ハード・ロックとメロディアスな彼らの魅力が
ほどよく調和されたNight Rangerの魅力満載の傑作
1作目があまりに気持ちよく緊張感ある仕上がりになると、とかく2作目でやや肩透かしを喰らってしまう
バンドも実際多くある中、パワー感や曲のラインナップも含め、まったく損をしない出来栄えとなった
前作" ドーン・パトロール "から約1年後、" シスター・クリスチャン "のヒットなどでナイト・レンジャー
の名を世に知らしめたアルバムである
" ドーン・パトロール "ではライヴ向けのストレートな曲とテクニックで活きの良い新人バンドらしからぬ
パフォーマンスを提示し、ハード・ロック小僧のハートを鷲掴みにした彼らは、この作品でさらなる
パフォーマンスを提示した
ツイン・リード・ギターとツイン・ヴォーカルのバンドとして当時最高峰のプレイと、アメリカン・
バンドらしい楽曲とアレンジを聴いてみてほしい
§ Recorded Music §
1 ( You Can Still ) Rock in America - ロック・イン・アメリカ
2 Rumours in the Air - ルーマーズ・イン・ジ・エアー
3 Why Does Love Have to Change - ホワイ・ダズ・ラヴ・ハヴ・トゥ・チェンジ
4 Sister Christian - シスター・クリスチャン
5 Touch of Madness - タッチ・オブ・マッドネス
6 Passion Play - パッション・プレイ
7 When You Close Your Eyes - ホエン・ユー・クローズ・ユア・アイズ
8 Chippin' Away - チッピン・アウェイ
9 Let Him Run - レット・ヒム・ラン
§ Band Member §
Jack Blades - ジャック・ブレイズ( Vo,B )
Alan Fitzgerald - アラン・フィッツジェラルド( Key )
Brad Gillis - ブラッド・ギルス( G )
Kelly Keagy - ケリー・ケイギー( Vo,Ds )
Jeff Watson - ジェフ・ワトソン( G )
|
基本的には" ドーン・パトロール "の延長線上で、より完成度が高くかつ豪快にロックしているアルバムで
ナイト・レンジャーのハード・ロックに、いいメロディが駆け抜ける作品となっていてバンドの実力が
遺憾なく発揮されている
ナイト・レンジャーの代表曲のひとつ、ツイン・ギターが駆け巡る" ロック・イン・アメリカ "、幻想的な
イントロからヘヴィなミドルテンポのロックへ展開する" ルーマーズ・イン・ジ・エアー "、アップ
テンポで陰影を感じさせるメロディが駆け抜ける" ホワイ・ダズ・ラヴ・ハヴ・トゥ・チェンジ "、
80年代のアメリカン・ハード・ロック屈指の名バラード" シスター・クリスチャン "、サビメロが
キャッチーで美しい" ホエン・ユー・クローズ・ユア・アイズ "など名曲、佳曲揃いな1枚になっている
[You Can Still] Rock In America
Night Ranger - Sister Christian (Official Music Video)
Night Ranger - When You Close Your Eyes
当時、アメリカン・ハード・ロックを代表するバンドだったナイト・レンジャー、今の感覚でいうと
ハード・ポップかもしれないが、あの頃のアメリカン・ハード・ロックの人気のあるバンドはこんな
感じが多かった
それらのバンドのギタリストの中でもナイト・レンジャーの2人は群を抜いたテクニックの持ち主で
ブラッド・ギルスはオジー・オズボーンとのツアーで、ナイト・レンジャーのデビュー前からその腕前は
有名だったし、もう1人のジェフ・ワトソンは、その代名詞ともいえるエイト・フィンガー奏法で
ファンをノックアウトした
これは親指以外の8本の指を使って弾くものである
もちろんナイト・レンジャーはギターのテクニックだけで聴かせるバンドではないが…
1作目を遥かに超えたこの完成度の高さは、以後の作品と比べても全然比較にならず、2作目でこんな
凄い作品を出すなんて、彼らは只者ではなかった
もっとも最強作品を早く出し過ぎてしまったような気がしないでもなく、4作目あたりにこの作品が
出ていれば、バンドとしての寿命がもう少し長かったようにも思われる
何はともあれ楽曲のクオリティの高さと計算されたツイン・リードに耳を奪われることは間違いなく
ギター・キッズにもお勧めの1枚である
ナイト・レンジャーの良さは、曲の素晴らしさと優れた2人のギタリスト、スカッと明るいアメリカンな
ところだと思うし、メロディメーカーとして有名なジャック・ブレイズは本当にいい曲を書く
ヴォーカル・スタイルは同じだがケリー・ケイギーとジャック・ブレイズの2人のヴォーカリストが
いることも味となっていて、このアルバムのほとんどの曲がナイト・レンジャーの代表曲になっている