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Ultimate Music Album - 極 -


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Steve Howe - Turbulence:タービュランス -

美しいメロディ、繊細さと大胆さの両方を併せ持つ
Steve Howeのギターに魅せられる

 

1991年発表のスティーヴ・ハウ、ソロ・アルバムの3作目で、前作より12年振りとなったが、間には

エス⇢エイジア⇢GTR⇢ABWHなどの活動も含まれていて、本作も元々はGTR解散後の1986年末から

1989年の間に録音されて1989年に発表の予定だったものの、同年に発表されたABWHとの兼ね合いで

発表が見送られていたものだった

本作に参加しているのは、元ウルトラボックスのビリー・カーリー(key,vla)、イエス時代の同僚ビル・

ブラッフォード(ds)、アンドリュー・ルーカス(key)、ナイジェル・グロックナー(ds)らで、それ以外の

パート、すなわちギター、ベース、マンドリン、ペダル・スティール、琴に至るまで自身で手掛けている

ヴォーカルを入れないのは自身の資質をよく分かった適切な判断かと…

 

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§ Recorded Music §
1 Turbulence - タービュランス
2 Hint Hint - ヒント・ヒント
3 Running the Human Race - ランニング・ザ・ヒューマン・レース
4 The Inner Battle - 内なる戦い
5 Novalis - ノヴァリス
6 Fine Line - ファイン・ライン
7 Sensitive Chaos - センシティヴ・カオス
8 Corkscrew - コークスクリュー
9 While Rome's Burning - ローマが燃えるとき
10 From a Place Where Time Runs Slow - 時間がゆるやかに流れる場所

 

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1曲目の" タービュランス "は打ち込みと思われるジャストなキーボードが若干のチープさと時代性を

感じさせるものの、フュージョンよりジャズ・ロックとしてはなかなか楽しめる

" ヒント・ヒント "は琴を導入したオリエンタルかつポップなフュージョン曲で、芳醇で重厚な響きを

聴かせる琴と、伸びやかなトーンを聴かせるエレキ・ギターの対比が非常に美しい

サウンドの質感は80年代後期から90年代の典型的なもので、ライトで明るいトーンが中心、質感としては

ABWHにかなり近い

ジョン・アンダーソンのヴォーカルを入れればそのままABWHといった曲もあるが、中心となって

いるのはジャズ・ロック/フュージョン寄りの曲であり、よく考えてみればスティーヴ・ハウとしては

異色作だった

 

 

 

 

 

Sensitive Chaos

Sensitive Chaos

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GTRを1986年末に解散後、1988年にIRSレコードからオムニバス・アルバム" ギター・スピーク "に

参加し1曲だけ新曲をリリース、その後ジョン・アンダーソンの依頼でABWHに参加、1989年に" 閃光 "を

リリース、その後はクリス・スクワイア中心のイエスに戻り1991年に" 結晶 "をリリースしている

つまり大活躍だったわけだが、それでもこれだけ充実したサード・ソロを出せるから驚きだった

今回も前作同様に14台のベースやマンドリンを含む楽器を選び出し、マトリックスをライナーの

ど真ん中に入れて重要性をアピールしている

意外なのは一番使われているのがフェンダーストラトキャスターで、"ヒント・ヒント " " ローマが

燃えるとき "以外の8曲で使用している

このギターはこういう音がするんだよ、と言いたそうなスティーヴ・ハウの笑顔が浮かんでくる

 

久々にタッグを組んだビル・ブラッフォードとともに、全曲インストの聴きやすいメロディになっている

過去のキャリアを総括するような趣きもあるが、GTRでポップ過ぎた活動に辟易した部分もあったのか

アーティスティックな側面が戻ってきている

ウルトラボックスのオリジナル・メンバーであり、ヴィオラ奏者としても高名なビリー・カーリー、

そしてGTRにも一時在籍していたドラマー、ナイジェル・グロックナーが一部参加しているのがユニーク

NWOBHMの伝説バンド、サクソンのメンバーとして有名なナイジェル・グロックナーがスティーヴ・

ハウと手を組んでいるという事実は、ロック・マニアにとってはちょっとした驚きだと思う

久々のソロ作となった本作だが、スティーヴ・ハウビル・ブラッフォードのスリリングな共演、

ロック的ダイナミズムにあふれたポップ・プログレを堪能するには、なかなか味わい深い1枚である

 

Turbulence by Steve Howe

Turbulence by Steve Howe

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