Graham BonnetがYngwie Malmsteenを
迎い入れて結成したニュー・バンド
レインボー、マイケル・シェンカー・グループと渡り歩いたヴォーカリスト、グラハム・ボネット
率いるアルカトラスが1983年に発表した衝撃の作品、若きスーパー・ギタリストとしてマニアの注目を
集めていたイングヴェイ・マルムスティーン…" ネオ・クラシカル "と称される超絶な速弾きプレイは
当時のシーンに大きな影響を与えた
実際イングヴェイはすでにデビューをしていたが、この作品でその実力を評価されるようになったと
いっても過言ではなく、レインボー時代とは一味違うグラハム・ボネットのヴォーカルとイングヴェイの
ギター・プレイにより生まれた独特のグルーヴはとてもいい
§ Recorded Music §
1 Island in the Sun - アイランド・イン・ザ・サン
2 General Hospital - ジェネラル・ホスピタル
3 Jet to Jet - ジェット・トゥ・ジェット
4 Hiroshima Mon Amour - ヒロシマ・モナモール
5 Kree Nakoorie - クリー・ナクリー
6 Incubus - インキューバス
7 Too Young to Die,Too Drunk to Live - トゥー・ヤング・トゥ・ダイ、トゥー・ドランク・トゥ・リヴ
8 Big Foot - ビッグ・フット
9 Starcarr Lane - スターカー・レーン
10 Suffer Me - サファー・ミー
§ Band Member §
Graham Bonnet - グラハム・ボネット( Vo )
Yngwie Malmsteen - イングヴェイ・マルムスティーン( G )
Jimmy Waldo - ジミー・ウォルドー( Key )
Gary Shea - ゲイリー・シェア( B )
Jan Uvena - ヤン・ウヴェナ( Ds )
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ギター・キッズならずとHR/HMファンはご存知" 高速の貴公子 "イングヴェイが在籍した伝説のバンド
アルカトラスで、まず、どうして彼が有名なのかを簡単に説明すると、当時速弾きのギタリストは
チョロチョロとはいたが、ネオ・クラシカル奏法というヴァイオリンのフレーズを応用した画期的な
方法で、その速弾きたるや常識では考えられないほどのスピードで、当時はものすごい大事件だった
このイングヴェイが登場してから、数多くの速弾きギタリストが世に出てきたことから、その創始者と
いっていいだろう
このアルカトラスというバンドは自身2つ目の参加バンドで、これが最後の参加バンドとなる貴重な
バンドとなっている
そしてこのバンドには" やくざヴォーカル "こと、グラハム・ボネットというHR/HMファンならその名は
知っていると思うが、この人物こそがアルカトラスの中心人物であり、イングヴェイとともにこのバンドを
牽引してきた
彼中心のバンドはこれが初めてで、作曲センスの定評があったのと、イングヴェイのその超越した
ギターで一世を風靡したのだった
この時期のイングヴェイの" 超新星 "という佇まいよく、アルカトラスの一員で詳しくはわからないが
すごいギター・プレイをするヤツがいるといったポジションがいい
彼自体に対するこだわりよりも、そしてソロ・パートよりもむしろその独特のリフのセンスがいいのだ
特に" ジェネラル・ホスピタル "のベースとシンクロさせた重低音と、渋いギターのリフの違いは鳥肌
モノだし、" ヒロシマ・モナムール "のカキーンと引っ掛けるような音のハイセンスなカッコよさ、
テクニカルではあるが簡潔さを持ったソロと相まって、イングヴェイの数あるギター・プレイの中でも
白眉の2曲である
楽曲のためだけに自分の持ち得る感性とテクニックを真摯に捧げているといった佇まいは、名が知れ
わたってソロ活動が主になり、自分主体でほかの楽器が完全に自分の伴奏になってしまった後期の
イングヴェイにはみられない清廉な美しさがある
このアルバムから" トリロジー "までのアルバムは本当のギター・ヒーロー、イングヴェイ・マルムス
ティーンだったが、" オデッセイ "あたりから勘違い野郎になってきてる気がする
当時のほかのメタル・ギターリストとは明らかに違っていた
今となっては速弾きギターリストやネオ・クラシカル・ミュージシャンは沢山いるが本当に衝撃だった
捨て曲なし、どれを聴いても新しく、今聴いても違和感がない
速弾きよりもリズム感がすごく、ここまで心地よく速弾きギターをメロディアスに聴かせるのは
リズム感の賜物だと思う
おそらくスウェーデンからギターで身を立てるべくやってきた彼が、一生に一度渾身の心技をこめて
ソロを磨き上げることに集中したからだと思う
イングヴェイのギターの音質とニュアンスはこのアルバムがベストだと思うし、一番ストイックな頃の
イングヴェイの本当の素晴らしさが聴けるとても重要な1枚である