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Ultimate Music Album - 極 -


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The Band - The Band:ザ・バンド -

Bob Dylan色を払拭して、The Bandらしさを
打ち出した初めてのアルバム

 

ザ・バンドのセカンドにして最高傑作の呼び声高い作品で、アメリカ音楽のさまざまな要素が彼らには

その気は全然なかっただろうが、彼らの歩んできた道がそうさせるのか、凝縮された音となっている

ドラムのリヴォン・ヘルムはアメリカ南部出身で、ブルース、カントリー、ピアノのリチャード・

マニュエルはR&B、キーボードのガース・ハドソンはクラシック、ジャズ、ロック・ベースのリック・

ダンコ、オールラウンドのロビー・ロバートソン

エリック・クラプトンボブ・ディランさえも出したくても出せなかった音を、いとも簡單に出して

しまう…そして3人の渋いヴォーカル

まさにザ・バンドという名のまんま、本人たちのやりたい音楽を楽しんでやっているという雰囲気で

ゆったり落ち着いているようでいて、誰にも真似できないサウンド、それが彼らの凄いところである

 

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§ Recorded Music §
1 Across the Great Divide - ロッキー越えて
2 Rag Mama Rag - ラグ・ママ・ラグ
3 The Night They Drove Old Dixie Down - オールド・ディキシー・ダウン
4 When You Awake - ホエン・ユー・アウェイク
5 Up on Cripple Creek - クリプル・クリーク
6 Whispering Pines - ウィスパリング・パインズ
7 Jemima Surrender - ジェミマ・サレンダー
8 Rockin' Chair - ロッキン・チェアー
9 Look Out Cleveland - ルック・アウト・クリーブランド
10 Lawbone - ジョーボーン
11 The Unfaithful Servant - アンフェイスフル・サーヴァント
12 King Harvest - キング・ハーヴェスト

§ Band Member §
Rick Danko - リック・ダンコ( B,Vo )
Levon Helm - リヴォン・ヘルム( Ds,Vo )
Garth Hudson - ガース・ハドソン( Key )
Richard Manuel - リチャード・マニュエル( Pia,Vo )
Robbie Robertson - ロビー・ロバートソン( G )

 

 

 

4人のカナダ人と1人のアメリカ人からなるザ・バンドだが、5人のメンバーが子供の頃から親しんで

きたのは、アメリカ南部の生粋のロックン・ロール、本作ではただ単に南部産のロックン・ロールを

追求したのではなく、そのルーツであるR&B、ブルース、ゴスペル、マウンテン・ミュージックやジャズ

までにも遡ったサウンド作りがなされている

相変わらず電気やオーバー・ダビングを出来る限り排除したアコースティックで渋い音が新鮮だ

50年代より前の40年代から30年代を目指した音作り、徹底的に古臭さを追求した

このシンプルな音のパワフルさに圧倒される

ここまでぶっ飛ぶともうアナザー・ワールドの世界、この世界は非現実的で虚構だが、とても親しみ

やすくリアルな世界でもある

 

 

 

 

 

The Night They Drove Old Dixie Down

The Night They Drove Old Dixie Down

  • provided courtesy of iTunes
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屈指の名曲" オールド・ディキシー・ダウン "を筆頭に名曲がぎっしり詰まったアルバムで、歴史的な

名盤である1stと完成度、曲で比較しても大差ないレベルの作品だが、前作よりも少しだけ楽しげな

雰囲気が増し、イメージとしてのザ・バンドにより近くなった作品だと思う

アルバム全体から滲み出ている音そのものの暖かさは、サミー・ディヴィスJrの自宅を借りて録音した

という話から、その効果の現れなのだろう

モコッとしているようで芯には堅いものがあるようなこのサウンドこそが、このアルバムでも一番の

聴きどころだと思う

微妙に乾いた感触は次作の" ステージ・フライト "の湿った音とは対象的であり、質感としてはもちろん

こっちがザ・バンドには似合っていると思う

後に人間関係でいろいろと問題が起きる彼ら…それはグループの常であろうが、この時期の彼らは

人間関係においても最高だったのだろう

 

曲によってアンサンブルの変化をつけるためにわざと、それぞれの持つ楽器を取り替える

その演奏の見事さはジャズ・ミュージシャンたちに引けを取らないといっても決して過言ではない

全編に渡ってアコースティックなサウンドを重視した本作では、一つ一つの楽器のサウンドが明確に

聴こえてきて、このユニットの素晴らしい個性が引き立つ

古いアメリカ南部の生活を歌ったトータル・アルバム的本作では、そんな懐古趣味的なサウンドがいい

相乗効果を上げていて、このロック・ミュージックに新たな魅力を付け加えている

ボブ・ディランのバック・バンドのイメージから脱却してザ・バンドの存在感を確立した作品であり

アメリカン・ルーツ・ミュージックを下敷きにしつつ、たっぷり目のタイム感が独特だ

全員がヴォーカルを取れ、後にスタジオ・ミュージシャンとしても引く手あまただった才覚あふれた

メンバーたちだが、個人の力量を誇る方向ではなく、あくまでもアンサンブルを追求する意志が感じ

られてかえって凄みを感じさせられる