超一流のミュージシャンによるジャズ/フュージョン色豊かな
夢の一大インストゥルメンタル・アルバム
ホジオ・レヴィン・スティーヴンス…は、ロック、フュージョン、ジャズ、インストゥルメンタルの
スーパー・グループ・パワートリオで、ドラマーのテリー・ボジオはフランク・ザッパ、U.K.、
ミッシング・パーソンズなど、ベーシストにしてチャップマン・スティック奏者のトニー・レヴィンは
ピーター・ガブリエル、キング・クリムゾンに在籍、ギタリストのスティーヴ・スティーヴンスは
ビリー・アイドル、マイケル・ジャクソンなどで演奏したギタリストで、いわゆる超一流のミュージ
シャンが集まり制作されたアルバムである
§ Recorded Music §
1 The Sun Road - ザ・サン・ロード
2 Dark Corners - ダーク・コーナーズ
3 Duende - ドゥエンド
4 Black Light Syndrome - ブラック・ライト・シンドローム
5 Falling Circles - フォーリング・サークルズ
6 Book of Hours - ブック・オブ・アワーズ
7 Chaos / Control - ケイオス/コントロール
§ Band Member §
Terry Bozzio - テリー・ボジオ( Ds )
Tony Levin - トニー・レヴィン( B )
Steve Stevens - スティーヴ・スティーヴンス( G )
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マイク・ヴァーニーがスティーヴ・ステーヴンスとテリー・ボジオを引き合わせ、2人がトニー・
レヴィンを呼んで実現したプロジェクトで、音楽的イニシアチブはスティーヴンスが握っている
製作期間は5日間で、即興性の高い演奏、実質スタジオ・ライヴなサウンドを楽しめる
メンバーそれぞれの音楽的背景やアイディアを探りながらジャム・セッションしつつ、その過程を
パッケージングしたかのようなこれらの作品は、原石の荒々しさが2作目に比べて即効感が高い作品に
仕上がっているように感じるが、少なくともこういったフォーマットにおける音楽のほうがボジオが
叩きまくれる空間がある
即興性が高い作品なので、スタジオ・ジャム的に同じようなフレーズを何度か繰り返しながら穏やかに
展開していく曲が多いが、" 同じようなフレーズを繰り返している "場面ではボジオ、レヴィンのプレイが
素晴らしく、特にテリー・ボジオの自由奔放なドラミングは楽曲をより生き生きさせてくれる
" ボジオ・レヴィン・スティーヴンス・ファン " " 各メンバーのファン "にお勧めできるし、プログレ
メタルとかハード・フュージョンなどの" テクニカルでハードなインスト・ファン "にもお勧めである
3人全員が才能ありすぎるメンバー、セッティングをしたマイク・ヴァーニーはすごいと思う
この壮絶なパワー・トリオは実際問題どんなものでもこなせるわけで…ただそのへんが罠になって
とんでもなくつまらなくつまらないものを作るときがあるが、この作品はその心配はない
なぜなら、磁場のような狂乱の世界が展開しているからで嬉しい誤算である
これはギターのスティーヴンスは完全にギターを、ベースのレヴィンも、そしてドラムのボジオは
オリジナリティーあるドラミングに努めている
特にスティーヴンスのギターは予定調和ではいかないスリリングなリフを展開できていて、知性のある
プレイが心地よい
そしてここが一番肝心だが、ボジオの刻むドラムが恐ろしいほどのテンションとポリリズムにあふれて
いて、まるでリズム・ジャングルみたいな魔境になっていてピリピリするようなインタープレイと
芸術的な演奏が並ぶ
偶発的なんだけれども、互いの音楽人生をぶつけているところがスゴすぎる
楽曲としては80年代型キング・クリムゾン風あり、キャズ・フュージョン風あり、そしてスティーヴ・
スティーヴンスのオハコともいえるフラメンコ風ありと実にバラエティに富んでいる
各人が、それぞれのパートで奮闘しているわけだが、いかんせんボジオとレヴィンというキャリアが
豊富でクセ者に対して、スティーヴンスは持てる引き出しが少なく力量不足を露呈してしまっている
オープニングの" ザ・サン・ロード "にこそ3者がうまく噛み合っていい感じだが、苦し紛れとも思える
スティーヴンスのフラメンコ風ギター( しかも、きっちりフラメンコになっていない )が登場するに
いたっては、なんだかなぁの感じは否めない
やはり各プレイヤーの力量が拮抗してないと、よい緊張感も生まれない…ということを改めて痛感した
- アーティスト: Bozzio,Levin,Stevens
- 出版社/メーカー: Magna Carta
- 発売日: 1997/07/15
- メディア: CD
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