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Ultimate Music Album - 極 -


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Curved Air - Air Cut:エア・カット -

天才ヴァイオリニスト、Eddie Jobsonを迎えて
制作された新生Curved Airの第1作

 

1973年発表の4作目で、プログレッシブ・ロックでは非常に人気の高い当時17歳だったエディ・

ジョブソンのデビュー盤であり、カーヴド・エアの最高傑作と評価する人も多い名盤

" ある幻想的な風景 "で主要メンバーが3人脱退してしまいグループはほぼ解散状態になってしまったが

残ったソーニャ・クリスティーナとマイク・ウェッジウッドエディ・ジョブソン(key,vln)、

カービー・グレゴニー(g)、ジム・ラッセル(ds)を加えて本作を発表した

キーボードとヴァイオリンという主要楽器と作曲という基幹を支えていたダリル・ウェイとフランシス・

モンクマンの2人の役割を1人でこなしたエディ・ジョブソンの評価は本作でも非常に高く、技術的にも

水準が高い

しかしながら本作での主役は明らかにギターのカービー・グレゴニーでハード・ロックに近い硬質な

プレイはグループに活気を与えているし、従来のグループにはなかったドライヴ感を加えている

 

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§ Recorded Music §
1 The Purple Speed Queen - ザ・パープル・スピード・クィーン
2 Elfin Boy - エルフィン・ボーイ
3 Metamorphosis - メタモルフォシス
4 World - ワールド
5 Armin - アーミン
6 U.H.F. - U.H.F.
7 Two-Three-Two - トゥ・スリー・トゥ
8 Easy - イージー

§ Band Member §
Sonja Kristina - ソーニャ・クリスティーナ( Vo )
Eddie Jobson - エディ・ジョブソン( Key,Vln )
Kirby Gregory - カービー・グレゴニー( G )
Mike Wedgwood - マイク・ウェッジウッド( B )
Jim Russell - ジム・ラッセル( Ds )

 


 

 

 

" ザ・パープル・スピード・クィーン "は印象的なポップ・ナンバーで何となくポップ期のキャラバンに

通じる明るい雰囲気を持っていて、途中のシンセ、ギターのリードという流れもそれを感じさせ、

いづれにしても従来のカーヴド・エアではあり得ないストレートなロック曲になっている

" エルフィン・ボーイ "はトラッド・フォークっぽい曲だが、屈折したコード進行とソーニャの歌声が

悩ましくモジュレーションを活かしたシンセの音色も個性的である

" メタモルフォシス "はクラシカルなピアノが印象的なソーニャとエディの共作によるこの時期のカーヴド

エアの代表曲で、ルネッサンスに通じる雰囲気を持ちながらカーヴド・エアらしさも兼ね備えた美しく

ドラマティックな曲である

" アーミン "ではエディのヴァイオリンも登場、ダリル・ウェイに比べるとやや線が細いが、神経質

そうな演奏はまた違った味わいがある

" イージー "もこの時期の代表曲といえるドラマティックな曲であり、陰鬱で美しいメロディはカーヴド

エアの良い部分を摘出したかのようである

 

 

 

 

 

Metamorphosis

Metamorphosis

  • カーヴド・エア
  • プログレロック / アートロック
  •  
  • provided courtesy of iTunes
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興味深いことにエディ・ジョブソンが参加するアルバムは、ほかのミュージシャンもその影響を受けて

なのか非常にハイセンスな作品に仕上がる場合が多く" エア・カット "も同様のことがいえる

クラシックをベースにしたややアカデミズム臭さの漂うプログレッシブ・ロックという基本コンセプトは

揺るぎがなく、かえって大作志向や趣味性が薄れたぶん良い意味でロック的な部分が剥き出しになり

起伏に富む聴きやすいスマートな作品になった

反面、本来中心者であるはずの看板娘、ソーニャ・クリスティーナの存在感がより希薄になっている

バンドにポップの娯楽性とアカデミズムの適度なバランスをもたらしたエディ・ジョブソンの参加は

大成功となったが、グループは本作の後一旦解散となりマイク・ウェッジウッドはキャラバンへ移籍、

カービー・グレゴニーとジム・ラッセルはストレッチを結成、エディ・ジョブソンロキシー

ミュージックに移籍した

 

一旦バンドを離れたダリル・ウェイに代わり、若き日のエディ・ジョブソンが参加、ここのことからも

現在でもエディ・ファンからの人気が高い作品であり、バンドのディスコグラフィーの中でも異色の

アルバムといえる

サウンドは初期の頃に比べるとずいぶんスッキリと整理されていて軽やかで優雅な演奏に乗るソーニャ・

クリスティーナの歌声が美しい

エディの艷やかなピアノはやはり美しく、またヴァイオリンのほうもダリルに負けじとテクニカルに

弾きまくっていて、このアルバムをクラシカルに彩っていて前作" ある幻想的な風景 "とともにバンドの

代表作と呼ぶにふさわしい出来になっている

本作のハイライトは何といっても3曲目、エディ・ジョブソン作" メタモルフォシス "、とても17歳の

若者が作曲したとは思えないエディ・ジョブソンのピアノ・キーボード・ワークが楽しめる

17歳の若者がフランシス・モンクマンとダリル・ウェイという超絶ミュージシャンの穴埋めをしたの

だから、それは天才としか言いようがない

 

Air Cut

Air Cut

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