このアルバムから始まるRenaissanceの快進撃
プログレ・ファンだけでなくすべての人に聴いてもらいたい名盤
美の極致と評判の高い1973年発表の4作目だが、LP発表当時の邦題は" 燃ゆる灰 "、この超名盤アルバム
から5つ星連発のルネッサンス怒涛の快進撃が始まる
初めてルネッサンスを聴く人はこのアルバムから聴くのがいいと思う
紅一点アニー・ハズラムの美しく初々しいヴォーカルは、そのルックスもあってプログレ界の妖精とか
アイドルとか呼ばれた
曲のほうはタイトル曲をはじめ、クラシックの美しさに彩られた傑作ばかりで、ドビュッシーそっくりの
曲もあるが、原曲の良さを壊すものではないので許せる範囲であるし、もちろん美しい曲ばかりではなく
ロックとしての魅力も十分の隙のない演奏で、特にタイトル曲の盛り上がりは今聴いても凄い
§ Recorded Music §
1 Can You Understand? - キャン・ユー・アンダースタンド
2 Let it Grow - レット・イット・グロウ
3 On the Frontier - オン・ザ・フロンティア
4 Carpet of the Sun - カーペット・オブ・ザ・サン
5 At the Harbour - 渚にて
6 Ashes Are Burning - 燃ゆる灰
§ Band Member §
Annie Haslam - アニー・ハズラム( Vo )
John Tout - ジョン・タウト( Key )
Jon Camp - ジョン・キャンプ( B )
Terence Sullivan - テレンス・サリヴァン( Ds )
-- Additional Musicians --
Michael Dunford - マイケル・ダンフォード( G )
Andy Powell - アンディ・パウエル( G )
Richard Hewson - リチャード・ヒューソン( Str )
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アニー・ハズラム加入後としては2作目にあたるアルバムであり、楽曲の6曲中5曲の作曲を担当した
マイケル・ダンフォードは、本作のクレジットではゲスト扱いだったが後にルネッサンスの正式メンバー
となっている
" オン・ザ・フロンティア "は、バンドの旧メンバーであるジム・マッカーティの所属のバンド、シュート
の曲で、マッカーティ自身はこの曲をルネッサンスに提供したのか、それともルネッサンスからカバー
したいと申し出を受けたのかは覚えていないと語っている
" 燃ゆる灰 "ではウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルがギター・ソロを弾いていて
パウエルはジョン・タウトがルネッサンス加入前にルパーツ・ピープルで活動していた頃からの付き
合いで、さらにルネッサンスとウィッシュボーン・アッシュは同じマネージメントに属していて
ジョン・タウトは既にウィッシュボーン・アッシュのアルバム" 百眼の巨人アーガス "にゲスト参加
していたという縁があった
プログレ界に燦然と輝く名曲" キャン・ユー・アンダースタンド "、何しろイントロが凄い引っ張る割に
歌メロがひとつもイントロを引き継がないという展開、象徴的で何をいっているのかよくわからない歌詞
中間部でドラッドとも何ともつかない舞曲のような展開、最後に強引にイントロにつなげる持って
行きかたにすっかりやられてしまい、以降聴き漁るようになった
アルバム1枚がもう複雑で、長大な1曲のようでいて、ほかのプログレ・バンドのそれとは明らかに違う
妙にアコースティックで吹っ切れた感じがとても爽やかで清楚な印象を受けた
複雑な曲というよりは、複数の曲が1曲になっているような感じで、それら単体は決して難解でもなく
前述した爽やかさと清楚でドラマティックな雰囲気がとても日本人受けする内容となっている
基本的には駄作なしの彼らだが、中でもこのアルバムはポピュラリティ、完成度という点で抜きん出て
いると思うし、プログレというジャンルから想像する難解さからはまったく無縁のサウンドである
特にこのアルバムはそうした傾向が強く、確かに組曲風の曲調だったり、テクニカルなアンサンブルなど
プログレ風なところはあるが、彼らの根幹にあるのはいかにも英国的といった感じのポップ風味で
全編を通した英国田園的な雰囲気もたまらない
特にタイトル曲" 燃ゆる灰 "は彼らの代表曲で、アンディ・パウエルのソロは個人的に泣きのギター・ソロ
ベスト10に入る