イギリスのグループとは思えない軽さと明るさばかり強調されがちだが
メリハリの効いたリズム感覚は、やはりブリティッシュ・ロック
シャカタクという日本では無名だったバンドを一躍メジャーにしたアルバムで、いわずと知れた
ブリティッシュ・ジャズ・ファンクの一アーティストであるが、イージー・リスニングともちょっと
違うし、フュージョンともちょっと違う、もちろん普通のポップではなく分類不能なほど新しい感覚が
魅力だった
イギリスのバンドにしては重さと圧倒感がなく、逆に軽さとリズムの斬新さが聴く者に心地よさを与えた
本作での代表曲はやはりタイトル曲の" ナイト・バーズ "か
メンバーの音楽感の相違か、一定の音楽的方向に取り続けられなかったのは残念だが、そこが彼ら
イギリス人のガンコさの象徴なのかもしれない

§ Recorded Music §
1 Night Birds - ナイト・バーズ
2 Streetwalkin' - ストリートウォーキン
3 Rio Nights - リオ・ナイツ
4 Fly the Wind - フライ・ザ・ウインド
5 Easier Said Than Done - イージアー・セッド・ザン・ダーン
6 Bitch to the Boys - ビッチ・トゥ・ザ・ボーイズ
7 Light on My Life - ライト・オン・マイ・ライフ
8 Takin' Off - テイキン・オフ
§ Band Member §
Bill Sharpe - ビル・シャープ( Key )
Nigel Wright - ナイジェル・ライト( Key )
Keith Winter - キース・ウィンター( G )
George Anderson - ジョージ・アンダーソン( B )
Reger Odell - ロジャー・オデル( Ds )
Jill Saward - ジル・セイワード( Vo )
Jackie Rawe - ジャッキー・ロウ( Vo )
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良くも悪くも、フュージョン=お洒落なBGM のイメージを定着させてしまった英国のフュージョン・
グループの大ヒット作、デビュー作はほとんど注目されなかったようだが、2ndアルバムにあたる
本作では、クールで透明感あふれるビル・シャープのピアノ・プレイが印象的な" ナイト・バーズ "が
大ヒットし、一気にブレイクした
今でもシャカタク=" ナイト・バーズ "のようなクリスタルなフュージョン・サウンドと思っている人が
多いが、本作を聴いてみても意外と多彩であることに気付かされるはずで、サックスを前面に出した
ファンキーな" ストリートウォーキン "、真夏のリゾート音楽って感じの涼しげなギター・サウンドが
印象的な" リオ・ナイツ "、しっとりと落ち着いた雰囲気の" イージアー・セッド・ザン・ダーン "
メロウなエレクトリック・ファンクという雰囲気の" ビッチ・トゥ・ザ・ボーイズ "、女性シンガー
( ローナ・バノン )による歌ものバラード" ライツ・オン・マイ・ライフ "など聴きどころは多い
文句なく惹き込まれ心が高揚するアルバムだし、もちろん懐かしさもたっぷりあるが、単なる懐メロでは
なく今でも斬新さを覚える名盤だと思う
しかしながらジャズの要素を持ちながらも、ある意味知的ともいえる曲の構成と確かな演奏は即興に
重さをおくジャズとは少し立ち位置が異なる
ディスコ・ミュージックのコンピレーション・アルバムにも収録される" ナイト・バーズ "だが
メインストリーム・ジャズからフュージョンまでを長く聴いてきた身としては、最初このアルバムを
どう捉えていいのか戸惑ってしまった
それは、このアルバムがフュージョンをいう括りに収まらないからで、軽いタッチでメロディアスな
フュージョン・アルバムは世にひしめくほど存在するが、これはそれらと一線を画していて、心地よい
だけではない、もっとパンチの効いたサウンドが追求されているからである
この大ヒット作をきっかけに空前のフュージョン・ブームが巻き起こったわけで、レベル42
メゾフォルテ、フルーツケーキなど新鋭が台頭し、パット・メセニーらベテランも注目されるようになる
折しもミュージック・シーンはAORブームが終焉を迎えようとしていた時期であり、ポストAORが
待ち望まれた時期でもあった
そのとき、流れに上手く乗ったのがデュラン・デュランやABCのようなニュー・ロマンティックス系
グループと、シャカタクのようなライト・メロウなフュージョン系グループではなかったかと思う
結局いずれのムーヴメントも一部のアーティストを除けば長続きはしなかったが、ビル・シャープと
いう類稀なる逸材を有するシャカタクは、こうしたブームの去ったあとも順調にアルバムを発表し続けた
ブームに影響されない真の魅力がある所以であろう

