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Ultimate Music Album - 極 -


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Robert Fripp - Exposure:エクスポージャー -

King Crimsonのギタリスト兼リーダー
Robert Frippのソロ・アルバム

 

ロバート・フリップキング・クリムゾンという名前から自由になって発表した本作は、非常に

リリカルで、彼個人の資質が楽曲に結晶化していて素晴らしい

キング・クリムゾンから自由になれば、彼の楽曲を歌うヴォーカリストの選択も自由になり、曲に最適な

歌手が素晴らしい歌唱を披露する

ピーター・ハミルピーター・ガブリエル、ダリル・ホール、テリー・ローチェらを操り、キング・

クリムゾンでのようにもったいぶらず、比較的ケレン味のない形でフィリップの知性が現れていて、

また音楽的にもおもしろい

簡潔ながら人間性の本源的な暗部に触れるジョアナ・ウォルトンの歌詞も素晴らしく、メタフォリカリー

に潜在意識に訴えかける

 

§ Recorded Music §
1 Preface - 序章
2 You Burn Me Up I'm a Cigarette - ユー・バーン・ミー・アップ・アイム・シガレット
3 Breathless - 呼吸困難
4 Disengage - 解放
5 North Star - 北極星
6 Chicago - シカゴ
7 NY3 - ニューヨーク・スリー
8 Mary - マリー
9 Exposure - エクスポージャー
10 Haaden Two - ヘーデン・ツー
11 Urban Landscape - アーバン・ランドスケープ
12 I May Not Have Had Enough of Me But I've Enough of You
  アイ・メイ・ノット・ハブ・ハッド・イナフ・オブ・ミー・バット・アイヴ・イナフ・オブ・ユー
13 First Inaugural Address to the I.A.C.E. Sherborne House - I.A.C.E. シャボーン・ハウス就任演説
14 Water Music Ⅰ - ウォーター・ミュージック・パート1
15 Here Comes the Flood - 洪水襲来
16 Water Music Ⅱ - ウォーター・ミュージック・パート2
17 Postscript - 追伸

§ Personnel §
Robert Fripp - ロバート・フリップ( G )
Daryl Hall - ダリル・ホール( Vo )
Terre Roche テリー・ローチェ( Vo )
Peter Hammill - ピーター・ハミル( Vo )
Peter Gabriel - ピーター・ガブリエル( Vo )
Brian Eno - ブライアン・イーノ( Key )
Tony Levin - トニー・レヴィン( B )
Narada Michael Walden - ナラダ・マイケル・ウォルデン( Ds )… etc

 


 

 

 

片手間ではなく、当時ロバート・フリップはクリムゾンは終わったと考えていたようで、本作も本気で

作ったという感じがひしひしと伝わってくる

ピーター・ガブリエルやダリル・ホールの作品と3部作になっていた

アルバム構成はトータル・アルバムとして考えて作ってあるが、1曲1曲もかなりいい曲がそろっていて

" 洪水襲来 "も" エクスポージャー "もピーター・ガブリエルの作品に入っているモノよりははるかに

出来が良く、ピーター・ハミル、ダリル・ホール、女性ヴォーカリストらの声が響く歌は文句なしに

素晴らしく、それらはクリムゾンのアルバムでは聴くことが出来ない質の音楽で、あるときは狂暴に

あるときは荒々しく、あるときは優しさの極地が表現されている

ドラムスにはフィル・コリンズナラダ・マイケル・ウォルデンを起用、彼らとフリップ・サウンドとの

融合も、このアルバムを支える隠し味となっている

 

 

 

 

 

Here Comes the Flood

Here Comes the Flood

  • provided courtesy of iTunes
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ゲスト・ヴォーカル陣の素晴らしさが際立っていて、ダリル・ホールの歌う" 北極星 "の静かに波打つ

叙情性、テリー・ローチェの歌う" マリー "のキラキラした美しさ、ピーター・ハミルが狂気を剥き出しに

する" 解放 "、そしてピーター・ガブリエルの歌う" 洪水襲来 "、ピーター・ハミルとテリー・ローチェの

デュエットで聴かせる" アイ・メイ・ナット・ハブ… "も動から静への変化の妙が冴えわたる名演である

そして、キング・クリムゾン的世界が炸裂するインスト" 呼吸困難 "…トニー・レヴィン、ナラダ・

マイケル・ウォルデンのリズム隊も強力である

 

楽曲の巾の振りが広く、一見散漫になりそうなものを見事に1枚にまとめ上げているだけでも凄い

ピーター・ガブリエルとの共演が秀逸だが、とにかく全体としてすこぶる完成度が高く、聴くたびに

凄いと思える構成である

参加したミュージシャンの極の部分だけを引き出したようなテンションの高さも魅力のひとつであろう

キング・クリムゾンとしても、ギタリストとしてもさまざまなアルバムを出しているロバート・フリップ

だが、" エクスポージャー "でみせた世界は、これを凌駕するのが難しいのか、ここまで完成させている

ので次の手がないのか、トラック違いの曲を集めてミックスし直した2枚組を出しているだけだ

それは、それだけこの1979年に制作したアルバムの到達度が高かった証なのかもしれない

キング・クリムゾンという名前を取り外しても、単独で光り輝いているブリティッシュ・ロックの

お宝的名盤のひとつである

 

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