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Ultimate Music Album - 極 -


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Locanda Delle Fate - Forse Le Lucciole Non Si Amano Piu:妖精 -

1970年代のプログレッシブ・ロックが終焉を迎えた1977年
イタリアのミュージック・シーンに彗星の如く現れたLocanda Delle Fate

 

イタリア出身のプログレ・バンド、ロカンダ・デッレ・ファーテの1977年のデビュー作で、ギター、

キーボード奏者を2名ずつ要する7人編成の大所帯で、そこから連想される通りゴージャスなサウンド

テクニカルな演奏を披露している

よく練られたアレンジと、叙情的でシンフォニックな美しいメロディが緻密に計算され、単純な大仰さ

ではなく効果的な演出として細部まで隙なく表現するこだわりがはっきりと感じ取れる

チープなテノール風のヴォーカルが好みを分けそうなところと、やや似たような曲が多い弱点もあるが

全体的なクオリティが高く、名盤に相応しい内容である

 

§ Recorded Music §
1 A Volte Un Instante Di Quiete - ひとときの静寂
2 Forse Le Lucciole Non Si Amano Piu - 蛍が消える時
3 Profumo Di Colla Bianca - 白色の香
4 Cercando Un Nuovo Confine - 新しい世界を求めて
5 Sogno Di Estunno - 憧れ
6 Non Chiudere a Chaive La Stelle - 星に鍵をかけないで
7 Vendesi Saggezza - 過ち
8 New York - ニューヨーク
9 Nuove Lune - 9番目の月

§ Band Member §
Leonardo Sasso - レオナルド・サッソ( Vo )
Ezio Vevey - エツィオ・ヴェヴィ( G,Vo )
Alberto Gaviglio - アルベルト・ガヴィリョ( G )
Michele Conta - ミケーレ・コンタ( Key )
Oscar Mazzoglio - オスカル・マツォリオ( Key )
Liciano Boero - ルチアーノ・ボエロ( B )
Giorgio Gardino - ジョルジョ・ガルディーノ( Ds )

 


 

 

 

この美しいジャケットのイメージ通り、ロマンあふれ出すような美麗なメロディが満載の名作で、美しい

ピアノに導かれてメロウなギターと繊細なシンセ・ワークに、しっとりとしたフルートが加わると

柔らかな情感に包まれた極上のシンフォニック・ロックとなり、正に妖精のような優しいサウンドである

また、アンサンブル的にも優れた展開力で、リズミカルな軽やかさがキャッチーな聴き心地となっていて

これぞイタリアが生み出した美の結集となっている

クラシック・ジャズ的なアプローチもあるが、それ以上に歌の比重が大きく、この辺がこのバンドに

対する評価が分かれるところだろう

ただ緩急の付け方、楽器配置のバランス、演奏( 特にドラム )は申し分なく、流麗なピアノが要所

要所を締めていて通して聴いても飽きさせないが、歌の能力や魅力としては平均的だと思う

全編インストゥルメンタルだったらという過激意見が出るのも頷ける

 

 

 

 

 

Forse le lucciole non si amano piu

Forse le lucciole non si amano piu

  • ロカンダ・デッレ・ファーテ
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
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ロカンダの特徴は、やはりツイン・ギターとツイン・キーボードという贅沢なバンド編成にあるといえる

これによりすべての楽曲で極めて緻密なアレンジが施され、完成度の高さは類をみない

ユーロ・ロック・バンドにありがちな英国のメジャーなプログレ・バンドに類似することなく、また

同国のプレミアータ・フォルネリア・マルコーニやバンコ、アレアなど人気バンドとも一線を画した

サウンドを万華鏡のように美しくかつ変幻自在に聴かせてくれる

またジョルジョ・ガルディーノのシャープなドラミングが唯一無二のアンサンブルに彩りをつけ、曲の

骨格を強固にしている

スネア・ハイハット・バスドラの組み合わせによるドラムの教則のような的確で多彩なリズム・パターン

は、これまたほかのプログレ・バンドでは得られない大きな魅力である

このドラム・サウンドがなければ、このバンドの持ち味も半減していたといっても過言ではない

 

単発ながらイタリアン・シンフォニック・プログレッシブ・ロックの頂点に君臨する名盤を生み出した

ロカンダによる1977年作で、テクニカルでタイトなリズム・セクションをボトムに、アコースティック

ピアノやアナログ・シンセサイザーチェンバロ、ギター、フルートといった楽器がふくよかなサウンド

彩る作風であり、ツイン・キーボード、ツイン・ギター編成で聴かせるその叙情性とファンタジアは

イタリアン・シンフォニック・ロックの中でも飛び抜けたクオリティを誇る

プレミアータ・フォルネリア・マルコーニやマクソフォーネといった叙情性と牧歌的な雰囲気を持った

グループにもまったく引けを取らない奇跡の1枚であり、かつスリリングな技巧に裏打ちされた名盤と

なっている