1970年に発表されたSimon&Garfunkel 5作目にして
最後のオリジナル・アルバム
南米音楽を大胆に取り入れ話題となった" コンドルは飛んで行く "、恋人のご機嫌をとる様を陽気に描いた
" いとしのセシリア "、スラム街出身の少年の半生を哀愁あふれる詞で描いた" ボクサー "、コンサートの
場で盛り上げよく使われる" バイ・バイ・ラヴ "、そしてハイライトはタイトル曲の" 明日に架ける橋 "
ポール・サイモンの絶望・孤独から一転して希望・夢への飛翔を描く情感あふれる詞、アート・
ガーファンクルの透明感と力強さとが共存する奇跡的ヴォーカル、アレンジの良さも手伝って本曲は
20世紀を代表する名曲となった
§ Recorded Music §
1 Bridge Over Troubled Water - 明日に架ける橋
2 El Condor Pasa - コンドルは飛んで行く
3 Cecilia - いとしのセシリア
4 Keep the Customer Satisfied - キープ・ザ・カスタマー・サティスファイド( ご機嫌いかが )
5 So Long, Frank Lioyd Wright - フランク・ロイド・ライトに捧げる歌
6 The Boxer - ボクサー
7 Baby Driver - ベイビー・ドライバー
8 The Only Living Boy in New York - ニューヨークの少年
9 Why Don't You Write Me - 手紙が欲しい
10 Bye Bye Love - バイ・バイ・ラヴ
11 Song for the Asking - ソング・フォー・ザ・アスキング
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" 明日に架ける橋 "は、ポール・サイモンだからこそ生み出すことが出来た曲であり、アート・
ガーファンクルだからこそ歌えたといえる
繊細でありながら力強いメロディや詞は、挫折や落胆ですべてを投げ出したくなるようなどんなときでも
明日へ歩むことを鼓舞してくれる
そしてフォーク・ロックというジャンルにカテゴライズされるサイモン&ガーファンクルにあって
その完成度を極めた曲であり、ロックの力強さとフォークの繊細なメロディとメッセージが融合した
傑作が" ボクサー "…全体的にこの頃徐々にそれぞれの道へと進みつつあった2人にあって、ポールの
アートに対する気持ちの込められた曲もあったりするわけだが、そんなことは感じさせられない曲、
そしてアルバムとしての完成度は非常に高く、まさに不朽の名作であるといえる
グラミー賞にも輝いた歴史的な名盤だが、そういったこと以上に、まさにあの時代を語るにはなくては
ならない「 時代の声 」だと思う
アコースティック・ギターをメインにした知的な音色は今聴いても素晴らしいことこの上ないわけだが
このアルバムの価値は、ベトナム戦争の時代に不安を抱えながら暮らした若者たち、大都会の孤独と戦う
若者たちを励まし続けたところにあると思う
曲にまつわるエピソードも魅力的で、ポールがアートに" 明日に架ける橋 "が完成したと告げると
「 ポール、君が歌えばいいじゃないか 」といったそうだ…そうしたギリギリの状態でアルバムは完成した
このアルバムは彼ら最高のものであると同時に、最後のアルバムである
アメリカを代表するフォーク・デュオ、サイモン&ガーファンクルの名盤中の名盤、このアルバムの
クオリティの高さは半端ではなく、" 明日に架ける橋 " " コンドルは飛んで行く " " ボクサー "などの
超名曲がテイクされている上に、じっくり聴かせるフォーク・ソングからポップなロックン・ロールまで
音楽的にも巾広い多様性を持ったアルバムである
しかもアルバム全体を通しての完成度の高さは実に見事で、泣かせるメロディ、乗せるビート、後に
残るのは優しさ、そんな感じのアルバムになっている
年輩の人が懐かしく聴き直すもよし、若い人が新しい音楽として再発見するもよし、時代を超えた
超名盤なので興味のある人にはあ勧めする