ロックン・ローラーしか持ち得ない野性味と
その裏腹にあるポップ・センス光る傑作
たいていの音楽、特にポピュラー・ミュージックは時代とともに色褪せていく運命にあるが、一部の
真にオリジナルな音楽は時代が変わっても常に新しい発見をリスナーに供給し続ける
その代表的なグループとアルバムがこのクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(以下CCR)
の" コスモズ・ファクトリー "である
このアルバムでCCRはピークを迎え、このアルバムに収録された多くの曲はシングルでもヒット・
チャートを賑わせた
口ずさめる南部的な曲の素晴らしさだけでなく、歌詞が素晴らしい
サイケデリックな詞やベトナム反戦と連動した詞もあり、彼らの知性の高さも証明している
§ Recorded Music §
1 Ramble Tamble - ランブル・タンブル
2 Before You Accuse Me - ビフォアー・ユー・アキューズ・ミー
3 Travelin' Band - トラヴェリン・バンド
4 Ooby Dooby - ウービー・ドゥービー
5 Lookin' Out My Back Door - ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア
6 Run Through the Jungle - ジャングルを超えて
7 Up Around the Bend - アップ・アラウンド・ザ・ベンド
8 My Baby Left Me - マイ・ベイビー・レフト・ミー
9 Who'll Stop the Rain - フール・ストップ・ザ・レイン
10 I Heard It Through the Grapevine - 悲しいうわさ
11 Long as I Can See the Light - 光りある限り
§ Band Member §
John Fogerty - ジョン・フォガティ( Vo,G,Key )
Tom Fogerty - トム・フォガティ( G )
Stu Cook - ステュ・クック( B )
Doug Clifford - ダグ・クリフォード( Ds )
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" トラヴェリン・バンド " " ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア " " アップ・アラウンド・ザ・
ベンド " " フール・ストップ・ザ・レイン " " 光りある限り "、意外なことにCCR唯一のNo.1ヒットで
ある" ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア "をはじめ上述したようなヒット曲が次々と登場して
楽しませてくれるアルバムである
短期間にロック・シーンに駆け抜けていったCCRの良さは突き詰めるとジョン・フォガティのヴォーカル
と曲の良さにあったということがよく分かり、シンプルで勢いのある音がここにある
乾いた土臭い歌と演奏は、スワンプやサザン系のロックの範疇に入るのかもしれないが、エネル
ギッシュで力強いジョン・フォガティのヴォーカルは魅力的である
マーヴィン・ゲイが歌っていた" 悲しいうわさ "がこのアルバムにテイクされているが、ジョン・
フォガティが実に渋く歌い上げているし、" アップ・アラウンド・ザ・ベンド "などのロックン・ロール
" 光りある限り "といったミディアム・バラッドとどれも佳曲だが、一番のお勧めはカントリー・
フレイバーあふれる" フール・ストップ・ザ・レイン "で、この曲は村上春樹の小説「 風の歌を聞け 」
の中でDJによってラジオでかけられるというそんな場面もあり、ロック好きだった村上春樹の目利きにも
かなった曲と言える
彼らが一番脂が乗り、ピークの真っ盛りの感じで特にジョン・フォガティのヴォーカルの魅力がここでは
満載である
CCR流ロックン・ロールからクラシック・ロック、カントリー、ゴスペル、R&Bとこれでもかと責め立て
シンプルかつ豪快なサウンドとヴォーカルは何十年経っても色褪せることがない
同時代のグループでは、南部指向のザ・バンドとよく引き合いに出されるが、ザ・バンドの哲学性も
いいが、CCRの外連味の無い割り切りも、とっても捨てがたい魅力である
もっともっと、今の時代でも評価されていいと思う