L.A.メタル・ムーヴメントの末期にブルージーで
シンプルなサウンドで鮮烈に登場した名盤
シンデレラのデビュー・アルバムとなった1枚で、グラマラスな衣装と派手なパフォーマンスにより
ヘア・メタルの象徴的な1枚となった大傑作だが、そのヴィジュアルとは裏腹にサウンドの方は
それまでのアメリカン・ハードの王道をゴッタ煮にしたような正統派でもあったのが意外だった
エアロスミス、キッス、AC/DCを思わせながら、パワー・バラードもきっちりこなすあたりは、いかにも
80年代的なセンスを漂わせている
トム・キーファーのスティーヴン・タイラーの毒気を抜いたようなルックスと、ブライアン・ジョンソン
のような声が、同年代のバンド群と比べても強烈な個性を放っていた
以降彼らは音楽性をブルージーな路線へと転向するが、本作の怪しくキャッチーなLAメタルを未だ
愛している人も多いのではないかと思う
§ Recorded Music §
1 Night Songs - ナイト・ソングス
2 Shake Me - シェイク・ミー
3 Nobody's Fool - ノーバディーズ・フール
4 Nothin' for Nothin' - ナッシン・フォー・ナッシン
5 Once Around the Ride - ワンス・アラウンド・ザ・ライド
6 Hell on Wheels - ヘル・オン・ホイールス
7 Somebody Save Me - サムバディ・セイヴ・ミー
8 In From the Outside - イン・フロム・ジ・アウトサイド
9 Push, Push - プッシュ、プッシュ
10 Back Home Again - バック・ホーム・アゲイン
§ Band Member §
Tom Keifer - トム・キーファー( Vo,G,Pia )
Jeff LaBar - ジェフ・ラバー( G )
Eric Brittingham - エリック・ブリッティンガム( B )
Fred Coury - フレッド・コウリー( Ds )
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ボン・ジョヴィに見い出された注目度で、ある意味チャート成績は出来すぎと思うが、やや新鮮味の
なくなってきたLAメタルブームと一線を画す地味ながら良い作品で、どちらかといえばAC/DC寄りな
ブギー・ロックで、デビュー作にして完成度は高い
シングル・ヒットした" ノーバディーズ・フール "はサビが印象に残る名曲である
ボン・ジョヴィほどキャッチーさとバラエティさはないものの、当時掃いて捨てるほどいたHR/HMの
バンドとは一線を画したブルース・ロック主体のハード・ロックだが、見事にチャート入りするように
料理され、もっともキャッチー・ブルース・ロックをやるバンドとなった
シングル曲でなくともリフがカッコよく、すんなり聴けるハード・ロックとなっている
メロディアス性でいえば彼らの作品の中では一番ポップ度を抑えたアルバムだが、どこか心に響く
メロディを部分的に隠し持っていてデビュー当初からすごくセンスを感じた
次作からブルース色をより一層強めていくが、それ故にテンポを落としたHR/HMというのは珍しかった
とにかくシンプルでギターのリフがカッコよく、トム・キーファーのダミ声が心地良い
このままの路線でいってくれたら良かったのに、なぜか次のアルバムでは静かなブルース・ロックに
パワー・ダウンしてしまうが、トム・キーファーの存在感はすごく、彼の魅力で押し切った感じである
1980年代後半あたりに突如現れたLAメタルのひとつで通称" 色物 "と呼ばれたバンド、シンデレラの
最初で最後の大ヒット・アルバム
デビュー・アルバムではあるが、これがまた出来が素晴らしく確かボン・ジョヴィの弟分という
フレーズでデビューしたが、実際収録曲の" ナッシン・フォー・ナッシン " " イン・フロム・ジ・
アウトサイド "でジョン・ボン・ジョヴィがバック・コーラスで参加している
メタルというよりも割りとR&Rに近いサウンドで、" シェイク・ミー " " ノーバディーズ・フール "
" サムバディ・セイヴ・ミー "がシングル・カットされて大ヒットとなった
とてもわかりやすいハード・ロックだと思う