L.A.最強のフュージョン・ユニット、Yellowjacketsの
記念すべきデビュー・アルバム
歴史的に見ると1979年ロベン・フォードがワーナー・ブラザーズとソロ契約をしレコーディングするとき
当時の彼のセッション仲間3人を集め展開したのがイエロージャケッツの始まりである
なのでロベン・フォードもメンバーのひとりで、ロベン・フォードは天才ギタリストとして、そして
多くの楽曲を提供しているシンセサイザーのラッセル・フェランテはR&B部門でグラミー賞に輝くほど
しなやかなタッチで弾く天才である
イエロージャケッツ=スズメバチというネーミングは、生き生きとして力強く刺すような刺激がある
という意味で、彼らもそういった音楽を求めていたと思う
§ Recorded Music §
1 Matinee Idol - マチネー・アイドル
2 Imperial Strut - インペエリアル・ストラット
3 Sittin' in It - シティン・イン・イット
4 Rush Hour - ラッシュ・アワー
5 The Hornet - オーネット
6 Priscilla - プリシア
7 It's Almost Gone - オールモスト・ゴーン
§ Band Member §
Russell Ferrante - ラッセル・フェランテ( Key )
Robben Ford - ロベン・フォード( G )
Jimmy Haslip - ジミー・ヘイスリップ( B )
Ricky Lawson - リッキー・ローソン( Ds )
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オープンニングの" マチネー・アイドル "はラッセル・フェランテのエレクトリック・ピアノが心地よく
彼の作で西海岸の軽快なナンバーで、ラッセルのジャズ・ピアニストとしての高いスキルを持っている
ことの証明である
" インペリアル・ストラット "はラッセルがリチャード・ティーばりのキレのあるアコースティック・
ピアノ・プレイを聴かせ、ロベン・フォードのギターとのアンサンブルもかっこいい
ロベンのソロもロック、ブルース、ジャズなどの要素を匠に消化したアプローチで、インストゥル
メンタル・バンドとしてのイエロージャケッツのポテンシャルの高さを表している
このアルバムの頃のイエロージャケッツは、今のコンテンポラリー・ジャズとは明らかに異なり、
ハード&メロウでファンキーなフュージョン・サウンドで、ゲストもラリー・ウィリアムスを筆頭に
アーニー・ワッツ、パーカッションにはレニー・カストロやポリーニョ・ダ・コスタ、プロデュースには
トミー・リピューマが担当している
そして何より、ロベン・フォードが前面に出ていて、いわばロベン・フォード・バンドって感じである
ロベン・フォードもブルースに傾注したスタイルではなく" ギターに愛を "の頃のフュージョン系
ギタリストの王道をいった感じである
ジャズ、ロック、ファンクを上手にブレンドしたコマーシャルでイージー・アクセスなサウンド、
スタジオ系の腕が確かな連中が演奏しているが、まだまだジャム・セッションの域は出ていない
楽器をやる連中にうける典型的な代物で、やや練習曲=リハーサル曲みたいで、グループがやや
ワンパターンになっているのはそういった理由からであるが、ロベン・フォード研究にはいいサンプル
元気なロベン・フォードのジャズ・フュージョン・ギターが100%聴けるレアな作品といえる
特に" ラッシュ・アワー "はロベン・フォードのスリリングでテクニカルなプレイが聴ける名曲で、一聴の
価値があるし、" インペリアル・ストラット "も秀逸である