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Ultimate Music Album - 極 -


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TOTO - Isolation:アイソレーション -

新ヴォーカリストFergie Frederiksenが加入した
TOTOの5thアルバム

 

クラミー賞7部門を受賞して全米4位を記録した" 聖なる剣 "から2年後に発表された作品だが、前作

発表後に看板ともいえるヴォーカリストボビー・キンボールとデヴィッド・ハンゲイドが脱退、新たに

元トリリオンのファーギー・フレデリクセンマイク・ポーカロが参加している

" 愛を抱きしめて " " チェンジ・オブ・ハート "でロンドン・シンフォニー・オーケストラと共演するなど

話題性もあったが、全米42位と前作の大ヒットを考えれば記録としては悪いものだった

もちろん作品としてのクオリティは高いが、打ち込み全盛の時代に彼らのようなテクニシャンは軽視

されたように思われる

言うまでも無いが本作のみで脱退するファーギーのヴォーカルは最高で、全体的にハード・ロック色が

強くなっていて、ミックスもライヴ感を強調したものになっている

 

§ Recorded Music §
1 Carmen - カルメン
2 Lion - ライオン
3 Stranger in Town - ストレンジャー・イン・タウン
4 Angel Don't Cry - エンジェル・ドント・クライ
5 How Does it Feel - 愛を抱きしめて
6 Endless - エンドレス
7 Isolation - アイソレーション
8 Mr. Friendly - Mr.フレンドリィ
9 Change of Heart - チェンジ・オブ・ハート
10 Holyanna - ホリーアンナ

§ Band Member §
Fergie Frederiksen - ファーギー・フレデリクセン( Vo )
Steve Lukather - スティーヴ・ルカサー( G,Vo )
David Paich - デヴィッド・ペイチ( Key,Vo )
Steve Porcaro - スティーヴ・ポーカロ( Key )
Mike Porcaro - マイク・ポーカロ( B )
Jeff Porcaro - ジェフ・ポーカロ( Ds )

 


 

 

 


TOTOのもつハード・ロック色が強く出ていて、ポップ色はメロディアスなニュアンスになっている

また、ロック路線の前々作" ターン・バック "と比較するとキーボードワークが充実していて、クオリティ

の高い楽曲にスティーヴ・ルカサーのギターがガッツやパワーを与え、キーボードが多彩なサウンド

メロディで彩りを与えている

ヴォーカル面では、ボビー・キンボールの声が空間的広がりならファーギー・フレデリクセンの声は

直線的ストレートに伸びていく

アレンジはやや複雑になっていて、あくまでも前作との比較だが一聴するとゴチャゴチャした風に聴こえ

るため、ここが楽曲そのものの良さを分かりにくくしている気もしないでもない

TOTOの2代目ヴォーカルのオーディションで、最終選考に残ったのはファーギー・フレデリクセン

もう1人はエリック・マーティンだった

 

 

 

 

 

Isolation

Isolation

  • Toto
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
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パワフルでキレのいい" カルメン ”、ファンキー・カッティング、AOR的哀サビな" ライオン "、イントロ

に低音ヴォーカルを導入したニュー・ウェイヴ・タッチの" ストレンジャー・イン・タウン "は本作

ならではの名曲、本作以降TOTOはヴォーカルを固定せず、それがために活動が低迷した感がある

グループとしては苦闘の始まりともいえるビターな作品といえるだろう

幻想的なキーボードのイントロから始まる" エンドレス "など、" 聖なる剣 "でのAOR寄りのヒット曲に

対して、迎合ではなく反動、原点回帰的なアプローチで作られたのがこの作品ではないかと思う

スティーヴ・ルカサーの聴き流していればサラッと流れるが、真似をしようと思ったらとんでもない

テクニック満載のプレイは相変わらずで、ツイン・キーボードも炸裂し、とても上質のTOTOロック

世界が繰り広げられている

 

ここまで賛否が分かれるアルバムも珍しいというほど極端な評価を受けるアルバムで、多少自分たちの

進むべき方向を模索しているような曲面を感じさせるところがある

かといって、鑑賞に耐えないほど問題を抱えているわけではなく、それは聴く側にも多少のためらいが

あることによって起こる現象ともいえる

でも、難しいことを考えずに聴けば、いつもTOTOはご機嫌なサウンド提供してくれることは間違いない

後にメンバーが一部欠けてしまって休止、そして再生していく運命を考えると、これらオリジナルTOTO

の作品群はハード・ロックからアダルト・ロックへ向かっていた時代の記念碑的なものといえる

このアルバムの曲調は当時の各メンバーでのほかでの作品に作品に比較しても珍しく、" 聖なる剣 "の

殻を打ち破るために視点を変えたのだと思う