カナダ出身のギタリスト、Frank Marino率いる
Mahogany Rushの決定的名盤
ジミ・ヘンドリックス・スタイルのヘヴィに唸るダイナミックなフランク・マリノのギターが炸裂し、
洗練されながらも攻撃性を失わないスタイルと、テクニカルな面を覗かせたり、フュージョンよりの
プレイ・スタイルを披露したりとフランク・マリノは何気に器用さをもみせつける
そしてフランク・マリノ自ら操るシンセサイザーによるスペーシーな感覚も満載で、この立体感と
ヘヴィさの融合も特異な個性となっている
ヴォーカル、セルフ・プロデュースも含めてマルチ・プレイヤーとしての強みも如何なく発揮された
作品であり、タイトル曲の" ワールド・アンセム "はX-JAPANが取り上げていたことでも有名である
§ Recorded Music §
1 Requiem for a Sinner - 罪人の鎮魂歌
2 Hey,Little Lover - ヘイ・リトル・ラヴァー
3 Broken Heart Blues - ブロークン・ハート・ブルース
4 In My Way - イン・マイ・ウェイ
5 The World Anthem - ワールド・アンセム( 世界の賛美歌 )
6 Look at Me - ルック・アット・ミー
7 Lady - レディ
8 Try for Freedom - 自由のために
§ Band Member §
Frank Marino - フランク・マリノ( G,Vo )
Jimmy Ayoub - ジミー・エイヨブ( Ds )
Paul Harwood - ポール・ハーウッド( B )
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このアルバムではメロトロンを外した代わりにシンセが大活躍していて、よりスペーシーなサウンドが
強くなった印象を受け、またリズム面も多彩でよりかっちりまとまった感がある
音質的のも向上しているため、リバーブ大好きのフランク・マリノの音もぼやけることなく聴きやすく
なっているのが特徴で、とにかく" 罪人の鎮魂歌 "でのグルーヴ感あふれるリフがいい
そのままギターを弾きまくるかと思いきやアラビア・テイストなメロディを配したソロから官能的で
スピリチュアルな世界へと誘う
普通こういうタイプの曲は、A面ラストかB面頭に収めるのが定石だと思うが、これを1曲めから
やってしまうところにこの時期の彼の精神的な位置付けが感じ取れるような気がする
2曲目の" ヘイ・リトル・ラヴァー "は、今回フランク・マリノ自ら取り入れたというパーカッションが
フィーチャーされたリズムの面白い傑作、" ブロークン・ハート・ブルース " " イン・マイ・ウェイ "と
従来のフランク・マリノ節が続く
そして5曲目は日本のX-JAPANがライヴのオープニングで使って一部で有名になってしまった" ワールド・
アンセム "、" 世界の賛美歌 "というだけあって荘厳なメロディとアレンジが素晴らしい名曲である
インストゥルメンタルだが、この曲のための詩がジャケットに載っていて、数カ国後に訳されている
膨大なエフェクターを駆使してスペイシーなサウンドを弾きまくるフランク・マリノが率いる
マホガニー・ラッシュの1976年の作品
フランク・マリノといえば日本で広く知られるようになった傑作" ライヴ "が有名だが、そこでも演奏
されている" ワールド・アンセム "がなんといってもこの作品の最大の聴きどころである
しかし、" ライヴ "や初期3部作で聴かれた異常なまでのハイテンションぶりはここでは感じられず
得意の速弾きも最初から最後まで封印したままとなっていて、コアなファンにとっては若干に欲求不満な
仕上がりになっているが、それでも随所にエフェクターを駆使したスペーシー・サウンドを聴くことが
できる