ハードなギターとポップなシンセを絶妙にミックスさせた
ロック・サウンドを展開してきたThe Carsの代表作&最大ヒット作
なんともいえない独特のサウンドで一世を風靡したカーズ5枚目のアルバム、リック・オケイセックの
独特の世界が集大成されたアルバムといえる
残念がらこの後は失速してしてしまうことからも、彼らの感性・技能が頂点であった時代の作品である
シングル・カットしたすべてが大ヒットという、かつてのビートルズのようなことをしでかしたグループ
はこの後記憶にない
今は亡きベンジャミン・オールのヴォーカルを聴くことができる" ドライブ "も収録されている

§ Recorded Music §
1 Hello Again - ハロー・アゲインい2 Looking for Love - ルッキング・フォー・ラヴ
3 Magic - マジック
4 Drive - ドライヴ
5 Stranger Eyes - ストレンジャー・アイズ
6 You Might Think - ユー・マイト・シンク
7 It's Not the Night - イッツ・ナット・ザ・ナイト
8 Why Can't I Have You - ホワイ・キャント・アイ・ハヴ・ユー
9 I Refuse - アイ・リフューズ
10 Heartbeat City - ハートビート・シティ
§ Band Member §
Ric Ocasek - リック・オケイセック( Vo,G )
Benjamin Orr - ベンジャミン・オール( Vo,B )
Elliot Easton - エリオット・イーストン( G )
Greg Hawkes - グレッグ・ホークス( Key )
David Robinson - デヴィッド・ロビンソン( Ds )
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" ハートビート・シティ "はカーズの自信作がズラリと並ぶ圧巻の1枚で、ツボを抑えたメロディ・
ラインに乗せた演奏やコーラスとリック・オケイセック独特のヴォーカルがうまく噛み合って最大の
果実を成したといってもいい
80年代にそこそこの年代の人ならば、このアルバムのうち何曲かは耳にしたことがあるだろうし
今尚このアルバムは聴くに値する斬新さと魅力を持ち続けている
彼らの十八番である微妙な屈折感漂うラヴ・ソングの良さはもちろんとして、" ハロー・アゲイン "
" マジック " " ユー・マイト・シンク "などは能天気なほどの明るさが小気味良い
それでいて" ドライヴ "や" ハートビート・シティ "では、喧騒の現代の中にふと見つかる静かな時間や
静かな孤独を見事に歌いきっている
改めてカーズというグループの底力を感じずにはいられない
本作における最重要なトピックといえば、なんといってもこれまで数年にわたってアルバム制作を共に
してきたプロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーと決別し、新たにマット・ラングを迎え入れたと
いうことで、これにより、そのサウンド・スタイルは大きく変化した
これまでのカーズ・サウンドというのは、ポップ&ライト、小気味の良さといい意味での軽薄短小さが
特徴的でありそこがほかのアーティストとの一線を画するという部分における重要ポイントだったと思う
しかしながら、マッド・ラングのプロデュースということで本作でのアプローチはよりヘヴィでハード
アタッキングなものになっていて、音の分厚さというのがこれまでとは桁違いになっている
本作がリリースされた1984年といえば、折しもアメリカ音楽シーンが空前のヘヴィ・メタル・ブームを
迎えんとした時期であり、よりハードでダイナミックなサウンドが多くのリスナーたちが求めんと
していた頃、そんな中にあってマッド・ラングという人は、AC/DCとデフ・レパードという2つのハード
ロック・グループとタッグを組み、超破格の成功を手にした訳で、そこに目をつけたメンバー及び
スタッフはまさに彗眼であったというべきである
彼らはシーンに望んでいた音を実にタイムリーに提供することが出来たというわけである
しかもここにあるのはハード&ダイナミックなだけではもちろんなく、絶妙のバランス感覚でポップ&
キャッチーな要素も注入されてい
これがマッド・ラングならではの手法であることはいうまでもなく、粗野なガレージ・バンドだった
AC/DCを、より洗練されたメジャー・バンドへブラッシュアップさせた才能は、ここでも見事なまでに
発揮されている

