースされた" バンボレオ "は1300万枚を
売り上げた
ジプシー・キングスは、日本人好みの楽曲を提供するグループで、時代劇に恐ろしいほどマッチする
哀愁たっぷりの" インスピレイション "をはじめ、" ジョビ・ジョバ "などは正しく豊穣を願う農耕民族の
歌という趣である( 内容は恋の歌のようだが… )
だから、CMでも特に爽快感を求められるビールのCMに使われたのだろう
フランスのミュージシャンとは思えない情熱的なリズムと野性的な歌声、リズミカルでありながら
マイナー調な哀愁を帯びたメロディ、基礎をしっかり身に付けたスパニッシュ系のバンドでクセになる