簡単に時代を超えていく
まさに音楽史に残る" タイムマシン "
元フォーク・クルセダースの中心メンバーだった加藤和彦が結成した日本を代表するロック・バンド
サディスティック・ミカ・バンドのセカンド・アルバム
フォーク世代を知る人はある年代以上に限定されると思うが、このミカ・バンドの代表曲である
" タイムマシンにおねがい "は、木村カエラや奥田民生などがカバーしているので" 聴いたことある "と
いう世代は結構多いと思う
サディスティック・ミカ・バンドのネーミングの由来は、いうまでもなくオノ・ヨーコによる" プラス
ティック・オノ・バンド "をもじったものであり、上述のフォーク・クルセダースも" ジャズ・クルセ
ダース "をもじったものである
また、ヴォーカルのミカの包丁使いが" サディスティック "だったことにも由来する
§ Recorded Music §
1 墨絵の国へ
2 何かが海をやってくる
3 タイムマシンにおねがい
4 黒船( 嘉永六年六月二日 )
5 黒船( 嘉永六年六月三日 )
6 黒船( 嘉永六年六月四日 )
7 よろしく どうぞ
8 どんたく
9 四季頌歌
10 塀までひとっとび
11 颱風歌
12 さよなら
§ Band Member §
加藤和彦( Vo,G )
ミカ( Vo )
小原 礼( B )
今井 裕( Key )
高中正義( G )
高橋幸宏( Ds )
- アーティスト: サディスティック・ミカ・バンド
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ちょっとほかが真似できない作品で、特にギター・インストの雰囲気が出すぎで上手いとかいうのでは
なく、黒船がやってくる雰囲気がムンムンで素晴らしい
" タイムマシンにおねがい "の歌詞も当時では異色、こんな世界をスッと書けるのも凄い
また、" どんたく "にいたっては、このような視点からの歌は当時のジメーッとしたフォークの世界には
まったくなかった世界であった
もともと加藤和彦の世界は、単純なフォークの世界には入りこんでいなかったわけで、たまたまスタート
が" フォーク "とういう名前がついたグループだったから先入観が強く誤解しているだけで、加藤和彦の
世界は、ここからどんどん進化、拡散していくこととなる
ビートルズ、ピンク・フロイドを手がけたクリス・トーマスがプロデュースしたということで話題にも…
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ファースト・アルバム" サディスティック・ミカ・バンド "は、日本ではまったく売れなかったが、
イギリスのプロデューサーがなぜか気に入ってイギリスに渡って制作されたアルバムがこの" 黒船 "で
メンバーは上述したように高中正義、小原礼、つのだ★ひろ、加藤ミカが初期メンバーで、後にメンバー
チェンジを経て元YMOの高橋幸宏や後藤次利などが加わっている
加藤和彦の日本人離れした作曲能力、高橋幸宏の表現力豊かで鮮やかなドラミング、高中正義の閃きの
あるフレージングとセンスのよいトーン、ミカのエキセントリックなヴォーカル、小原礼のファンキーな
ベース、今井裕の煌やかなキーボードと、まさに日本ロックの夜明け的なアルバムである
人力で、しかもテープ編集でやっていた時代、概念として曲作りに" 編集 "を大胆に取り入れた日本人初の
ポップ・アルバムともいえる
しかもそれを比較的ファンキーな曲や複雑な組曲で展開しているのが、時代を突き抜けている所似だと
思うし、まさしく" ビートルズ "な構成美あふれるトータルなイメージを思い浮かべることができる
いま改めて聴き直しても新鮮味はまったく衰えないが、想像するに彼らの音楽は当時の日本では斬新
しすぎて受け入れられなかったのだと思う
当時の日本といえば一大フォーク・ブームだったことも要因かと…だが、日本人アーティストのミカ・
バンドが行ったロンドン公演が好評を呼び、それが日本へ逆輸入の形になった
今なお語り継がれるミカ・バンドの功績は、高中正義、小原礼、高橋幸宏、後藤次利などを起用し、世に
送り出したプロデュース能力も卓越したものを感じるし、このプロデュース能力はベッツィ&クリス
" 白い色は恋人の色 "、泉谷しげるの" 春夏秋冬 "、吉田拓郎" 結婚しようよ "などの名曲誕生へと
結びついている
また、ロンドン滞在中にライヴでのパブリック・アドレス装置に感動し、パブリック・アドレスを
日本の音楽シーンに初めて持ち込んだのも加藤和彦であった