ブリティッシュ・ハード・ロックのUriah Heepの
3枚目のアルバムで彼らの出世作
ユーライア・ヒープは1970年に結成されたハード・ロック・バンドで、デヴィッド・バイロンの
ヴォーカル、ミック・ボックスのギター、ケン・ヘンズレーのオルガンが中心となっている
リズム・セクションがグズグズと入れ替わっていたのがこのバンドの特徴でもある
マネジメントはブロンズ・レコードを立ち上げたジェリー・ブロンが担当していて、彼の辣腕がバンドの
デビューに大きな力となったが、最初の2枚はオーケストラも使った力作だったがセールス面では失敗
ハード・ロックを極めた本作でブレイクを果たすことになる
§ Recorded Music §
1 Look at Yourself - 対自核
2 I Wanna Be Free - 自由への道
3 July Morning - 七月の朝
4 Tears in My Eyes - 瞳に光る涙
5 Shadows of Grief - 悲嘆のかげり
6 What Should Be Done - 当為
7 Love Machine - ラヴ・マシーン
§ Band Member §
David Byron - デヴィッド・バイロン( Vo )
Mick Box - ミック・ボックス( G )
Ken Hensley - ケン・ヘンズレー( Key )
Paul Newton ポール・ニュートン( B )
Iain Clark - イアン・クラーク( Ds )
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ケン・ヘンズレーはキーボーディストだが、アレンジ、ヴォーカル、ギターのセンスがよく、その効果が
明確にこのアルバムに現れている
デヴィッド・バイロンとケン・ヘンズレーの導入部でのソフトで美しいハーモニーから、最後には
脳天をつんざくハイトーンの応酬による声の圧倒的パワーに驚かされる" 自由への道 "、ケンのスライド・
ギターとミック・ボックスのクライベイビーのツイン・ギターがファンキーで緻密なリズムアレンジの
上で絡みまくり、猛り狂う爆発力をみせる" 瞳に光る涙 "など、このアルバムではケン・ヘンズレーが
主要メンバーを挑発し、良さを最大限に発揮させている
佳曲は多いがやはり" 対自核 "が代表曲だろう
悪魔的歌詞を圧倒的なパワーで演奏し、独特の世界を構築するのが彼らの特徴だが、その特徴がよく
出ていて、アルバム・ジャケットは本曲を意識したもので、ジャケットを覗き込むと自分自身が見える
という仕掛けになっている
" 七月の朝 "は全体としてはヘヴィな曲なのだが、デヴィッド・バイロンの優しいヴォーカル、ケン・
ヘンズレーのキーボード・ソロを間に挟むなど起伏に富んだ作りになっていて聴き応えがある
" 悲嘆のかげり "はレコーディングの際、メンバーがもっとも興奮した曲だというだけあってヘヴィさと
熱気にあふれた聴く者も興奮させる曲になっていて、未だ最高のプロの味がする
ドラマーのキース・ベイカーがバンドを脱退し、バンド初のアメリカ・ツアーには後任ドラマーの
イアン・クラーク( 元クレシダ )が参加、そしてバンドは1971年の夏に本作をレコーディングし
プロデューサーのジェリー・ブロンは本作に関して" バンドが真の意味で強固な音楽的方向性を見出した
ときだった "と振り返っている
タイトル曲" 対自核 "のエンディングでは、オシビサのメンバーのうち3人がパーカッションでゲスト
参加、10分におよぶ" 七月の朝 "は、バンドが当時温めていたCマイナーのメロディのアイディアの3つを
1曲にまとめて作られた
本作を最後にオリジナル・ベーシストのポール・ニュートンがバンドを離れ、続いてイアン・クラークも
バンドを脱退している