骨太のロックン・ロールと熱いハスキー・ヴォイス
見事なハーモニーによるキャッチーなメロディ…まさに80's
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの2作目、デビュー盤の粗さの延長的な曲と、大ヒットした次作へ繋がる
ノリと完成度の高い曲が混在する過渡期の一作である
後者の代表的な曲は" ワーキン・フォー・リヴィン " " トゥルー・ラヴ "、そしてシングル・ヒットした
" ビリーヴ・イン・ラヴ "だろう
この曲をはじめて聴いたときは美しいコーラスワークに感激した
この曲がヒットした1982年はちょうどイーグルス、ドゥービー・ブラザーズが相次いで解散を表明した
年でもあり、ウェスト・コーストの世代交代を実感させる登場だった
§ Recorded Music §
1 Change of Heart - チェンジ・オブ・ハート
2 Tell Me a Little Lie - 小さな偽り
3 Giving it Up All for Your Love - 5時半からのデート
4 Hope Love Me Like You Say You Do - サンフランシスコ・ラヴ・ソング
5 Workin' for Livin' - ワーキン・フォー・リヴィン
6 Do You Believe in Love - ビリーヴ・イン・ラヴ
7 Is it Me - イズ・イット・ミー
8 Whatever Happened to True Love - トゥルー・ラヴ
9 The Only One - オンリー・ワン
10 Buzz Buzz Buzz - バズ・バズ・バズ
§ Band Member §
Huey Lewis - ヒューイ・ルイス（ Vo ）
Chris Hayes - クリス・ヘイズ（ G ）
Johnny Colla - ジョニー・コーラ（ G,Sax ）
Mario Cipollina - マリオ・シポリナ（ B ）
Bill Gibson - ビル・ギブソン（ Ds ）
Sean Hopper - シーン・ホッパー（ Key ）
|
|
若干ドラムの音など、いかにも80年代だと思わせるパシャパシャとした軽い質感が時代を感じさせる
ものの、次の" スポーツ "と、映画「 バック・トゥ・ザ・フューチャー 」の主題歌の大ヒットにも連なる
要素がここにもチラホラしている
売れ線の甘いバラードなんぞクソ喰らえ…とばかりに、初めから最後までシンプルでストレートな
ロックン・ロールで押しまくる" これしかできない "という潔さ
アカペラ・ドゥーワップの要素を散りばめたコーラスワークに秀でたバンド・アンサンブルとヒューイ・
ルイスの野太いパワーあふれるヴォーカルの小気味よさが全面にみなぎり、とにかく気持ちがいい
- provided courtesy of iTunes
ミディアム・テンポの" サンフランシスコ・ラヴ・ソング "、彼らの真骨頂であるストレートなロック・
チューン" ワーキン・フォー・リヴィン "や" オンリー・ワン "などを聴けば次の2作の大ヒットも頷けるし
ジョン・マッド・ランジのプロデュースによる" ビリーヴ・イン・ラヴ "のヒットで注目されるが、
この曲の洗練されたコーラスワークなどを期待すると少し当てが外れる
実際はコテコテの泥臭いロックン・ロール・アルバムで、次作の" スポーツ "の大ヒットで一躍時代の寵児
になるが、このアルバムから始まって後の2作は傑作と呼ぶにふさわしい出来である
その2作が気に入った人なら、このアルバムまで遡って聴いてみる価値があり、ほとんどの曲が3分から
4分のインスタント・ロックだから、聴きやすいことこの上なし、世界としては完全に出来上がっている
ヒューイ・ルイスが1979年に結成し、1980年代に数々のヒット・シングルで世界的に人気を誇った
アメリカン・ロック・バンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの2ndアルバムで骨太のロックン・
ロールにヒューイ・ルイスの熱いハスキー・ヴォイス、そして見事なハーモニーによる超キャッチーな
彼らのサウンドは、まさに80年代を代表するもの
タワー・オブ・パワーのホーン・セクションが参加したのもこのアルバムからである
ちょっぴりAORが入っているが、後味の良い夏っぽい爽快なパワー・ポップが満載の優れたアルバムだ
