2人のメンバーの死を超えて、久々に発表された
アルバムということで大きな注目を浴びた" Brothers and Sisters "
このアルバムがリリースされる前、1971年10月デュアン・オールマンがオートバイ事故で亡くなり
1972年11月ベリー・オークリーもオートバイ事故で亡くなった
2人の事故現場がそれほど離れていないことから何か運命的なものを感じ、次々とメンバーが亡くなる中
" もうオールマン・ブラザーズ・バンドは終わりか "と思っていた中1973年にリリースされた
" ブラザーズ&シスターズ "、フタを開けてみると予想に反して素晴らしい出来で全米1位に輝いた
本作よりチャック・リーヴェルが加入し、バンドはツイン・キーボード編成となった
シングル・カットされた" ランブリン・マン "はベリー・オークリー存命中に完成した楽曲で素晴らしい
仕上がりになっている
§ Recorded Music §
1 Wasted Words - むなしい言葉
2 Ramblin' Man - ランブリン・マン
3 Come and Go Blues - カム・アンド・ゴー・ブルース
4 Jelly Jelly - ジェリー・ジェリー
5 Southbound - サウスバウンド
6 Jessica - ジェシカ
7 Pony Boy - ポニー・ボーイ
§ Band Member §
Gregg Allman - グレッグ・オールマン( Vo,Key,G )
Dickey Betts - ディッキー・ベッツ( Vo,G )
Berry Oakley - ベリー・オークリー( B )
Jai Johanny - ジェイ・ジョハンソン( Ds )
Butch Trucks - ブッチ・トラックス( Ds )
Chuck Leavell - チャック・リーヴェル( Key )
Lamar Williams - ラマー・ウィリアムズ( B )
|
再起を図ったオールマン・ブラザーズの会心の1枚…このアルバムがあったからこそ彼らは現在に至る
まで一線にとどまってこれたのではないかと思う
中心人物はギタリストのディッキー・ベッツでデュアン在籍時は、それほどたいした人物とは思わな
かったが、このアルバムでは彼の持つカントリー・フレーバーが全開となっている
注目スべきところは新メンバーとして加入したチャック・リーヴェルのピアノの心地よさ
きっと彼のバックアップがなければこのアルバムはもっとチンケな安っぽいサウンドになっていたと思う
ジャズっぽいアレンジがとてもお洒落でクールでアダルトなサウンドになっている
デュアンを上回るギタリストがいるわけはなく、ギタリストではなくピアノを入れたのは正解であった
The Allman Brothers Band - Ramblin' Man (Lyric Video)
The Allman Brothers Band - Jessica
Allman Brothers Band Wasted Words with Lyrics in Description
これまでデュアンとともにオールマンズのブルース面の中核を担ってきた渋くブルージーな歌声を持つ
グレッグがヴォーカルを務める" むなしい言葉 "や" カム・アンド・ゴー・ブルース "などにも同様に
カントリー的な味付けが加えられているのが印象的だ
そして、本作のハイライトとなるディッキー・ベッツ作の" ランブリン・マン "と" ジェシカ "の2曲
" ランブリン・マン "ではディッキー自身がリード・ヴォーカルを取り、その優しく温かみを感じる歌声を
披露し、ダブル・ドラムの小気味良いリズムとポップなピアノが楽しく、ついつい踊りたくなるような
曲になっている
" ジェシカ "はドゥービー・ブラザーズを思わせるアコースティック・ギターのイントロから始まる
インストゥルメンタル曲になっていて、本作中もっとも長い7分半におよぶ曲だが、全く中だるみせず
気づいたら聴き終わってしまっているような聴くものを惹きつける魅力を持つ名曲である
古くからのオールマン・ブラザーズ・ファンの人にとっては違和感がある音楽性かもしれないので
評価が真っ二つに分かれるが、オールマン・ブラザーズ・バンドの最高傑作だと思う
それまでのオールマン・ブラザーズはブルース色の強いバンドで非常に暗いイメージの曲が多く、一方で
玄人好みの凄まじい演奏テクニックをみせるバンドだった
今までのブルース・ロック、ハード・ロックをぶち破る凄腕バンドだったが、ポップな" 明るさ "が
薄かった
この作品ではディッキー・ベッツの好みが前面に押し出されたため、明るいカントリー&ウェスタン調の
曲調になり、さらにジャズやフォーク、ブルース・ロックが見事にブレンドされ、全編極めてノリの
良い好アルバムに仕上がっている