史上最高のサックス奏者、Sonny Rollinsの最高傑作
豪快ながらも話しかけてくれるようなアドリブにやられる
1950年代ジャズの古典的名盤、まったくムダがない完璧な作品だし、ジャズの楽しさ、深さを教えて
くれる作品のうちの究極の1枚で、ソニー・ロリンズはもちろん、ピアノ( トミー・フラナガン )と
ベース( ダグ・ワトキンス )、ドラム( マックス・ローチ )のテーマを共有しながら互いのソロに
反応し、自己主張すべきところは思いっきり主張する、その切り返しと感性のしなやかさ、品格さえ
感じる丁寧な仕上がりがとにかく凄いと感じられる
リラックスして聴けるが、全編にプレイヤー間の緊張感があり聴き飽きない
バド・パウエルやビル・エヴァンス、コルトレーン、マイルスの初期作品同様に一生もののジャズ作品で
割と聴きやすいのでジャズ入門アルバムにもいいかもしれないが、やはり素晴らしい作品なので
落ち着いてじっくり味わってほしい名盤である

§ Recorded Music §
1 St. Thomas - セント・トーマス
2 You Don't Know What Love is - ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
3 Strode Rode - ストロード・ロード
4 Moritat - モリタート
5 Blue Seven - ブルー・セヴン
§ Personnel §
Sonny Rollins - ソニー・ロリンズ( Sax )
Tommy Flanagan - トミー・フラナガン( Pia )
Doug Watkins - ダグ・ワトキンス( B )
Max Roach - マックス・ローチ( Ds )
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テナー・サックスの両巨人といえばジョン・コルトレーンとソニー・ロリンズだが、その奏法と音色は
両対称をなしていて、モード奏法とビバップ奏法、怜俐な音色と野太い音色、美しさと明るさ、バラード
とスウィング、双璧である…従ってそのファン層も分かれている
ソニー・ロリンズも一時雲隠れの時期があったが、復帰後は常にモダン・ジャズ界をリードしてきた
このアルバムは、ソニー・ロリンズ初期の名盤で彼自身が作曲した曲を中心に錚々たるサウンド・メンと
共に彼の名演が繰り広げられている
特に1曲目の" セント・トーマス "は両親の故郷である西インド諸島のサントメ( セント・トーマス )
島をイメージし、カリプソのリズムを取ってロリンズ自身が作曲したものである
オーソドックスなワンホーン・カルテットでソニー・ロリンズの優れたアドリブテクニックが堪能できる
とともに、トミー・フラナガン以下のサポートも素晴らしい
" セント・トーマス "は親しみやすく明るいナンバーで、後半のロリンズのソロが圧巻、" ユー・
ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ "は一転してマイナー調のバラード、抑制の効いたテーマ部分と
アドリブに入っての感情のこもったプレイの対比が見事である
" ストロード・ロード "はマイナー調のアップ・テンポ・ナンバー、本作品中もっとも短いが、ロリンズの
豪放な個性がもっとも現れている
" モリタート "は別名" マック・ザ・ナイフ "としてケニー・ドーハムやコールマン・ホーキンスも
取り上げている有名な曲で、前半の余裕たっぷりのソロ、後半のマックス・ローチとの掛け合い、
ダグ・ワトキンスのベース・ソロなど聴きどころ満点といえる
" ブルー・セヴン "は典型的な12小節のブルース、グルーヴィーな雰囲気をたたえたミディアム・テンポ
の演奏できっちりとアルバムを締めくくっている
ジャズで名盤っていわれるものはたくさんあるわけだが、これはその最右翼といってもいい大名盤である
いろいろなところでジャズを聴くならコレ、みたいな紹介があるが、どこを見てももう間違いなく
そこに入ってくる1枚である
ジャズの大名盤と呼ばれる作品に共通することは、たぶんジャズをあまり聴いたことがない人が聴くと
何が凄いのかが分かりにくい、ほかにもいろいろ聴くようになってみて初めてその凄さが見えてくる
このアルバムはどこを切ってもメロディアスで破綻のまったくない演奏だが、こんなアルバムそう滅多に
あるものではない
言い尽くされている感じはあるが、やはりジャズと音楽様式で作られたアルバムでは屈指の1枚といえる

